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この殺伐とした魔術世界で  作者: 柿の種
第一章 霧の中歩いていこう

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戦後、雑談のようなものをしつつ

もしよかったら感想やご指摘などよろしくおねがいします。


しばらく休んだのちに、ずっと出ていたクラスチェンジするか否かのログに対しYESを押す。

少し早いペースではないか?とは思うけど、戦ってきた相手を考えると割とそうでもないのかもしれない。


『では、クラスチェンジ用のフィールドへ移動します』

「へいへーい」


二度目のホワイトアウトだ。



-----------------------



??? - AM


いつの間にかリアル世界は0時を回っていたようで、時刻表示がAMになっていた。

前回来たときと変わらず、白い靄がかかっているため遠くまで何があるかはわからない。


『えーっと、貴女が今回のクラスチェンジ者かな?』

「ん、今回はあのバニーさんじゃあないんだね。どうも、クラスチェンジ者ですよ」


前にクラスチェンジしたときに出てきた、チュートリアルからお世話になっていたバニーさんではなく、今回は猫耳さんが出てきた。

ショートのスレンダーなお姉さんだ。


『バニーさん…あぁあの子そんな呼ばれ方してるのね。まぁいいわ、じゃあこれリスト』

「あざますあざます」


この人?は結構接しやすい感じがするな。つい丁寧語じゃなく普通に話してしまう。

渡されたリストを確認してみると、少しおかしいものがあった。


-------------

クラスチェンジ可能リスト

 ・錬金術師

 ・上級錬成師

 ・中級魔術師

 ・暗殺者

 ・咎人

-------------


「すんません、この咎人って?」

『おぉ、貴女そんなクラス出てるのね珍しい。それは大罪魔術を取得可能になると出てくるクラスなんだけど…もしかして七つの大罪に関するアイテムか魔術か何か日常的に使ってなかった?』


心当たりはある。というか心当たりしかない。

夫人との戦闘中に出てきたあのログには【怠惰】の使用回数がどうたら、と書かれていた。

それが原因だろう。


「うーん、まぁいいか。じゃあその咎人ってのをください」

『はーい値段はプライスレスになりますよっと。特典は大罪魔術習得と深影魔術の習得だね。さて、一応これで終わりになるけど、質問あるかな?一応規約なんだあるか聞くの』

「大変っすね」

『そうだねー。で、どう?ある?質問』


猫耳さんはメガネをどこからか取り出し頭がよさそうな外見を装う。いや実際、私よりかはいいんだろうが、雰囲気のおかげかそんな感じがしないのだ。

今聞きたい事は結構あるにはあるんだけど、聞くとしたらあれだろう。


「じゃあ質問なんですけど、今習得した大罪魔術と深影魔術ってどんな魔術なんです?」

『あぁ、まぁそうだよね。見たところまだゲーム始めて少ししか経ってなさそうだし。……大罪魔術っていうのは、その名前の通り七つの大罪に関する魔術を習得できるものだね。ただ、習得する魔術にはその中でも系統があって、大罪魔術を使うまでに一番使っていた大罪…例えば憤怒とか色欲とか、それに関係する魔術になるみたいだね』

「へぇ、一口に大罪魔術っていっても、最低七種類はあるってことなのね…」

『そうなるねー。で、もう一つの方の深影魔術については簡単。影に関する魔術を習得するだけだよ。一応咎人へのクラスチェンジ時か、一部のボスドロップでしか習得できない魔術だから、結構レアなんだけどね』


話を聞くに、やはり咎人というクラス自体がレアなのだろう。

大罪魔術に深影魔術。中二の男子がよく思いつきそうなネーミングではあるが、レアならば対人戦で使った場合不意打ちできる可能性は高い。

攻撃系の魔術があれば、だが。


『さて、ほかに質問がなかったらここで終わりにするけど?』

「あー、ちょっと待ってくださいませお姉様。えーっと……そうそう。これらの禁書に関して何か知りません?」


インベントリから元々持ってた【第一章】と、さっき手に入れた【第四章】を取り出し、彼女に見せる。


『いやお姉様て。って、おおレアなタイプの禁書だねぇ。もちろん詳細まで詳しく知ってるけど、流石にそれはネタバレになっちゃうかな』

「あーですよねー」

『そうだねー。でも、そうだな。もしあれだったらどっかの街の図書館にでも寄ってみればいいんじゃないかな?蔵書に関しては、図書館ごとじゃなく全ての図書館で共有になってるからどこでもいいのだけど』

「ふむ、図書館……そこってなんか未知の言語で書かれててーとかいうのあります?」


たまにある、言語習得しなければ本すら読めないタイプの図書館。

一応一度【第一章】を読んだことがあるが、何人かに聞く限り【第一章】が例外にあたるものらしいために、確認せずに特攻は流石にできない。


『んー?普通に君らの母国語に自動翻訳されるから安心していいよ。……もしかして他のゲームでそういうのあったの?』

「ありましたねー…まず最初に言語取得させられるタイプのVRMMO」

『うっわぁ…お疲れさま』


あの時は本当によく辞めなかったものだ、と自分を褒めてやりたいくらいのクソゲーだった。

さて、これで質問する内容は今は思いつかなくなったかな。


「じゃあこれで終わりにしちゃってください」

『はいはーい。じゃあどこに転移させる?』

「えーっと、一応シスイに宿取ってあるんで、そこの部屋に。あと時間も時間なんで、このままログアウトもしまーす」

『はいはーい。ではログアウト処理を行います。よい現実を』


最後だけバニーさんのような口調になった猫耳さんに見送られながら、私は現実に帰還した。

大変ではあったが、楽しい一日だったなぁ…。


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