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この殺伐とした魔術世界で  作者: 柿の種
第二章 新しい土地で知ろう

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毒を作れば皿まで仕舞え

もしよかったら感想やご指摘などよろしくおねがいします


まず、毒というものは何か。

一般的に言われている毒というのは、基本的には生物に対して害をなすもの全般……というイメージがある。

私も【過ぎた薬は猛毒に】を手に入れて、リアルで毒について調べるまではそんな感じのイメージしかもっていなかった。


しかし、調べてみると意外と色々と毒にも種類があることが分かった。


「でも、今作れる毒は決まってるんだよねぇ」


前に【鑑定】にて見た時、あまり強くない毒しか作れないのを確認している。

……いや、待て。その前提自体おかしいのでは?


基本的に固有魔術というものは、能力が追加されるには習熟度を貯め、派生魔術を手に入れる必要がある。

そう考えると、元々の能力である毒精製能力の機能追加は、他の方法で出来るのではないか?


「まぁ他の方法って言っても、いつもやってるイメージでーっていう方法しかないよね」


まずはいつも通りに毒を作ってみる。

【魔力装】のコップ一杯分の水溶性の弱い毒だ。

正直これを摂取させても人も動物も殺せない程度の弱い毒だ。


「と、言ってもこれは持ってても仕方ない。……まぁとりあえず【チャック】の中に入れておけばいいかな」


【チャック】を開き、その中にダバーと流し込む。

別に異次元ボックスみたいなものだから、液体を入れても問題ないでしょ。


「じゃ、イメージで何とかやってみよう。……まずは粉状かな。毒の強さを変えなければ何とか……」


明確に粉状のものを作る……そんな感じのイメージ。

強さに関しては、まだイマイチどういうイメージをすればいいのかわからないために、現状はおいておく。


精製(クリエイト)


【魔力装】のコップの中に、白い粉が溜まっていく。

成功っちゃ成功だろう。では次にいこう。

コップごと【チャック】の中に入れて、再度新しいコップを作り直す。

粉というのは、水洗いしないと容器に意外と残ってしまうものだ。


……真水なんて今の私には生み出せないし、とりあえずこのまま入れておけばいいでしょ。

【チャック】内の毒に関しては、また後でまとめて廃棄するか、【異次元錬成】にてまとめてしまうのも手だろう。


「現在作っていたのは、基本的にはHPに対して作用する毒……」


じゃあ魔力に作用する毒も作れるのでは?

イメージだけで作れるのかどうかわからないが、まぁやってみるのも手だろう。

しかし、どうイメージしたものか。


……魔力を害する、というイメージって中々難しいなぁ。

身体の中にある力の源泉を侵すイメージ、といえばいいのだろうか。かなりふわっふわしたイメージだが一番最初で、尚且つ実験なのだからいいだろう。


魔術を発動させ、精製を開始する。

コップの中に、薄い赤色をした液体がたまっていく……が、途中で真っ黒に染まり生臭い嫌な臭いを発し始めた。


「うげ、なんだこれ……」


【鑑定】を発動させ詳細を確認してみる。


-------------

失敗薬品

-------------


「あーやっぱり失敗かぁ……」


だろうな、とは思った。

恐らく拙いながら魔力毒ともいうべき毒は途中まで精製できていたのであろう。


しかし何らかの原因によってそれは失敗した。

……魔力を込めすぎた?いや、今の毒にそこまで魔力を込めてはいない。むしろあまり魔力を込めていなかったのが原因?

一応、もう一度……今度は先ほどより魔力を込めて発動させてみる。


が、結果は同じ。

黒い生臭い液体へと変わってしまった。

……魔力の多い少ないに関係することじゃあない?じゃあなんだろうか?


「ただ単にレベルが足りていないだけ……?いやでも、毒精製に関係は……」


そこでふと思いつく。

……もしかして、派生魔術で増える能力って毒の種類?


それならば一応、納得がいく。

途中まで作れそうなのは、毒精製能力的には問題ないからだろう。

しかし、派生魔術を得ていないから途中で制限がかかり作ることができない。

……そう考えると、やっぱり習熟度を上げるしかないか。


「じゃあどうするかな……汎用性を高めてみる?いやでもそれなら宿でやるより外でやったほうがいいかな……」


しかし外には出たくない。

引きこもり、というよりかは外に出るとリセットボタンに出会う可能性があるからだ。

彼女は確実に襲い掛かってくるだろう。


コロッセウムであった時に襲い掛かってこなかったのが異常なのだ。

それほどまでに、彼女の中で決闘王者であるハロウの存在が大きかったのであろう。

その点に関してはハロウに感謝せねばならない。

ではどうするか。


「毒の形状変化って言っても、気体、固体、液体くらいしかできないし……気体で精製するにしてもやっぱり宿の中じゃまずいもんなぁ」


一応ここには、ほかのプレイヤーも泊まっているっちゃあ泊まっているのだ。

しかし、宿に泊まるようなプレイヤーは襲われない限りは基本的に襲い掛かってこない。

だからこそ、こういう宿はPKフィールドでありながら安全な場所としてプレイヤーには有名である。


その逆も然り、だが。


意外と思ったほどに実験に関しては進展がない。

分かったこと、というよりも仮定、妄想の類の派生魔術の系統しか思いつかなかったレベルだ。

やはり、繰り返し同じように作るしかないだろう。


「あとは液体にしてもサラッサラかドロドロか、とかそういうので種類を分けて精製してみるかぁ……」


粉状に関しては荒いか細かいか、なども決められるだろう。

一応これから試していってみよう。


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