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第12話 役場でアドバイス

「美味しかったね、お母さん」

「ね、また来たら食べようか」

 結局串焼きでお腹を膨らましてしまったが、まあ美味しかったので良しをする。

「で、このあとどうするの?私なんにも知らないよ?」

 ご飯も食べ終わって、そろそろ本題へと思ったけど何をすればいいことやら。

「まずはね……村づくりのために土地を確保しないと。そのために役場に行くの」

「了解です」

 トゥーナの案内で村役場まで歩いて行った。


 しばらくして、目の前に大きなの建物が現れた。

「ここが役場?」

 トゥーナに問う。

「そうだよー。村の偉い人がここにいるの」

「なるほど、……んん?」

 ここまで何気なくトゥーナについて来たけど、なんでこの子知ってるの?村役場の場所とか、土地の確保とか……

 謎だな……

 先を歩くトゥーナが役場の扉を開ける。

 ギギ、と音を立てて重そうな扉が開く。私も後ろから手伝ってやり、中に入る。

「うん、ザ・役場って感じ」

 中身入るとまず横長のカウンター。

 三つくらいの窓口に受付のお姉さんたちが待機している。

「こっちだよ」

 トゥーナに案内された窓口は「土地」と書かれたプレートがぶら下がっていた。

「土地て……」

「ん?」

「いや、なんでもない」

 独り言だよ独り言。

「本日はどんなご用件でしょうか?」

 受付のお姉さんがにこりと微笑みながら聞いてくる。

「えっと……今日は……何?トゥーナ?」

 助け舟プリーズ?

「りょうかーい、今日は……用地取得の手続きをしに来ました」

「用地取得ですね?わかりました」

 その後専門用語が飛び交う会話で私は全くついていけなかった。

 しかし、なぜこの子はそんなことまで知っているのか?

 永遠の謎だな。


 受付のお姉さんとトゥーナの会話が謎すぎたので、私は後ろにあるベンチで座って待っていることにした。

 専門的なことは理解できる人に任せたほうがいい。

 餅は餅屋ってね。

 テキパキと手続きを進めて行くトゥーナを見ていると不意に後ろから声をかけられた。

「はいはい、なんでしょうか?」

 振り向くと後ろにはおじいさんとおばあさんが座っていた。

「あそこで話してる子はお嬢さんの娘さんかい?」

 おじいさんがトゥーナを指差しながら聞いて来た。

「ええ、一応……」

 私が産んだわけじゃないけど、そこらへんを説明するとややこしくなりそうだし。

 私が産んだことにしておけ。

「可愛い娘さんじゃのう。ようけ似ておるわ」

 今度はおばあさんが口を開いた。

「そうですか?ありがとうございます」

 似ていると言われれば嬉しいことこの上ない。

 でも、私とトゥーナはそんなに似てるのか、

「それにしてもお嬢さんもまだまだ若いのう」

 あ、この流れは少しやばいか……?

「若いのに娘さんがいて大変じゃろう?なんかあったらすぐに周りの人に相談しなされ。一人で解決しようとするのはダメじゃからな」

 と、おじいさん。おばあさんもウンウン頷いている。

 なんかセーフ。

するとおじいさんが急に真面目な顔になり話し始めた。

「無理は禁物じゃよ。あのな――」


「そうですね……相談することもやっぱり大切ですね。ありがとうございます」

 とても有り難いアドバイスだ。

「まあ、頑張りなされ。ほれ、娘さんが来たぞ」

 そう言われ振り返ると紙を持ったトゥーナがこちらに向かって来ていた。

「おかえり、トゥーナ」

「ただいまー!あ、こんにちは!」

 元気よく挨拶をするトゥーナ。

「こんにちは」

 おばあさんが手を振って答える。

「お母さん、許可取れたよー。これで大丈夫」

「了解。お疲れ様トゥーナ」

 私がトゥーナの頭を撫でると、

「それじゃあわしらももう行くで、気をつけての」

 よっこいしょ、と椅子から立ち上がりおじいさんとおばあさんは役場から出て行った。

「ねえ、お母さん。おじいさんとおばあさんと何話してたの?」

 私と見上げるトゥーナ。

「うーん……内緒」

 今は黙っておくことにした。

「ええー!教えてー!」

「内緒?」

「ううー……お母さんのケチ」

「ふふ、じゃあ行こうか?」

 私はトゥーナに手を取り役場の出口へと向かった。

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