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この殺伐とした魔術世界で  作者: 柿の種
第三章・前半
124/242

再びいこう

もしよかったら感想、ご指摘などよろしくお願いします


チーム分けは特に何も問題はなく、すぐに終了した。

6人1チームが23組。これに加えて、同じ説明をドミネ内の他の都市で受けている者らも合わせると、67組。大体400人前後が集まったらしい。


私のチームはというと、その場にいたリック、クリス、赤ずきんと共に灰被りを入れた1人少ない5人チームとなっている。

最初はもう1人探そうとしていたのだが、チーム申請の受付をしていたハロウに見つかり、赤ずきんと灰被りを両方いれるならば5人にしろと言われてしまったのだ。


しかし、だ。

こちらにはもう1人……というか、もう1匹ほど追加で戦力となる者がいる。

そう、グリンゴッツだ。

私と魔術を共有でき、尚且つ傀儡という性質を持つため、強化も可能という彼がいる。


「戦争開始日は明後日の13時からってことは」

「それまでは準備期間、インターバルみたいなものだろうね。どうする?一応チームで固まっていたほうがいいだろうし、一度動きとかも確かめたほうがいいかもね?」

「じゃあそうしますか。普通のフィールドよりもダンジョンの方がいいかな?」


と話し合った結果、とりあえず近くにあるダンジョンを探すことにした。

5人+1匹が動けるダンジョン、ということである程度の広さがないとまともに動けない。

ならばということで、ここら辺の地形に詳しいリックとクリスが選んだのは、近隣の村がダンジョンへと変化した『静謐な村』へと行くこととなった。


ダンジョンというのは元々設置してあるものと、何かしらの要因があって何かがダンジョンへと変化したものに分けられる。

どうやって違いを見分けるか。それは意外に簡単だ。


ファンタジー系の物語や、ゲームでありそうな『○○のダンジョン』といういかにもな名前をしていたら、事前に運営が設置したもの。

私が前回攻略した『妖光の館』や、今回行く『静謐な村』は何らかの要因があって元々あったものがダンジョンへと変化したものとなる。


要因は様々で、NPCが何かしらの魔術的な儀式を起こし失敗したり、イベント的にそうなったり。

中には、プレイヤーの固有魔術でダンジョンを作り出すモノもあるらしく、それで作られたと思われるダンジョンも何個か見つかっているらしい。


「……っと、とりあえずここから先が『静謐な村』ってことですかね?」

「だろうねぇ。あ、クロエちゃんそろそろ傀儡くん呼んだほうがいいと思うよ」

「かぼちゃの馬車……おとぎ話……」

「あっ、あの、灰被りさん!頑張りましょうね!」

「?えぇ、頑張りましょう」


思い立ったがすぐ行動、という謎な赤ずきんの宣言によって、以前も乗ったかぼちゃの馬車に乗り、レギンから30分ほど行った所にポツンと立っている門の前まで来た。

酷く古くなった木製の門。周囲は草原のようになっているが、所々何処か何かがあったかのような残骸が転がっている。


門に対して【霧海】を使って感知してみようと思ったが、『妖光の館』と同じようなログが出現し感知ができなかった。


「あぁ、やっぱり『これより先のエリアには侵入できません』って出ますねぇ」

「ということは、この門を基準としてダンジョンができてるってことなのかな?」

「確かそうだったと思います。みなさん最初は驚くと思いますが、ここはそういうダンジョンなので頑張ってください」


クリスがそう言いながら、門を開ける。すると、だ。

門から通してみた草原はそこにはなく。中には木製の家屋が立ち並ぶ村の姿があった。


「……村があったという過去がダンジョン化したのかい?これ」

「そう……なんですかね?人はいません。ダンジョン内に出てくるのは今までは不死系モンスターだったんですけど……」

「私が行った『妖光の館』みたいに、いま何が出てくるかはわからないってことですかね?」


クリスが頷く。

とりあえず私たちはどういう陣形で行くかを話し合いながら、突入のための準備をする。

私も【チャック】を使い、宿の部屋からグリンゴッツを呼び出しておく。


基本的に私の持つ魔術的に、グリンゴッツも私も戦闘時の位置はどこでもいいのではないか?ということで遊撃手として動くこととなった。

個人的には、後衛に居たいなぁ魔術だけ撃ってる砲台となっていたかったなぁと思ったが、これは連携するためのダンジョン攻略なのだ。

好きかって言っていたら何も始まらない。


「では行きましょう」


前衛であるリックと灰被りが最初に門の中へと入っていく。

続いてクリスと赤ずきん、その横に居る私とグリンゴッツが中へと入る。

ここからダンジョン攻略が始まる。



-----------------------



静謐な村 - 1F


中は、先ほど門から見えたように、一見木製の家屋が立ち並ぶ質素な村にしか見えない。

【霧海】を展開し、何かが来てもいいように感知できるようにしておこうとしたのだが。


「「ガルルゥ……」」

「おっと。早速お出ましかな?」

「不死系モンスターではなく、動物系……それも狼ですか」


私たちの目の前には、双頭の狼が3匹ほど歩いて来ていた。

静謐な村の初戦闘の開始だ。


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