第10話 ドアの外
四人で食卓を囲んで朝食を済ませると、暖かい格好に着替えて外に出ることにした。
村で買った厚めのコートを身を包み、厚底のブーツを履いて準備完了。
玄関扉に手をかけた。が、
「やっぱりドア開かないね」
積もった雪の重さで外に出ることができない。
「雪かきしないといけないか……」
さてどうしたものか。
滑稽なことに、玄関から外に出られなくなってしまった。
玄関から外に出られないとなると、残る出口は窓。
しかし窓も半分ほど雪で埋まっていたので、こちらもどうしようもない。
「閉じ込められちゃいました?」
サヤが心配そうな顔をして問うてくる。
「うーん、まだそうとは言い切れないけど……」
雪は止んでるようだし、現段階でこれ以上積もることは無いだろう。
「どうしよう。ドア外す?」
ふと頭に浮かんだ手段がそれだった。
「外すの?」
「ドアを?」
トゥーナとレノが首をかしげる。
「まあそれしか無いね」
私はリビングに戻ると、道具箱を持って玄関に戻った。
「さて、ネジを取れば外せるかな」
ドアの蝶番に取り付けられたネジを一本一本ゆっくりと外していく。
「ドアが倒れてきたら大変だから、三人でしっかり押さえててね」
そう忠告して、最後のネジを取り除いた。
幸い雪の重みでドアが倒れてくることはなかった。
「どう?開く?」
サヤに聞く。
「えっと……なんとか開きそうですけど、このままだと雪がなだれ込んできますね……」
ドアの隙間から外を覗いたサヤがそう言った。
「うーん、それは困る」
家を建てた時に屋根というか、庇のようなものを設置したはずなんだけどな。
雪は積もってしまったようだ。
「じゃあ一回外側にドアを押そう。それで少し隙間を作って」
四人で玄関扉を全力で押した。
ズリズリと雪が動く。
「これくらいでどうかな」
ドアの両脇に、人が一人通れるくらいの隙間ができた。
「出れる?」
外したドアを直しながら三人に問うた。
「なんとか出れそうですね」
サヤがそう言って外に出た。
続けてトゥーナとレノも出る。
私も後に続いて出た。
「おお、すごい」
目の前に立ちはだかる雪壁の奥を覗くように、サヤと二人で背伸びをして外の世界を見た。
「ね、お母さん!見えないよ!」
トゥーナのコートの引っ張る。
「私も見たい……!」
レノが反対側の裾を引っ張る。
「はいはい、ちょっと待ってね。サヤ、レノを肩車できる?」
トゥーナを肩車して立ち上がりながらそう聞いた。
「肩車ですか?任せてください!」
サヤもレノを肩車して立ち上がる。
「おお!すごい!」
「綺麗……!」
肩の上ではしゃぐ二人に、私とサヤは顔を見合わせて微笑んだ。




