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この殺伐とした魔術世界で  作者: 柿の種
第三章・前半
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ボスとの邂逅

もし良かったら感想、ご指摘などよろしくお願いします


祝!100話目!(一番最初の固有魔術については計算に入れてないです)

ここまで頑張れたのは、読んでくれている皆さんのおかげです!これからもよろしくお願いします!


ちなみに頑張って今日は2話更新します。

こちらは1話目です。


「おっと」


前方から何かが急速接近してくるのを感知したため、サイドステップしながら避ける。

ちら、と見えたのは木の矢だろうか。

こちらからみると、前方方向はまだまだ通路なのだが……。


「何かいる、もしくは私の視界外からこちらを認識して攻撃してきてるって感じかな」


潜伏しているだけなら対処は楽だ。

【霧海】による感知にかけてやれば良い。

しかし、視界外となると話は別。

近付くまでにトラップなどが仕掛けられている可能性もある。


「【魔力装:丸盾】、【チャック】二重発動」


左腕に【魔力装】による丸盾を出現させ、【チャック】を1つは目の前に、もう1つは発動範囲内ギリギリの前方に出現させる。


「じゃ、行こう。連結(リンク)


そして、丸盾を前にしつつ【チャック】の中に入る。

簡易的な座標移動だ。

移動すると同時に【チャック】を解除し、同じように移動していく。


これには相手も焦ったのか、矢を連射してくるが全て丸盾で防げる為に、脅威にすらならない。

ある程度それを繰り返すと、どこから矢が射られているのかがやっと見えてきた。


今まで見てきた扉とは違う、明らかに大部屋に入る為の大きな扉。

そこから僅かに開いた隙間から、大きな赤い目がこちらを睨みつけている。

一応、ということで【爆裂槍】を撃ち込んでみるが、扉の前で結界のようなものに阻まれてしまう。


「あぁ、あれが階層ボスってやつかな」


階層ボス。

各階層に1体、次の階層への階段などを守るようにプレイヤー達に襲いかかってくるボスモンスターだ。

普通はその階層に出現するモンスターの上位種、もしくは変異種がそれになるらしい。


「このまま挑んでもいいんだけど……【傀儡-強制帰還】」


傀儡魔術による傀儡を強制的に帰還、呼び出す魔術でゴブリン人形を呼び寄せる。

見たところ、そこまで傷を負ってはいないためこのまま階層ボスとの戦闘に参加してもらうことにする。


「って言っても、武器も何もないんじゃアレだよね。【武器創造:戦槌】」


大体90センチあるかないかくらいのゴブリン人形に合わせたサイズの戦槌を手持ちの石材で作ってやる。

戦闘中に壊れるかもしれないが、それはその時だろう。


「【魔力装:タワーシールド】」


左腕の丸盾を、警察などがよく使っている長方形の盾に変化させる。

先程までは矢が来た方向へ私が合わせて防いでいたが、私の身体を隠してしまうくらいの大きさのタワーシールドならば、それをする必要はないだろう。


空いている右手には、とりあえず護身石の短剣。

回復が欲しいと思ったら、樹薬種の短剣に変えれば良いのだ。


「よし、じゃ行こうか」


そして私は僅かに開いている扉へと近づくと、そのまま扉を押しながら中へと入る。



-----------------------



その部屋は舞踏会にでも使えそうな程の広さがあった。

先程、私が扉に近付くまで扉の前に居たモンスターは現在天井近くにいる。

赤い目を爛々と輝かせ、腕の筋肉のみで天井に張り付きながらこちらを観察している。


見た目的には、ゴブリンに近いが……身体の大きさが私よりも大きい。2メートルほどあるのではないだろうか。

恐らく上位も上位、オーガ系列のモンスターじゃないだろうか。


【魔力視】してみると、腕に魔力を纏っているように見える為、何かしらの強化魔術を使っているのだろう。

矢が遠くから飛んで来たのに落ちずにこちらへとたどり着いていたのも、その影響だろうか。


「グゥウウウウ………ガァアァァァ!!!」

「戦闘開始っと」


階層ボス……オーガがこちらへ吠えながら、天井から飛び降りてくる。

私はそれを余裕を持って避けつつ、左腕のタワーシールドを解除する。


「弓使ってこないとか!さっきまでのアレは一体なんだったのっ!」


一応、ゴブリン人形を確認してみると、私と同じように避けつつ、態勢を立て直した後にそのまま戦槌を振り回しながらオーガへと突っ込んでいく。


私はそれを援護するように、【分裂槍】を複数発射しオーガを狙う。

【爆裂槍】じゃないのは、ゴブリン人形も爆発に巻き込んでしまう可能性があるからだ。


しかし、オーガは態勢を立て直しながら、何処かから棍棒を取り出し【分裂槍】を全て砕いてしまう。

ゴブリン人形に関しては、そもそも敵としてすら認識していないようだ。


「くっ……面倒臭いなぁ!」


【怠惰】を相手に使い、ある程度動きが鈍るのを待つ事にする。

【身体強化】を掛け直し、ついでに【憤怒】によって追加で強化を施す。


何度か【怠惰】がレジストされているが、やはりこのオーガは何かしらの魔術を使えるらしい。

【身体強化】らしきものを使っているのをみると、恐らく攻撃系の魔術ではなく補助に特化した個体なのだろう。


正直、戦える身体を持っている相手が補助特化の魔術を持っている方が確実に厄介なのだが。


……というか、これどう考えても1階の階層ボスの強さじゃないよね?

調べたときには、1階は基本的に強くてもその階層に出てくるモンスターを少し強くしただけに収まっているらしい。


しかし、今私に向かって棍棒を振り上げながら走ってきているオーガは確実に、少しどころではない。


「これもゴブリンが居たことと何か関係あるのかなぁ!!」


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