表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
51/306

第7話 隠し事

「レノも一緒にお風呂入ろー!」

 私が新聞の尋ね人欄を見ていると、ベッドの上で足をぶらぶらさせていたレノにトゥーナがそう声をかけた。

「お風呂、ですか?」

「うん、一緒にどう?お母さんも一緒に」

 レノは私のことを一瞬見つめて、

「わかりました。一緒に入りましょう」

 と言った。

「え?なんで今私の方を見たの?」

 私には分からなかった。


「の、乗っちゃっていいんですか……?」

「いいよいいよ、全然乗っちゃって」

「じ、じゃあ、失礼します……」

 そんなやり取りをして、レノは私の伸ばした足の上に乗っかった。

 右脚にはトゥーナ。

 左脚にはレノ。

 二人とも私に体を預けてもたれ掛かっている。

「温かい……」

「き、気持ちいいです……」

「ほんと……」

 私はあまりの気持ちよさに目を閉じた。


「うわッ!冷たッ!」

 頭に落ちてきた水滴で目が覚めた。

「大丈夫?お母さん」

「うん、びっくりしただけだからね……あれ?体洗ってるの?」

 二人とも私の脚の上からいなくなっていたので、横を見ると、トゥーナがレノの背中を流していた。

「さっきレノにも流してもらったから、そのお返しー」

「ああ、なるほどね……」

 なんかこうして二人を見ていると、それだけで癒されてくる気がする。

「いいなぁ……」

「ん?なんか言った?」

「んん、なんでもない」

 私は再び目を閉じた。


 その夜は三人で一つのベッドに入った。

「おやすみ、トゥーナ、レノ」

「おやすみー……」

「……」

 あれ、レノはもう寝ちゃったかな?

 返事がなかったので、レノの方を向いた。

「あれ……レノ、起きてたの……なら、返事くらいしてね?」

「……」

「レノ……?」

 どうしたんだろう。

 さっきから起きているのにレノの返事がない。

「レノ?」

 私はレノを軽く揺すった。

「ん?どうしました?ユイさん」

「あのさ……一つ聞きたいことがあるんだけど……いいかな?」

 さっきからの謎。

 もういっそ今聞いてみよう。

「あのね、たまにレノのこと呼んでも、返事してくれない時があるの……それで、ちょっと心配になっちゃって……」

 私がそう言い終えた瞬間、レノの顔が強張った気がした。

「……あの、ごめんなさい。一つ……どうしても伝えないといけないことがあったのです……でも、これを言うと、ユイさんになんて言われるか怖くて……嫌われるかもしれないと思うと……」

「大丈夫だよ……話してみな……私はレノを嫌いにはならないから……」

 私はポツリポツリと言葉を紡ぎ出すレノにそう言った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ