第15話 誤解
お母さんが迎えに来ました。
ランプをかざして私のところまで来てくれました。
お母さんが姿を見せた瞬間、
私はお母さんの背中に思いっきり飛びつきました。
「お母さんに会えて……よかった……」
お母さんに抱っこされて私は家まで戻りました。
家に戻っても私はお母さんから離れませんでした。
お母さんが優しく頭を撫でてくれました。
私はお母さんの膝の上で涙が枯れるまで泣きました。
家に帰ってこれた安心感と、
迷子になってしまった自分の愚かさと、
お母さんに毒キノコを食べさせてしまった自分の未熟さが混ざり合った涙でした。
「ごめんなさい、お母さん」
お母さんの膝の上にまたがったら私は、そうボソリと呟きました。
「怖かったでしょ?だったらもうなんなところに一人ではいかない」
お母さんは優しくそう言いました。
「もう……一人で森には……行かない」
私はそう決めました。
もう迷子になんてなりたくありません。
一人であの森には絶対行きません。
それと、もう一つ。
私には謝らないといけないことがありました。
「お母さん……私、もう一つ謝ることがある……」
お母さんの目をジッと見つめ私はそう言いました。
「何?」
優しい表情でお母さんは私に問いかけます。
「私……お母さんに……毒キノコ食べさせちゃった……本当にごめんなさい……」
私の言葉を聞いた途端、お母さんの表情が凍りました。
「え……?毒キノコ……?食べたの?私が?」
唖然とした表情を作るお母さん。
「ごめんなさい」
私がもう一度そう言うと、
「そうか……」
お母さんはそう言って天井を眺め始めました。
「向こうの世界で死んでやり直しができるからってこっちの世界に来たのに、またすぐに死んじゃうだ私。なんだろう、なんか複雑。この世界好きだったんだけどなぁ……もうお別れか……早かったな……」
お母さんが急に訳のわからないことをブツブツと喋り始めました。
「あわわ……あのねお母さん、別に毒キノコだからって死んだりはしないんだよ?」
なんとか誤解を解こうと試みます。
お母さんが食べたものは気持ちがハイになってしまうキノコなので別に死んだりはしません。
なんとかこれを説明します。
「あのね?死なないんだよ!死んじゃわないから安心して!」
「ああぁ……私は死ぬのか……いつどんな感じに死ぬんだろうなぁ……」
「違うのお母さん!死んだりしないの!死なないから!」
何だかんだありましたが、今日も我が家は賑やかです。




