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この殺伐とした魔術世界で  作者: 柿の種
第二章 新しい土地で知ろう

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そして休息を

もしよかったら感想、ご指摘などお願いします

一応第二章ラストです。


ドミネ首都レギン - AM


翌日。

ログインすると、運営からのメッセージが2つ届いているのに気が付いた。

1つは今回の首都襲撃における協力した魔術師たちへの報酬。

もう1つは、忘れかけていた館の支配者討伐報酬だ。


「これはーっと」


首都襲撃の方は少量の金と回復ポーションの詰め合わせだった為に割愛。

問題は館の支配者の方だ。


『この度、報酬配布が大変遅くなってしまい申し訳ありませんでした。


お詫びとして、何でも1つ好きな汎用魔術書をプレゼント致します。


下記のリストからお選びください』


とのこと。

こちらとしては大変ありがたいため助かる話だ。

しかし。


「うっわ、大半知らない……なにこれ……」


そう。

いくら有名プレイヤーとの繋がりがあったり、レイドボスを約1人で殺したりしても知識面が増えているとは限らないのだ。

というかむしろ、汎用魔術に関してはあまり知らない。

固有魔術ならば……と思ったがそれはそれで話は別。


「説明聞きながら選ぶか……誰がいいかな……」


数少ないフレンドリストを見ながら考える。

赤ずきんは別にいいが、灰被りの仕事を邪魔する可能性があるのは頂けない。

職人系のグリルや、商人のテセウスも同様だ。


リックとクリスならば、と思ったがどうやらログインしていないようなので他。

となると必然的に1人になるのだが……。



メッセージを送って数分後、彼は地面から生えてきた。


「やぁやぁ!どうもクロエさん!!久方ぶりだな、元気だったかい?!」

「どうも、ガビーロールさん。貴方ほどではないですが元気でしたよ」


そう、歩く騒音ガビーロールだ。

抜糸をしてもらう予定もあったため、丁度良いなと思ったためだ。


「好きな汎用魔術書が貰えるんだろう!?良いなぁメイン討伐者は!」

「あれ?ガビーロールさんは違うんです?」

「あぁ!こっちはポーションの詰め合わせとちょっとしたアイテムだけだったな!」


ふむ、やはりレイドボス討伐における貢献度かなにかで報酬に差が出るのだろうか。

抜糸してもらいながら、リストにある魔術の詳細を聞いていく。


「じゃあ次は、傀儡魔術ですね」

「傀儡魔術は簡単さ!我々ゴーレム使いやホムンクルス使いと同系統だね!」

「同系統……ほう」


同系統というと、傀儡と呼ばれるものを使役するということだろうか。

少し面白そうだ。


「じゃあこれにします。教えて頂きありがとうございました」

「いや!問題はない!こちらも楽しかったよクロエさん!ではね!」


そう言うと、彼は地面へと還っていった。

おそらく、今目の前にいた彼もゴーレムなのだろう。

声をどう出しているかは知らないが、リセットボタンがやっていた感覚共有か何かでやってるのだろう。


さて、じゃあ次だ。



-----------------------



「結構復興進んできてるんだなぁ」


いくら襲撃者を撃退したといっても、レギンで破壊されたものは多い。

NPCやこの街に居を構えるプレイヤーなんかは、その被害に遭っており現在急ピッチでそれらの復旧が進んでいっているのだ。

昨日の今日で進んでいっている、というのもアレなのだが。


みれば、プレイヤーらしき姿をちらほらと工事現場で見ることが多いため、彼らのおかげなのだろう。

建築に便利な魔術持ちは羨ましい限りだ。

宿を自分で作れるし。


「あら」

「ん?あぁハロウさん」


色々買い物を済ませていると、ハロウと遭遇した。

今日は、というよりも数日間オフのようで姿は魔術師というよりも、何処かの金持ちの令嬢のようだった。


「結構買い込んでたけど、この国を出るのかしら?」

「いえ、これはいつもの癖というか。あと出ようにも、帰って来られるかどうか不安になるんでしばらくは滞在することにしました」

「ふふ、そうなのね。本当は何処に行くつもりだったの?」

「ユディスですよ、水精族の国の。腕を治したくて」


そういうと、ハロウは確かにという顔をした。

現在居るこのドミネという国は戦争中だ。

入国制限や、何かをしてもおかしくはない。

特に元々仲の悪いユディスからの来訪者など、入国審査で落とされ門前払いさせられそうだ。


「でもそうなると……」

「あは、暫くはこのままです。リアルとの差異もあるんで、出来るならユディスに行った方がいいとは私も思ってるですがね」

「そう、クロエさんが良いなら何も言わないわ。……と、滞在中何するかは決まってるの?」

「えぇ、決まってます」


私は一旦視線をコロッセウムの方へと向け、こう言った。


「決闘に手を出そうかと」


途端、空気が変わる。

いや、1人の殺気とも戦意とも言える気配に、空気が変わったかのように錯覚しただけだ。


「へぇ。いいわ、面白いじゃない」

「あは、そうですか?……待っててください、いつかその首獲ってやりますよ」

「言うじゃない新人(ルーキー)さん」


暫く見つめあったあと、軽く笑い合う。

その後、彼女とは別れ宿へと戻ってきた。


「ふう、結構疲れたなぁ……」


寝具に寝転がりながら、独りごちる。

思えばこの国に来てからも多くの事があった。

というか、あり過ぎた。


新しい力、新しい友、新しい敵。

なんと楽しいことか。


「今日は早いけど、ここら辺で落ちとこう」


ゲーム内で、宿の窓から空を見上げる。

明日も何か、新しい事が起きますように。


ハムスターが居れば……!

明日もいいことあるよね?ハ◯太郎とかやれたのに……!!


と。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

感想もありがとうございます。読んではいるのですが、中々返す時間が無く、申し訳ない。


一応これで第二章はラストとなります。

次回からは短編?番外?挟んでから第三章開始です。

これからもよろしくお願いします!

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