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この殺伐とした魔術世界で  作者: 柿の種
第一章 霧の中歩いていこう

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霧の中で、再び

もしよかったら感想やご指摘などよろしくおねがいします。


リーン森林 - PM


暫くその辺をうろうろしていると、またモンスターが沸き始めたのか戦闘音が聴こえてきた。

おそらく、私以外にもどこかで【不思議な館への誘い】を経験したことのあったプレイヤーが先にイベントゲートを見つけたのだろう。


そちら側へ向かって走りつつ、【霧海】をできる限り広範囲に広げていく。


魔力の残量は…身体が怠くなってきてはいないためまだまだ余裕がある。

WOAの簡易ステータス表示は、基本HPかバフなんかの表示だけで魔力…MPの表示はない。基本的に無尽蔵、と考えてほしいと公式には載っていたが実のところ、魔力が切れてくると身体が怠くなり、最終的には指一本動かせなくなる。


これが魔力切れという状態、らしい。まだなったことはないため実感できないが、戦闘中にそれになってしまった場合、確実に殺されてしまうだろう。

しかも現在はモンスターが大量発生中の乱戦状態。そんな中で動けなくなったらすぐに死ぬだろう。


「一応MPポーションは飲んでおこう…。【霧海】のほうでモンスターの動き自体はわかってるし」


MPポーションを飲み、事前に魔力回復を図る。

【霧海】を使い続けているため、近づいてきたモンスターの動きは把握できている。

アイテム使用中はどうしても隙ができる。事前に危険が感知できるだけ【霧海】は優秀だろう。霧を出しているため、モンスターだけじゃなくプレイヤーも寄ってくるのが玉に瑕だが。


暫く走ると、大量のゴブリンとプレイヤー数人が戦闘しているのが感知できた。

【霧海】の効果範囲内に引っかかったのだ。一応広範囲に広げているために認識阻害効果は薄まっているはずなのだが、単純に霧が出てきたという点で両陣営共に驚いているようだ。

こちらから見てゴブリンの大群の後方には、見たことのあるイベントゲートが存在していた。


丁度いい。

このまま戦闘中のプレイヤーを囮にイベントゲート内に入ってしまおう。

【霧海】を再び自分の周囲に集中させ、近づいてくるゴブリン達に対し認識阻害を最大限発揮させる。


プレイヤーたちはこちらに気づいているが、いくらAIとはいえ大量にゴブリンを相手にしている現状、流石に意識をずっとこちらに向けているのは厳しいのか、特にアクションは起こしてこない。


『固有魔術‐霧海の習熟度が1000になりました。霧海の派生魔術として【五里霧】を取得しました』


とここで【霧海】の派生魔術を習得した。最近使いまくっていたからだろう。

詳細確認はイベントゲートに入った後でもできるため、そのままゲートに触れた。

あの時と同じように、視界が白く染まる。



-----------------------



不思議な館 - 1F


視界が回復すると、以前見た洋館の一室に居た。ビンゴだったらしい。

しかし前回と違う点は、この一室に多くのモンスター…ゴブリンが先客として存在していることだろう。


「うげっ……?」


しかし、彼らはこちらを襲ってくることはしなかった。

いや、むしろ気づいていないかのように私が入ってきたゲートへ歩いていく。

モンスターはプレイヤーを見つけると必ず襲ってくるはずだが、イベントの所為だろうか。


「いや、なんかこう…違う気がする。【霧海】の認識阻害とはまた違う感じだ」


もしかして、と思い【鑑定】を【霧海】に対し使用する。

引っかかっているのは先ほど取得した派生魔術だ。


-------------

【固有魔術-霧海-五里霧】

 この効果発動中、発動者は認識不可能状態となる。

霧海内に存在するものを任意で認識不可能オブジェクトへ変化させる。

 効果発動中は感知能力、認識阻害能力は発動しない。

 変化可能オブジェクト数:1

-------------


「あー…あー?」


【五里霧】はおそらくステルス特化の派生魔術なのだろう。

ゴブリンがこちらを認識していない理由は分かった。おそらく任意発動なのだろうが、無意識的に発動させてしまったのだろう。

感知能力で大量のゴブリンに囲まれていたのを把握したから…だろうか。


「うっ…これ結構魔力使うのかな、少しだけ怠くなってきてら」


今まで【霧海】を使っていた時よりもかなり消費魔力は重いようだ。

すぐに身体から力が抜け、怠くなっていくのを感じる。

このままだと魔力が切れ動けなくなった姿でゴブリンに殺されてしまう。


手に持っている樹薬種の短剣を使い、近くにいるゴブリンを殺す。

ゲートに近い…というより相手側の総本山みたいな場所のため一撃は厳しいかと思ったが、そんなことはなかったようで、そのまま動かなくなる。


「ステルス切れて動けなくなる前に、せめてこの部屋だけはなんとかしなきゃ」


護身石の短剣もインベントリから取り出し、両手に短剣を持つ。

少しでも早くゴブリンを狩るためだ。


数としては30~40ほど。少し厳しいかもしれないが、10体程度ならステルスなしでも認識阻害さえ発動していれば問題はないだろう。


「さぁーて頑張りますか!!」


首や頭、眼など、即死させられる部位を徹底的に狙い殺していく。

こういうときに、短剣という武器は取り扱いやすい。

掃除は苦手だが、こういう掃除は大好きだ。単純作業万歳。



-----------------------



ゴブリンを倒し続け、最後の一匹を倒し終えた時私の身体は魔力切れ寸前で、動くのもやっと…という状態になっていた。

まだ手持ちにあるMPポーションを使い、魔力を回復させつつ現状を確認する。


入ってきたときに通ったゲートは現在はもうない。

おそらく今はウェーブ間の休憩期間なのだろう。それのおかげでゴブリンなんかのモンスターがこの部屋に入ってこないのだろう。

文字通り休憩タイムだ。


以前この館に来たときは、シンス公爵家主人という巨大ゾンビと戦ったのだが今回もアレに関係するものだろう。

しかし、今回はゾンビだけじゃなく他のモンスターもたくさんいる。

その点で突入直前で取得した【五里霧】は丁度いいだろう。消費魔力にさえ目を向けなければ、だが。


「うーん…ここ安置じゃないし、できるだけ早めに安置見つけてそこ拠点にしちゃったほうがよさそうだなぁ…」


休憩も早々に、屋敷内の探索をしよう。

【霧海】を薄く、感知用に発生させ手には護身石の短剣を持つ。不意打ち対策だ。

何があるかはわからないが、十分できる限りの対策をとってから進んでいこう。


「さぁ、ミッション開始だ」


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