新たなクラス、手に入れたものは?
すいません、少し遅れました。
そして、いつの間にやら初投稿から1年経っていたようで。すっかり忘れてましたよ、はっはっは。
というわけで、今後もクロエ達をよろしくお願いします。完走までは終わる気がないので、頑張りますよ。
いつも通りに感想などなどよろしくお願いします~!
??? - PM
知り合いたちを部屋から出した後、出現したウィンドウのYESを押すと、見慣れたというには回数が少ないだろうが……クラスチェンジ時に飛ばされるあの見知った空間に私は居た。
既にスタンバイしていたのか、いつものバニー姿のNPCに軽く挨拶した後に今回の一覧を貰った……が、そこに記されていたのはただ1クラスのみだった。
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ドールマスター
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「すいません、このドールマスターっていうのは……」
『眷属、支配下にあるモンスターなど、いわば自分の駒を扱う魔術に特化したクラスですね。別段珍しいクラスでもないですが、取得するためには駒を用意して戦闘を一定回数行う必要があるために、取得者が少ないクラスでもあります』
「なるほど……」
事実、少ないのだろう。
私の周りでも魔術師の支配下にあるモンスターといえば、ガビーロールの使うゴーレムや、赤ずきんの呼び出すキャラクター達くらいで、それ以外は見たこともない。
少しwikiなんかも漁ったが、そういったクラスに就いている者もかなり少ないようだ。
一番の理由としては、そのコスト。
維持費、といえば分かりやすいかもしれないがどうしても魔力や、ダンジョンや野良のモンスターから得られる素材なんかを使って作ったり呼び出したりする必要があるために敬遠されがちなのだ。
そういった点を度外視すれば、自分の命令を絶対に守る使いやすい仲間が手に入るために便利ではあるのだが。
「これしか今回ないんで、これでお願いします」
『はい、了解しました。ではクラスチェンジを行います。……クラスチェンジ特典として、傀儡魔術の習熟度にプラス1000、新しく統率魔術を習得します。……これでクラスチェンジは完了となりますが、何か質問などはありますか?』
「いえ、大丈夫です。ありがとう」
『では転移先はどちらにいたしましょうか?』
「私の部屋で」
ペコリ、とバニー姿のNPCはお辞儀をすると、私の視界が一変し私の宿の部屋へと戻ってきた。
新しい力、といえば聞こえがいいかもしれないが……試合までの時間が短い以上、新しく手に入れた統率魔術とやらを試してある程度使えるようになっておく必要があるだろう。
それに統率、というくらいだ。
一気に増えた私の傀儡達に指示を出すのが楽になる可能性は十分にある。
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統率魔術
【統御】
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【鑑定】にて、とりあえずどんな魔術があるかだけは確かめる。
【統御】。確か統率とほぼ同じような意味だったはずだ。
まとめて率いる事。それに特化しているのだろう。
行使者が前に出る可能性もあるが、それはそれ。自衛くらいできるのがこの世界の魔術師だ。後衛特化のようなビルドにしていない限りは問題ないだろうし、そもこんな魔術をとるような魔術師が後衛特化かと言われると……そうじゃない気がする。
『ご主人よ、クラスチェンジが終わったんだな?』
「あぁ、グリンゴッツ。ごめんね、突然転移しちゃって」
『いや、それは問題ないが……その、あいつらはどうしようか。私は今まで戦闘時など必要な時だけ外に出して、それ以外は【チャック】に締まっていたのだが……』
「キングたちの事ねー……ちょっと待って。少し何とかできるかもしれないから」
『ほう?』
僅かに驚くような素振りを見せるグリンゴッツを横目に、私は早速【統御】を発動させた。
すると、目の前に青いウィンドウが出現する。
そこにはデフォルメされたグリンゴッツを筆頭に、キング達の姿、ステータス、現在どこにいるか、状態はどうかなどまで事細かに記されていた。
「これは……えーっと……?」
試しにデフォルメグリンゴッツをタッチしてみると、そこから新たにメニューがポップアウトする。
攻撃、防御、回復、待機の四つからなる選択肢があり、それぞれをタッチすることで詳細な命令が行えるようだ。
それ以外にも、ボイス入力によって命令を行うことも可能なようだ。
『すまないご主人、何かあるのか?何も見えないのだが……』
「ん?あぁ、いや。新しい魔術の設定ウィンドウみたいなのが出てるんだけど……もしかしなくても見えてない?これ」
『あぁ、見えてないな』
そういう事らしい。
恐らくは詳細な傀儡のステータスが載っているからこその不可視化なのだろう。対象選択なんかも出来ないようだし、これによって他の魔術師の行使するゴーレムなんかのステータスを測る事は出来ないように設定されているのだろう。
中々に考えられている魔術だろう。
ただそれだけに、考えないといけない所もあるだろう。
私の場合なら、例えば【チャック】に入れた状態で【統御】による命令は継続されるのかどうか、など。
他にも色々確かめる事も出来た。
時間が足りないかもしれないが……出来る限りの事をして、尚且つ戦術に組み込んでいくことにしよう。