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この殺伐とした魔術世界で  作者: 柿の種
第三章・前半
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ボスとの戦闘

もしよかったら感想、ご指摘などよろしくおねがいします


こちらは第2話です。


オーガとの戦闘は、相手の動きに気を付ければ難なく終わりそうな気がしている。

というのも、【怠惰】をかけ続けてはいるが相手の動きが単調なのだ。


近づく、こん棒を横に振る。この2つの動作しかない。

だが、それ故に対応できない場合が出てくる。


【身体強化】を足にかけているからなのか、偶に予想だにできない速さで動き、こん棒を振ってくることがある。

いつも通りいつも通りと余裕をもって避けずに、避けられるぎりぎりで避けているとそれに喰らってしまい、そのままお陀仏になってしまう。


それを防ぐために、余裕をもって避けること。

次いで、私は禁書を使い【棚】を召喚、自分に身体強化をかけた。

今回は【憤怒】と【視界強化】無しだが、それはこの後の階層ボスで使う可能性が出てくるため温存しているだけであって、この戦闘中に絶対使わないというわけではない。


また、ゴブリン人形にも禁書側の【身体強化】をかけた結果、オーガに浅くだが傷を付けられるようになったのを確認したため、武器を戦槌から長槍へと変化させてある。

まるで足軽のようだな、と思ってしまったが貴重な自分以外の信用できる戦力なので失いたくはない。


「さて……戦闘開始から結構経ったけど」


ちら、とみるとオーガはまたこちらへと走りだそうと力を溜めている。


「まだまだ元気そうだねぇ」


溜息をつきながらも、私は避けるため準備を開始する。

全身に掛かっている【身体強化】を足に重点的に掛けなおし、そのまま【霧海】を感知できる範囲で全力で使用する。


これによって、どういう速度でこちらへ近づいているか、その後どのタイミングでこん棒を振るかがわかりやすくしているのだ。

ブンッ、と目の前を通り過ぎるこん棒に冷や汗を流しながら【身体強化】を全身へと行き渡らせる。


オーガは、こん棒を振った後にしばらく動かなくなるのだ。

その硬直時間を使い、私達は攻撃し続けている。


「でも、こんだけ経っても倒れないんだったら考える必要がありそうだなぁ……」


【範囲変異】を使い、オーガの硬直している直下の床に対し10メートルほどの落とし穴を掘る。

ジャンプしてくる可能性を考えての10メートルだ。


「?!」

「よーし落ちろ落ちろ!!落ちてしまえ!!」


若干テンションがおかしくなっているため、いつもの口調ではなくなっているがそれはご愛嬌。

オーガはそのまま落とし穴に落ちていくが、硬直時間中のため抵抗もできないようだった。

そして、私はその落とし穴の上に【過ぎた薬は猛毒に】を発動。

弱い毒だが、液体タイプの毒を落とし穴の中に流し込んでいく。


泳いで穴から出てくる可能性もあるが、それは特に問題にしていない。

それに、10mも息をせずに浮いてこられるとは全く思っていない。

少なからず毒を口の中に入れてしまうことになるだろう。


「外からのダメージに強いなら、中からのダメージならどう?」


ある程度流し込んだ後に、そのまま穴に対して【魔力装】を操作して蓋にする。

使う魔力量は多いが、その分相手の攻撃をある程度完璧に防いでくれるこの固有魔術は、こういう場合優秀な相手を止める壁となってくれる。


息を吸えない、毒でじわじわと弱っていく。

外に出ようとも【魔力装】による蓋によって簡単に出ることができない。


「あは、正攻法が効果が薄いならこういう絡め手?外法の術?をするまでだよ」


これでしばらく待ってみることにする。

ゴブリン人形はそのまま穴に特攻しようとしていたので、その場で待機するように指示を出しておいた。


すぐに突破されるとは思っていないので、ここで再び休憩をしたほうがいいだろう。

【魔力装】が破壊された場合にすぐに行動できるように、座らず壁の近くにいる形だが。



-----------------------



「そろそろ、かな?」


毒入り落とし穴に叩き込んでから20分ほど。

本当は10分ほどで確認しようかと思ったが、相手はモンスターのため油断せず倍の20分ほどかけた後にしようと考えたのだ。


ゲーム的に、こういう倒し方はどうなのかと思ったが、もっと酷い倒し方を一番最初にワーウルフに対し行っていたのを思い出した。


「【魔力装】解除」


スッ、と蓋が消え落とし穴の中が見えるようになる。

一応1分ほど待ってから穴の近くへと近づいて中を確認する。

プカプカとオーガがこちらに背を向けて浮いている。


「よしよし、浮いてる浮いてる」


一応【魔力装】によって刃先を伸ばし、【怒煙】を付与させた護身石の短剣で両腕と両足を刺した後に、穴から出すために穴の底のほうに【チャック】を設置し毒を流し込む。

後で毒をどうにかしないといけないが、どこかしらで使えるだろうから、問題はないだろう。


【範囲変異】にて穴を底から打ち上げるようにしてオーガの死体を地上へと持ってくる。


「うん、死んでる……かな」


ここまでやって死んでいなかったら逆に称賛したいくらいには強敵なのだが、そんな奴が初心者も挑む1階層目のボスなんてやってるんじゃないと文句も言いたい。


【変異】を使い、オーガの死体を解体する。

ゴブリンとは比べものにならない大きさの魔石、オーガの皮、目など意外と使えるものが多いと聞くため、できるだけ皮以外は細かく解体させる。


ガコッと、近くの壁だと思っていた壁が倒れ、そのまま下に繋ぐ階段が出現する。

ここから第2階層に移動できるのだろう。


「休んだし、このままいくか」


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