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第24話 笑顔で

「大丈夫かな、二人とも」

「どうだろうね。でもあの二人ならきっと仲直りできるよ」

 廊下に腰を下ろして二人で一枚の扉を見つめる。

 この扉の向こう側。

 親子の愛とか、絆とか、そう言ったもので溢れてるに違いない。

 お互いの話を聞いて、自分ではできる限りのアドバイスしたつもりだ。

 それぞれが最善を尽くせるように。

 仲直りして、四人でまた家族だって言い合えるように。

 二人が部屋から、笑顔で出てくるのを気長に待つつもりでいた。

 途中までは。


 ふと声が聞こえてきた。

 先ほどまで聞こえなかった声が、今度ははっきりと。

「待って……」

「え……?」

 何か取り返しのつかないことが起きてしまっている。

 そんな、なんとも言えない雰囲気が扉の向こうからひしひしと伝わってくる。

「ちょっと……嫌な気がする……」

 扉を見つめ息をひそめる。

「まさか、レノ……怒ってる……?」

 時折聞こえてくる叫び声のような声。

「これ……マズイんじゃない?」

「どうしよう、サヤお姉さん……」

 今は何もできない。

 このまま二人が出てくるまで、ただひたすらに待ち続けるしかないのだ。

 二人が笑顔でこの扉から出てきてくれればそれでいい。

「大丈夫だよ、きっと」

「本当?」

「信じて待ってよう?」

「うん……」

 時が立つにつれて心臓の鼓動がどんどん速くなっていくのがわかる。

 大丈夫だ。あの二人ならきっと仲直りしてまたあの笑顔で出てきてくれる。


「ユイさん……?」

 彼女の名を呼ぶと、彼女は私から目をそらした。

 何も言わずに立ち去る。

「二人ともごめんね。ちょっと一人にさせて……」

 彼女の口から発せられたその言葉から全てを察した。

 自室に戻っていく彼女の姿を唖然と見送る。

 取り残された二人。

「サヤお姉さん……?」

 コートの裾が引っ張られる。

「ちょっと……これはマズイ……」

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