到着
世界に魔法が初めて現れたのは、いつだっただろうか……まあ、間違いなく俺が生まれる前だってのは知ってるけど。
"『魔力』を消費して、『魔法』を放つ。"
こんな現象が起こることに、初めはそりゃあ色々あったんだろうが、今では世界に溶け込んでそれが『普通』になっている。
しかし、『魔法使い』と呼ばれる人間が "選ばれた"人間と呼ばれていたり、度々魔法による考えられないような事件……今回の隕石みたな事件もそうだ。こういうのが起こったりしてるのを見たら、魔法ってのは普通ではないんだろうな。
そして俺を除いた家族は、それはもう立派な魔法使いだ。父は『日本魔法警察』の幹部か何か、これまた母は世界の優秀な魔法使い十人に選ばれたとかなんとか。妹は魔法を学ぶための学園……魔法学園の中でも、トップクラスの学校である東京魔法学園に十番以内の成績で受かった。
ただ、俺にとってはただの家族であり、また家族の方は俺が魔法を使えないと知ってからも普通に接してくれる。
良い家族だよ、本当に。そこらへんの物語なら、俺は絶対にゴミみたいの扱われてるからな。
だからこそ、俺は悔しかった。期待されているはずだったのに魔法に愛されなかった、俺自身が。
両親も妹も、そんなことは絶対考えてないだろうが……家族の汚点となっている俺が、凄く悔しい。
そこで、『その代わり』なんていったらおかしいが……俺は、この『能力』を得ていた。
それでも魔法じゃない、だから俺は今も一般人として過ごしている。
そんな日常にも慣れ、こんなゆったりした日常が、心地良く感じてきてしまった時。
魔法都市に移り住む事になってしまったってわけだ。
母さんも、何考えてんだか……
「まもなく魔法都市ゲート前、ゲート前でございます、お降りの方は――」
長く考え事をしていたら、目的地に着いたようである。
およそ三時間程、長い旅だった……
――さて、まずは妹との合流だな。




