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この殺伐とした魔術世界で  作者: 柿の種
第三章・前半
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新しい力

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「【深影-影槍-爆裂】様子見3本射出っと」


自分の影から3本の影の槍がゴブリン達に向けて飛んでいく。

今回が初の使用だが、初めからイメージによる改変を加えているため、正規の使い方とは異なるだろうが……まぁ使えればいいのだ。


「ギゥッ!」

「ギギッ!!」


飛んで行った槍は、1本が錆びた剣持ちゴブリンに命中、他2本が弓持ちゴブリンの近くでボウンという音を立てて爆発した形となった。

……変異による【爆裂槍】とは違って炸裂はしないで、普通に槍自体が爆発。アレはアレで使えそう。


剣持ちゴブリンも弓持ちゴブリンもこれくらいではまだまだ力尽きはしないようで、こちらへと果敢に挑んで来る。

私は放たれた弓を【魔力装】にて作った丸盾で防ぎつつ、近くまで来た剣持ちゴブリンの横薙ぎをバックステップで躱す。


彼らの影に潜んでいるゴブリンアサシンらしき何か達は、まだ出て来る気はないようだ。


「続いて。【深影-影槍-分裂】今度は1本、射出」


再び私の影から放たれた槍を躱そうとしたゴブリン達の手前で、分裂させてみる。

【影槍】は系統樹の様にいくつも先から分かれていき、それぞれ20本ほどの細い槍へと変化する。

突然の変化についていけなかったのか、剣持ちゴブリンと弓持ちゴブリンは避けきれずに、決して少なくはない量の槍を受けてしまう。


「ギッ……」

「ィ…ッ……」

「うん、いい感じに瀕死だね……っと、危ない」


突如、影の中から放たれた短剣を【霧海】により感知し、それを躱す。

倒れている2匹の影からズズッと、ゴブリンアサシンが2匹出現し、こちらを威嚇するように鳴く。


「ギーィ!!」

「ギッギー!!」


そこに私は、今度は思考発動で【影槍】を発動させる。

今回は特に何かアレンジを加えているというわけではなく、魔術そのままのスペックでの攻撃だ。


一応数は8本。私が現在出せる【影槍】の最大本数だ。

それを射出し、ゴブリンアサシン達へと私自身も突っ込んでいく。


ゴブリンアサシン達は、【影槍】を躱しながらこちらを攻撃しようとしてくるが、その前に私が【魔力装】で刃渡りを直剣ほどまで伸ばした護身石の短剣で横薙ぎにして、2匹の首を飛ばす。

戦闘終了だ。


「解体解体ーっと」


戦闘音を聴き、他のモンスターが寄ってくる可能性があるため、自分では解体せず【変異】を次々とかけていく。

周囲を警戒しつつのため、精度は落ちるが極端に言えば魔石さえ手に入れば良いのだ。

それ以外は、現状特に必要はないのだから。


解体終了後、私は【霧海】を操作しつつ向かっていた方向へ再び歩き出す。

走らないのは、警戒しながら周囲を感知し万が一の襲撃を回避するため。


『固有魔術-霧海の習熟度が2000になりました。レベルが3へと上がり、霧海の派生魔術として【白霧結界(はくむけっかい)】を取得しました』

「お、おぉ?」


ここで【霧海】が習熟度がたまり、派生魔術を取得することが出来た。

名前からして結界系の魔術であろうというのは分かるのだが、それ以外は全くもってわからないため、【鑑定】をかける。


-------------

【固有魔術-霧海-白霧結界】

 霧海を展開中のみ使用可能。

白霧結界展開中、霧海内にいる敵対者に対し、【気配察知不可】【魔術威力減少】【気配遮断不可】のデバフを展開する。

-------------


「結界系……しかもデバフ型かな」


出来れば、自分のことを守ることが出来る結界がよかったが、文句を言えるような状況でもないため、素直に有り難く使っていこうと思う。

……でもやっぱり、そうだね。霧って名前からして考えてはいたけど、自分と相手を【分ける】ことに特化しているのかな【霧海】は。


最初にもらった派生魔術である【五里霧】は、使用者を濃霧に隠し周りから認識されないようにする魔術。

次に、今手に入れた【白霧結界】は、対象者に対し苦渋を強いる魔術。

どちらも、使用者と対象者を分けられて効果が設定されているものだ。


そして大本である【霧海】。

これはその【分ける】対象を選別するため、感知能力という霧にしてはモチーフが分からない能力を持っているのではないかとも考えられる。


「面白いなぁ……」


固有魔術1つとってみても、一貫したテーマがあるように考えられる。

個人的にただかっこいい、ただ強い、だけではなくこういう風に考えることができるモノは大好きだ。

大好物といってもいい。


歩きながら考える。

元々【霧海】の習熟度上げが目的だったため、すでに操作せず周囲感知用の霧を垂れ流している。

【白霧結界】も試したいのだが、効果的に魔術師系のボスか対人相手に使いたい。


また、恐らく室内以外じゃあまり使いやすいとは言えない派生魔術だろう。

【霧海】の範囲内に敵がいないとデバフがかからない。それはつまり、【霧海】の範囲内から出てしまえばデバフが解けてしまうということではないだろうか。


「強制的に【変異】か何かで壁作ってーってのもありかなぁ……」


実際使ってみないことにはメリットデメリットはわからないだろうが、頑張って使い方を考えていきたいとは思う。


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