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第11話 串焼きとスキンヘッド

「……何……?食べたいの……?」

 じっと出店を見つめるトゥーナ。

 その出店を見るトゥーナにやや圧倒されながらも私はそう問うた。

 私がそう聞くとトゥーナは顔をこちらに向け、コクコクと頷いた。

「……そう」


「……」

「……」


 出店の店主がハラハラドキドキ感満載の顔で私をトゥーナを交互に見つめる。

「食べたいの……?」

 もう一度問うてみると、

 コクリ

 静かに首を前に倒し肯定した。

「食べる……?」

 ジッとトゥーナの目を見つめる。

「うん!」

 目をキラッキラと輝かせながら返事をした。

 キラッキラの目でじっとこちらを見つめるトゥーナ。


「……」

「……」


 そして、

「わかった……今回だけだよ?」

 買ってあげることにした。

 娘が欲しいと言って来たのになぜ否定する必要がある?

 娘の欲しいものはなんでも買ってあげるのが当然だろう。

 正直に言うと、ただ私もお腹が空いていただけ。

 まあ食べるなら、もう少ししっかりしたものを食べたかったけど。

「えっと、じゃあ……」

 一先ずのこの店で食べることにして、メニューを見る。

 どうやらこの出店は串焼き専門らしい。

 牛やら豚やら色々な種類がある。イノシシなんかもある。どんな味がするのだろうか。

 そしてメニューを見て行く上で一つわかったことがある。

 この世界も牛とか豚とかイノシシって普通に言うらしい。

 なるほど、日本と共通か。そう言えば今更だけど言葉も日本語だな。

 周りの雰囲気は西洋風なのに。

 不思議。


 店主は日焼けをしたスキンヘッドのおじさん。柔らかい笑顔がチャームポイントだ。

 そんなおじさんに、

「このお店の一番のおすすめはなんですか?」

 と聞いてみた。

 すると

「そうだなぁ、俺が勧めてんのはこの串だな」

 そう言って網の上で焼いていた串を二本持ち上げると、謎の液体で満たされた壺にチャプンと入れた。

 そのあと謎の液体(おそらく秘伝のタレかなんか)が滴る串をズイと渡して来た。

 なんの肉かもわからないのですが……

 それに、

「あ、まだ注文を……」

 そう言ったら、おじさんはニッと微笑み、

「お試しだ、食べてみろ。美味ければもっと買ってもいいし、あんまり好みの味じゃなかったら買ってくれなくて構わない。とにかく一回食ってみろ」

 そう言った。

「じゃあ、お言葉に甘えさせてもらって……いただきます」

「いただきまーす!」

 トゥーナと一緒に渡された謎の串にかぶりついた。

 ゆっくり咀嚼して……

 飲み込み……

「おほう!」

「美味しい!」

 二人同時に声をあげた。

 美味しい!

 まず肉が柔らかい。そして肉汁がドバッと溢れてくる。タレがいい感じにマッチしている。

 日本にいた時に食べた食べ放題の串焼きがとてつもなくショボく感じてしまう。

 それくらい美味しい。

「おじさん!美味しいね!」

 トゥーナも喜んでいる。

「美味しいです!こんなに美味しい串は今まだ食べたことないくらいです!」

 別に大袈裟に言っているわけでもなく、本当に美味しいのだ。

 私も満足である。

「そうかそうか!それは良かった!どうするお姉さんたち、もっと買って行くかい?」

 おじさんの問いに、私とトゥーナは顔を見合わせ

「もちろんです!」

「もちろん!」

 同時にそう答えた。

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