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my act.6 一人旅、のはずが。

遅れてすいません><。

この時期は中々忙しくて・・・。



 門番をしている兵士二人に軽く会釈をして、町の中に入ってく結兎ゆうと


 その景色はジパングとは一味違った風景だった。

 レンガ造りの建物がずらりと並んでいて、一軒ごとの高さもジパングと比べると高い。


 普通ならここで軽く感嘆するべきなんだろうが───


「・・・・・・セリス、何してんの?」


「ユート様の斜め後ろを歩行しています」


 実はさっきから、彼の後ろをセリスが着いてくるのだ。超近距離のストーカーと言ってもいいかもしれない。

 何も言わずに、ただ笑みを浮かべてついてくる。

 時々振りむいてセリスを見るが、ここでも3割増しの笑みを返される。

 さっきの言葉は、自分なりに勇気をしぼっての言葉だったのだが、どうしようもなくやるせない感情に駆られた。


「・・・・・・困るんだけど」


 すぐ後ろでストーカーされては取り繕い様がない。

 はっきりいってうざい。

 唯一の助けは彼女が超絶な美人だったというところだろう。


「何故でしょうか?」


 至極真面目にそう返答してくる。


「はぁ、もういいや」


 確信的なのか、天然なのかは不明だが、当たり前のようにそう返答されると色々とどうでもよくなってくるのが彼の性格だ。

 彼に直接害があるわけではないので良しとしよう。


「日も暮れてきたので、宿を取りましょう。私にお任せください。近辺の地理は把握していますので」


 と、諦めた矢先、今度はそんな事を言ってくる。 


「いやいや、宿はいいから。それよりも、一体全体なんでついて来るわけ?」


一度は諦めた結兎だが、さも仲間のように言うので流石に無視出来ずに言い返してしまう。


「失礼しました、それでは、町外で野営の準備を致しましょう」


 ここまでくれば、間違いなく確信犯と言えよう。

 話術の心得などまったくない彼は、彼女の巧みなのか疑わしい話術に飲み込まれていく。


「野営なんてしないから。つーか、勝手に話進めないでくれ……」


「いかがなさいました?」


「はっきり言うと、ついてくるな」

 泥沼に足を突っ込んだ状態を打破する方法など見つからず、思い切って思考を投げ出し直球で勝負を挑むが、


「嫌です」


 同じように直球で返された。


「来るな」


 もう一度直球で返す。


「嫌です」


 その後もしばらく直球を投げ合ったが、決着が着かなかったため結兎が折れて、とりあえず宿で詳しい話をすることになった。




 セリスに聞いてみたところ、ここはクロイシア王国の城下町らしい。

 行く当てはないので正直どうでもいいのだが、もう一つ、結兎を驚かせる話を聞いた。


 彼らは一部屋銀貨40枚の宿を二部屋取った。 現在、彼は金板20枚、彼女が金板10枚を持っている状態で、それぞれ銀貨20000枚と10000枚ということになる。


 そして曰く、この宿は城下町では4番目に値段の高い宿だと。

 その宿で一泊の宿泊費が銀貨40枚、そして現在、彼は銀貨20000枚を所持している。

 初めて、自分が恐ろしい額のお金を手にしていることを理解した時だった。


 盗賊から、頂戴したのが唯一の救いだろうか。

 禁止されている奴隷商人の馬車を護衛していたのだから、間違いなく悪人だと彼女が言っていた。

 悪い事はしていない、と思う。


「で、だ」


 これといって主張の無い、抑揚を抑えた声で淡々と言う。


「はい」

 これに対し、彼女も同じように淡々と返事する。


「なんで俺についてくるのか教えてくれ」


 それは、今現在彼が一番知りたい内容だ。

 事と次第によっては・・・・・・などということは無いが、一人旅をする予定が救出した見知らぬ美女に斜め後ろの位置を支配され、付かず離れずついて来られるとそれはもう精神的に参ってくる。


「ユート様に同行したいからでございます」


 ちゃっかり、ユート様などと呼ばれてその場に居づらい心情にされたが、いちいち指摘していては話が進まないのでこの場は我慢することにする。


「なんで?」


「有体に言えば行く所が無いからです」


「いや。金板あげたでしょ」


「残念ながら私には武術や魔術の心得は持っておりません。そのため、一人で行動するには無理があります。最悪襲われかねません」


「じゃあ、仲間見つけるか、金で雇ったら?」


「それも不可能です」


「え、なんで?」


「それは、私の一族が魔女と呼ばれている事にあります」


 彼女の言葉を聞き流す意気込みで聞いてい結兎だが、不意に魔女という言葉に耳を傾げた。


「魔女? それ何なの?」


「端的に言えば、魔族と人族のハーフ、でしょうか」


「・・・・・・魔族って魔物のこと?」


「いえ、それとは異なります。彼ら程の阿呆ではござません。言うならば、魔物と似た血を持つ人間といったところでしょうか」


 この世で一番魔物に近い存在ではあるが、人の形をしていて、魔力も保持しているため、魔物とは別の存在である。


「うーん、つまり、魔物の血を持った人間と普通の人間のハーフってことか。わかりづらいな」


「そういうことになりますね。ちなみに余談ですが女性が生まれやすい家計です」


 彼女の言った余談に相槌を打つ。


 「で、そのハーフのどこがいけないわけ?」


 とは言ったものの、ある程度の予想はついていた。

 ジパングでも類似する差別はあったからだ。

 まぁ、魔物や魔族といった別種の人間は居なかったが。


「おそらくご想像なさっている通りです。人族は、魔族や獣人族を極端に毛嫌いしています。そのため、私のような魔族の血を宿す者は、敬遠どころか処刑される可能性もございます」


 獣人族なんて初めて聞いた言葉だ。

 この大陸にはそんな種族まで存在するのか。

 彼がいかに、両親から聞いた話が一部であったのかを思い知った。


「戦争の終結は所詮上辺だけってことか」


「同様に魔族も人族を毛嫌いしております。結果的に異種との混血の家計は滅多に存在しません」


「そしてここからが本題です。そして私の望みでもあります」


 ここまではあくまで前置きだったのか。

 長い話を聞くのが苦手な彼にとっては、とても小規模な苦痛だった。


 それと同時に、ようやく彼女の望みが聞けることに安堵もした。


「私の望みは、ユート様の行き先に同行させてもらうことです」


先ほどより真剣な表情が彼の瞳を捉える。

彼は彼女の覚悟のような意思に圧倒され、そしてその美しい美貌に一瞬とはいえ目を奪われた。


 しかし、よく考えてみると、


「さっきと一緒じゃねえか!」


「まぁ、そうともおっしゃいます」


 おっしゃいます、じゃねえよ。



中々うまく書けませんねー。

まぁ、この作品は僕の執筆の練習のために始めたものですので。

どうかご勘弁を!

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