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第15話 雪ネズミ

「ここまで柔らかいと逆に何にもできませんね……」

 木の棒を雪に突き刺しサヤが言った。

「本当だね」

「うん……」

「残念……」

 雪は積もった。

 それもたくさん。

 しかし、雪が柔らかすぎるゆえ、足を踏み入れるとどんどん沈んで行ってしまうのだ。

 当然雪の上に乗ることはできない。

「せっかくの雪降ったのに」

 トゥーナが悲しそうな表情を浮かべる。

「この板の上で遊べないこともないけどね……」

 雪の上に敷いた板は、子供たちが遊ぶには少し狭すぎた。

 このまま板を敷いて足場を広げてもいいのだが、それでは少し物足りないだろう。

 雪の上で遊ぶにはもう少し控えめなところを探さなければ。

「あ、あそこはどうですか?」

 サヤが指差した方向に振り向いて目を凝らす。

「森の中ならそんなに積もってないんじゃないですか?」

「あ、確かに」

 針葉樹だろうか。

 先端に行くにつれて、少しずつ細くなっていくその木には見覚えがあった。

 普段立ち入る森とは反対側。

 茂っているおかげで、ここらよりも積もっている雪が薄く見える。

「試しに行ってみる?」

 三人にそう問うと、全員が首を縦に振った。

 板のあまりはまだある。

 そこまで距離があるわけでもないので、そちらに行ってみることにしよう。


「ここなら遊べる!」

「深くないです……!」

 サヤの読み通り、ここなら遊べそうだった。

 その代わり、木の上に枝が曲がるほどの雪が積もっていたので、そちらは要注意だ。

「あんまり遠くに行かないでね。探すの大変だから」

 いくら雪が薄いからと言え、歩くのはなかなか大変。

 いざ探そうとしてもそう簡単に移動はできまい。

「はーい!」

「うん、わかった」

「了解でーす」

 三人はそう返事をすると、早速寄り集まって何かを話し始めている。

「さて……じゃあ私はどうしようかな……」

 キョロキョロと辺りを見回し、手頃な切り株を見つけると、雪を払ってそこに腰掛けた。

 ここから楽しそうに雪遊びをする三人が見える。

 もうすっかり仲良しだ。

 今は雪だるまを作っているのだろうか。

 サヤが丸めた雪の上に協力してひとまわり小さな雪玉を乗せている。

「雪だるまか……」

 何回か作ったことがある。

 どうしても胴体に頭が乗せられなくて、よく父親に手伝ってもらっていた。

「そうだ」

 ふとあることを思い出し、おもむろに雪を掴んだ。

 形を整えて腰掛けていた切り株に置くと、近くに木から葉と木の実を摘んだ。

 大きな雪ネズミができる。

 私と父親が雪だるまを作っている時、いつも母親が作っていたのがこれだ。

 なぜかその時のことが頭に浮かんだのだ。

 一回り小さい雪ネズミを三匹作ると大きい雪ネズミの横に並べた。

 四匹が一列に並んだところでユーナがポケットから飛び出し、小さく首を傾げる。

 そんな光景に思わず笑みが溢れた。

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