第16話 危ない危ない......
「んん……ふあぁぁ……」
窓から差し込む太陽の光で目が覚めた。
「うん……朝か……」
私はベッドから出ると窓に寄り外を見渡した。
ちょうど目の前には、遠くの山からちょっこり顔をのぞかせた太陽が見える。
空は綺麗な青空で、雲ひとつない快晴だ。
「ううん……」
大きく伸びをする。
「気持ちのいい朝だな」
鍵を外して窓を開けてみると、ヒュオーと涼しい風が部屋に入ってくる。
窓から身を乗り出して、下の方を見てみると宿屋の前の店の主人が開店の準備をしていた。
私がその様子と見ていると、向こうはこちらの視線に気づいたらしく振り返ってきた。
「おはようさん!いい朝だね!」
白髪交じりの髪を揺らしながら店の主人であるおじさんが手を振ってきた。
「おはようございます!」
私も手を振り返すとおじさんはニコリと笑って店の中へ入って行く。
こう言う会話ってなんかいいな。
日本にいた時なんて、近所の人と声を掛け合うなんてことはしなかった。
それに、おそらく向こうは私のことを誰だか知らない。
それなのに声をかけてくれるとは……
いい人なんだな。
「さてさて。どうしようかな」
まだ朝も早いし、流石にトゥーナを起こすわけにはいかない。
「よっと……」
窓際のテーブルの周りを囲う椅子を一つ引き出すと私はそこに座った。
そして机の上に置いてあったポットから水をコポコポコとコップに注ぎ、一口飲んだ。
「ふう……」
寝起きで乾いていた喉を冷たい水が潤してくれる。
「今日はどうしようか」
昨日のうちに一通りすることは終わらせたし、今日は実質フリーだ。
「帰るか……」
でも、帰ってもあんまりすることないな。
「うーん……」
何をしようかと考えていると、ひとつ大事なことを思い出した。
「あ、道具とか買ってない」
そう言えば、道具のことを全くと言っていいほど忘れていた。
村づくりをする上で、木を切ったり、加工したりするための道具が必要になってくるのだが、未だにその道具を買っていなかったのである。
すると、肝心なものを今の今まで忘れていたことになる。
気がつかずに戻っていたら、もう一度来ないといけないところだった。
危ない危ない……
「何が必要か……」
どのようなものが必要か考えてみるも、今まで村を作ったことも家を作ったこともないので、何が必要か全くわからない。
ちなみに木工製作をする際に使う道具を最後に使ったのは、中学生の頃の技術の時間である。
ノコギリだとかカンナだとか色々使った覚えはあるが、あれから数年経ち肝心な使い方を覚えていない状態なのである。
果たして私は道具を使うことができるのでしょうか?
うーむ、今更心配になってきたぞ。
でも、
「とにかく、道具を揃えなければ何事も始まらないしね。今日は道具とか必要なものを買いに行こうか」
と言うことで、今日は村づくりの必要な道具を買いに行くことにした。
「じゃあ、準備しようかな」
椅子から立ち上がると私は顔を洗うべく、洗面所へと向かった。




