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この殺伐とした魔術世界で  作者: 柿の種
第三章・後半
146/242

イベント開始

もしよかったら感想、ご指摘、評価などよろしくお願いします。


今回少し短いです


『只今、ご主人』

「お。帰ってきたね、お帰りー」


13時まであと20分、という所でグリンゴッツが影の中から帰ってきた。

AIが疲労というものを感じるかどうかは分からないが、恐らくシステム的にそういったものが蓄積されるのだろう。

少しでもそれを回復させておくために戻ってきた、というところだろうか。


『で、作ると言っていた短剣は出来たのか?』

「うん、これこれ」


グリンゴッツに見えるように、シャドウウルフの皮で作った鞘から短剣を抜く。


-------------

影毒ノ牙 レア:unique

深い影を纏い、毒に浸食された精霊鉱で形どられた短剣。

深影魔術との親和性が高く、魔力を込める事で影の刃を発生させる事が可能。


ダメージを与えた相手に対し【毒Lv1】のデバフを与える。

-------------


紫を基調としたその短剣は、一応レア度uniqueではあるものの、恐らく本来のレア度はRare程度のモノだろう。

自身の手で固有魔術を使い武器を作ったため、暫定的にレア度がそこまで上がっているのだろう。

試しに少し魔力を込めてみると、ブゥン……という音を立てながら薄黒い影の刃が出現した。


「どう?これ。影の刃の長さ結構自在に弄れるんだ」

『ほほう……しかし、それって【魔力装】で事足りるのでは……?』

「い、いやいや。【魔力装】以外にもね。こう、不意打ちとか狙えるじゃん?いいじゃん?というかもうなんというかかっこいいじゃん?」

『そういう……もの、なのだろうか……?』


グリンゴッツが頭を傾げているが、そういうものだ。

絶対に皆こういうのに憧れてノートの隅なんかに『ぼくがかんがえたかっこいいぶき!』みたいなものを書いていただろう。

これはそれの派生。ただ単に、それを形にしただけなのだ。


「さて、と。とりあえずあと少しで戦争イベント始まるし、グリンゴッツも準備しつつでいいから疲労回復しておきな」

『ん……、準備といっても【チャック】内にほぼ使えるアイテムが入ってるから、私が今更することもあまり無いんだがな……』


そう言いつつも、彼は【チャック】を開き中からゴブリンの魔石を取り出し喰らっている。

少しでも底力を上げるためだろう。

私は少しだけ減っている魔力を回復するべく、部屋のベッドに横になって休んでおく。


MPポーションを使えば急速に回復することはできるが、アイテムを使わないで魔力を回復するには、こうやって休める格好になることでも回復していく。

今回は少しばかり時間があるため、こちらの回復方法を選んだ。

……毎回毎回MPポーションだけ使って回復してたら、お財布が薄くなっちゃうからね。


こうして、最後のゆっくりできる時間がすぎていった。



-----------------------



『時間になりました。これより志願プレイヤーを戦争準備エリアへと転送します。戦闘中、儀式中の志願プレイヤーはそれらが終わった後に転送致しますので、そのままで問題ありません』


13時。

ワールドアナウンスのような形で、運営側の音声アナウンスが響き渡る。

私はゆっくりと体を起こし、グリンゴッツを頭にのせる。


彼が私の使い魔……傀儡だとしても、もしかしたら転送されない可能性もあるかもしれないな、と考えたためだ。

……赤ずきんさんみたいに固有魔術で出し入れ自由だったら楽なんだけど。

そも、AIが関連付けられた傀儡自体がグリンゴッツ以外に例がないことらしい。


まぁ、話が上がってきていないだけであって、何処かの国のランカーには居るのではないか?と考えてはいるのだが。

願わくば、私と同じような手合いが今回の相手であるファルシ側に居ないことを祈るのみ。


少し待つと、視界が暗転しそこは中世の建物の作りで作られたと思われる大広間へと移動していた。


「……ここが」


一応周りをキョロキョロと見渡してみるが、見たことのあるプレイヤーに加え、見たことがないプレイヤーも混じっているのが分かる。


知り合いの姿を探そうとしてみたが、予想以上に人が多くマトモに探すことができない状態だ。

どうするべきか……?


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