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この殺伐とした魔術世界で  作者: 柿の種
第三章・後半
168/242

あの時の

もし良かったら感想、ご指摘、評価などよろしくお願いします。


赤ずきん視点


「クソッ!その状態になったらお前味方にも攻撃するじゃねぇかよぉ!!」


カウボーイはそう言いつつも、距離は取るがこの場から離脱はしていない。

私達と学生服が共倒れしそうになったところで漁夫の利でも狙っているのだろうか?

……まぁ、得られる物が多い方を選ぶよね。私もそうだろうし。


まぁいいだろう、こっちを攻撃して来ないならばある程度は無視できる。

ならば明らかに此方を敵認定して近寄ってきている、呪いに操られた学生服を対処すべきだろう。


「灰被りちゃん、殺せそう?」

「どうですかね……自動ターゲティング設定があるなら、死角から攻撃しても対処されそうですけど」

「ふむ、クリスちゃんはどう?撃ち抜けそう?」

「さっきから撃ってはいるんですけど……あの聖剣シリーズから出てきてる魔力が邪魔してるのか……」


……魔力が濃すぎて座標観測自体がズレてるのか?

最悪の場合、こちらから放った魔術も彼に当たる前に軌道が逸れる可能性がある。

何とかするにも物理攻撃を当てようとすれば呪いによって操られている学生服に斬られてしまうだろう。

また面倒な、とは思うが大体そこらにいる魔術師も似たような効果をもったアイテムを作って使ってきたりもするのだ。対抗策がないわけじゃない。


インベントリ内から宝石をあしらった首輪を取り出す。

かつてクロエの派生魔術によって作ってもらったアイテム。

ちょっとしたお遊びで作ってもらったモノだったが、丁度いい。


-------------

隷属の首輪 レア:unique

使用時効果:敵対関係にあるプレイヤーに対して自身に対する【隷属】付与

使用制限:相手に触れ、3節の詠唱をしなければ効果を発揮しない


【隷属】

対象者は、【隷属】を付与した者に対して攻撃行動をすることが出来なくなる

付与した者は、対象者に対して【自害】命令を出すことが可能となる


【自害】

この命令を実行した者は死亡する


オーナー:赤ずきん

-------------


元に使ったアイテムは高位の使い魔ゲット用の首輪と、ダンジョンボスである『大死霊』からのドロップである死霊の核の二つ。

死霊の核に関しては死霊術にでも使えばかなり良い触媒になっただろうが、私はそもそも死霊術を持っていない。

クロエの派生魔術によってunique等級のアイテムが作れると知った時に『あぁ、じゃあ一回使わせてもらえたら余ってるものでやってみよう』と考えたのだ。

しかしまぁ、出来上がったアイテムは使い勝手が悪い所か制限すらあるアイテム。

私自身では使用もできない為、今まで完全に持て余していたのだ。

……まぁ、あの状態の相手に使うことになるとは思ってなかったんだけど。


アイテム効果にもあるが、まず相手に触れられる位置まで移動しなくてはならない。また、触れた状態で詠唱をしなくてはならない。

しかし、だ。死ぬ覚悟をしてまで効果を発揮させれば……確実に相手に引導を渡すことができる。まぁ、言ってしまえばそれしかできないのだが。

普段だったら絶対に選択しないであろう物だが、ここで使わなかったらいつ使うのだというレベルの死蔵品だ。


「灰被りちゃん、拘束はできそう?」

「いけます。発動自体は阻害されないので」

「おっけーおっけー。クリスちゃんはあっちのカウボーイ狙っといて。多分今からやることやり終わったらこっち攻撃してきそうだし」

「へ?あ、はい。了解です」


指示を出しつつ、【劇場展開】を解除する。

使った後にすぐに解除することになるとは思わなかったが、現実そんなものだ。


「じゃ、行くよ」


私は【童話語り】を左手に、隷属の首輪を右手に持ちながら歩き出す。

灰被りの魔術によって足止めされていた学生服の方へと向かってだ。

それに合わせ、灰被りとクリスがそれぞれ動き出す。

灰被りは私よりも先に進み、学生服に近寄りつつも致命的な一撃を食らわぬよう一定の距離を保っている。

クリスは後ろから動かず、【頭上の林檎は撃ち抜かれる】を静かに準備しているのだろう。カウボーイが変な動きをした瞬間に撃てるように……だろう。

私も近づいてはいくが……準後衛職である私は剣の届く距離になった瞬間に切り捨てられるだろう。

真正面から正々堂々と近づいたら、だが。


「【影法師】発動」


補助系の固有魔術を発動する。

あまり【童話語り】以外の固有魔術は使っていないため、ほぼ習熟度を稼いでいないため派生魔術すらないが……この場合、【童話語り】を使うよりも数ある使っていなかった固有(モノ)を使ったほうが便利だろう。

そも、魔力によってクリスの固有すらも軌道がずらされている現状、【童話語り】によって誰かを出したり攻撃したりデバフをかけようとしても、その全てが逸らされ避けられ無駄になる可能性があるのだ。

それならば、こちらの方がまだ手がある。


そして、発動した固有魔術の効果によって、私の視界は切り替わった。


最近少し仕事などが忙しいため、少し更新が不定期になるかもです

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