表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
115/306

第14話 スキー

 ありとあらゆる場所から板をかき集め、雪の上に並べて道を作ってみた。

 純白の雪の上に敷かれた一本の道は、さながら雲の上を歩いているよう。

「なんか幻想的ですね」

 前を行くサヤがそう言った。

 雪を被った木々や、遠くに見える白の連山。

 昔、新潟で見た光景とまるでそっくりだった。

 後ろからついて来るトゥーナとレノは目をキラキラさせて、あたりをキョロキョロと見回す。

 本来冬眠しているはずのユーナは、私のコートポケットから顔を覗かせていた。

 家族総出で家を出て向かうは街道。

 先程、板を敷くためにサヤと一緒に街道に出てみたのだが、なかなか綺麗に除雪されていた。

「街道まで出れたからこれから困りませんね」

 サヤがどこで拾ったのか、細い木の棒を振り回している。

「聞いてたよりもずっと雪が少なかったからね。まあこれからが本番かもしれないけど」

「じゃあ早いうちに一回くらい村に出ます?」

 雪が降り始める前に村で食品やら日用品は買っておいたのだが、どれも消耗品。

 思ったよりも早いペースで減ってきている。

「そうだね。雪が降ってない時を選んで行ってみようか」

 空は分厚い黒い雲に覆われている。

 今にも雪が降り出しそうだ。

 ちなみに、機械やデータに天気予報が存在しないこの世界では、人が空を見て明日の天気を予想する。

 例えば、夕焼けが出たら次の日は晴れだとか、山に笠がかかると雨が降るだとか。

 原始的な方法に頼るしかないのだ。

 結構前に村の本屋で買った天気の本を読みながら、晴れる日を予想しておくことにする。

「私、こんなにすごい雪見たの始めてなんですよね」

 ふとサヤがそんなことを呟いた。

「そうなんだ」

 そう返すとサヤは振り返って言う。

「ずっと大阪に住んでたんで、冬場にちょっとだけ降るみたいな。全然積もらないんですよ」

 確かにサヤの言う通りだ。

 雪を滅多に見ない地方に住んでいれば、これほどまでの雪はなかなか特別なものだろう。

「私も東京に来てからはそんな感じだったな」

 それでも、雪を見なかったのは最近までであり、父親が転勤続きだった私の家族は、雪国へ飛ばされることも少なくなかった。

「もしかしたらスキーとかできるんじゃないですかね」

「スキー?」

「スキーできません?あっちの方とかに行ければ」

 サヤが指差した先には小高い丘が。

「うーん、できなくもないけど……うーん」

「ユイさんはスキーできますか?」

「私?私はスキーできるよ」

 雪国に飛ばされたことは何度もあるのだ。

 冬場は家族でよくスキーに行っていた。

「サヤはできるの?」

「私ですか?もちろんできますよ。スキーもスノボも」

「じゃあ通ってたわけだ。冬場は」

「まあそんな感じですかね」

 ここ数年スキーはやってないのだが、果たして滑ることはできるのだろうか。

 もし本当にスキーやるのなら、前もって練習しておこう。

 そう心に決めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ