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この殺伐とした魔術世界で  作者: 柿の種
第三章・後半
188/242

矯……正……?

カッとなって書き上げたので、少し荒いです。後でちょくちょく修正入れます。

Twitterでも言いましたが、只今殺伐魔術の1話から順々に圧縮・加筆修正を行っています。

具体的に言うと、1~3話分(大体1万文字前後)を纏めてしまい昔の粗探しをした後に、それを修正している感じです。

現在は大体12話目くらいまで終わってまして、第一章まで終わったら順次差し替えていこうと思ってます。

差し替えたら今回のように前書きなんかでお知らせしますので、よろしくお願いしますー


「……ふぅ、これである程度はゆっくりできるかな」


一応腕を確認し、『不殺』が解けていないかどうか確認する。

……よかった。一応赤ずきんさんは敵対者認定されてなかった。

思いっきりクリスと共に組んで、私の事を『矯正』しようとしているために、もしかしたらシステム的に敵対者認定されてる可能性もあったのだ。

その場合、【白霧結界】によって『不殺』が弾かれる可能性もあったのだ。


弾かれた場合、そこから始まるのは試合ではなく殺し合いだ。

矯正もくそもあったもんじゃなく、近いうちにある戦争に出場する選手がどちらか1人デスぺナになるというのはいただけない。

まぁ、恐らく対外的には内輪もめという体で情報が流され、代打のプレイヤーが出場するのだろうが。


「少し、試してみてもいいかもね」


再度言うが、これは私の魔術行使を矯正するための試合だ。

今は近くに赤ずきんもいる。つまりは?

最悪の場合に対処できるということだ。

ならば、今まで構想はあったものの試してこなかった方法を試してみてもいいだろう。


私は周囲に漂うようにして展開されている【白霧結界】を凝縮させていく。

ただただその場に出現させ、放置している自分の魔術を自分の求める形へと『変形』させていく。

さながら魔術に対し【変異】をかけているかのように、意識して形を変えていく。


その形は槍のように。全てを貫くように。

私は私のできるイメージを最大限【白霧結界】の形状変化に費やす。

そして形成されるは、周囲の【白霧結界】を全て吸収圧縮した巨大な1本の槍だった。


「ちょ、えっ」

「名付けるなら……【白霧撃槍】かな。いくよ」

「ちょちょちょ、あんなの喰らったらシャレにならないって!」


クリスは慌てながらも、階段状に固有魔術の立方体を積み重ねて空中へと逃れようとしている。

周囲の【白霧結界】が【白霧撃槍】に圧縮されたために魔術の行使が容易になったのだろう。

恐らくは身体強化系の魔術も併用し、その速度は風のように速かった。


「――射出(ショット)


しかし、それすらも遅いといわんばかりに【白霧撃槍】は私の目の前から勢いよく射出され……そして呆気にとられる彼女の身体へと命中したのだった。




「……矯正なんて必要あった?」

「いやー……あはは。必要かなーとは思ったんだ。模擬戦が始まったすぐの頃は確かにクロエちゃんの魔術構築速度は今までよりも遅かったし」

「すぐの頃は、ね」


模擬戦が終わり、少し経った後。

結果から言えば、【白霧撃槍】が命中したクリスはそのまま地面に落下。私が手に持つ影毒ノ牙にてトドメをさしかけたところで模擬戦は終了した。

クリスが本気でこちらを殺そうとしてきていなかったのも理由だが、やけにあっさりとした終わりだったために少し拍子抜けしてしまう。

……一応、魔術の行使自体は前ほどとはいかないものの、模擬戦始める前よりは何とか見れるものにはなってるし。


「とにかく。これで魔術の行使が思った通りにできなくて負けましたー!ってことはないはずだね。よかったよかったはっはっは」

「……まぁいいです。確かに直さないとなとは思ってたんで助かりました」


その後、少し気になったことを赤ずきんに質問した後、私が泊まっていた宿へと向かった。

デスぺナ中に宿泊期限が切れていないかと心配になったが、どうやらデスぺナ中には期限が切れることはないらしく自分の泊っている部屋へと入ることができた。

少しばかり散らかっているために、そのまま宿泊期限が切れていたら……と思うと不安になってしまっていたのだ。

普段は【チャック】内に物を管理はしているが、それでも外に出しておいた方が便利な物や実験用にと出しておいたものもある。


明日にはグリンゴッツが戻ってくるのだ。

それまでに、とは言わないが矯正?をしたとはいえど未だ前の感覚が完璧には戻ったといい難い魔術行使をどうにかモノにしたほうがいいだろう。

といってもやることは単純だ。


手のひらに【霧海】を出現させ、球体状に手のひらの上で維持するだけ。

これを両の手で同時に行うという実に見た目的には簡単なものだ。

そう、見た目だけなら。

少しでも気を抜けば一気に文字通り霧散してしまうそれをどうにかその場に留め尚且つ球体という形を維持する。

見た目以上に難度の高い練習法だった。


……というか、コレやれば時間はかかるけど戦闘する必要はなかったんじゃ。

そう思う気持ちもないわけではないが、やはりある程度久々に行う戦闘行動というのも貴重なモノだ。

普通、この世界で誰も死なない模擬戦を行うことは難しい。それこそコロッセウムにでも行って決闘するくらいしかないだろう。

だからこそ、気軽に……とは言わないものの赤ずきんとクリスにさせてもらったあの矯正はありがたいものだった。


「とりあえずはできる限り今日はこれを維持し続けるだけにしておこうかな……」


そうして、今日という日は過ぎていった。


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