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my act.1

ここは、遥か東方の秘境と呼ばれている国、ジパング。

 そのジパングに存在する小さな洞窟の中に彼───茅桜かやざくら 結兎ゆうとはいる。


「師匠。ありがとうございました」


 目の前の白髪の髪をもつ60歳ほどの爺さんに向けて、そう言う。


「いったであろう、面倒ゆえに礼などいらぬと」


「まぁ、わかってるけどさ。これで最後になりそうだし、素直に受け取ってくれよ」


「一丁前にいいよって・・・・・・まぁ、よい」


 師匠に背を向け、彼は歩き出す。

 そして、巨大な魔方陣の真ん中に辿り着き、足を止める。


「優子ちゃんに挨拶せずに渡ってよいのか?」


「挨拶ならさっきしたから大丈夫」


 相変わらず、女性を口にする時はとことん優しい口調で話す師匠に、呆れを含ませて溜息をわざとついてやる。

 それを見た師匠は、こちらを睨んできたが、別に謝る気はないので無視する。

 そうすると、師匠も溜息をつく。いつものことだ。


 優子は、ぶっちゃけ泣きつかれたが、なんとかあやしてきた。


「それでは、準備はよいな?」


 師匠の言葉に頷き、目を閉じる。

 すると、魔方陣が突如光をを発し、瞬く間に光源に包まれた。


「・・・・・いってきます」


 小さく呟いたその声は、誰にも聞こえることなく、光源とともに霧散した。



 ───そうして彼は転移門を使い、フレニア大陸へと渡ったのであった。




 俺には夢が無かった。

 あえて言うなら、普通に日常を生きることだろう。


 俺の両親は旅好きだった。それも当ての無い旅だ。

 転移門と呼ばれる洞窟を使って、人間の記憶にある箇所に転移させる。

 これを使って、両親は旅に出た。

 ただひとつ問題があるとすれば、この能力は行き専用ということだ。

 帰りは転移を使えないし、フレニア大陸には転移門がないため、自力で帰らなくてはならないのが痛い所だ。


 こういった理由のため、家には両親がいない。

 そのため、幼馴染である優子の両親が面倒を見てくれた。

 子供も放って旅に出るとはいかがなものかと思うが、まぁ、正直どうでも良かった。

 別に寂しくなかったし、それが趣味ならいいんじゃない? という認識だった。


 そうして、約4年近く旅をして、ジパングに帰ってきた両親。

 それからは両親と一緒に暮らした。

 まぁ、それなりに楽しかった。色々な国の話を聞けたから。


 これが俺のはじめての夢を持つきっかけだった。

 やはり、子は親に似るのだろうか。いつの間にか、俺も旅というものをしたくなった。


 しかし、転移門で転移をするには、ある程度の知識や武力を手に入れる必要があった。

 それは単純に一人で生きていくためだ。


 そのため、必死に勉強や修行をして16歳。

 俺は転移門を使い、両親が旅したフレニア大陸を旅する許可を得た。

 早速、俺は旅をすることになった。

 両親はついていくといったが、俺は遠慮した。

 俺が選んで、生きていきたかったからだ。

 はじめての夢、ということもあっただろう。

 それと、優子も行きたがっていたが、旅の危険や諸事情により見送りになった。


 みんなには悪いが、当ての無い旅というのをさせてもらおう。


 俺はこれから一人旅をする。このフレニア大陸を自由きままに。




 そうして、彼はフレニア大陸に渡ってきた───のだが、


「・・・・・・最悪だ。ありえない・・・・・・」


 辺り一面木々に囲まれている。どうやら、森に転移したようだ。

 それはまだいい。そうなることは予想していたし、土地のほとんどは森や海であるのが普通だ。

 ただひとつ、結兎ゆうとはとても困っていた。なぜならそれは、


「どうやって町に行けばいいんだ?」


 この大陸のある程度の地形は把握していた。クロシアという国に転移することも。

 貨幣価値だって知っている。銅貨100枚で銀貨1枚、銀貨10枚で金貨1枚、金貨10枚で金板1枚。

 ある程度の食料や武器なども確保している。

 今は手ぶらだが、左手の人差し指につけている、青や赤い宝石が散りばめられた自在の指輪。

 これは、簡易独立空間門であり、独立された異空間を生み出し、小サイズのものなら、その中に収納できるという超便利もの。ちなみに両親から貰った物だ。


「・・・・・・ああ、そうだ、服の替え持ってくるの忘れた・・・・・・」


 おまけに服の替えも忘れてきたことに気付いた。

 自在の指輪で5年間も楽な生活をすごしてきたせいで、感覚が鈍ったのだろう。

 5年かけて知識や武術を学んだのに、何でこうなるんだろか。

 誰かに確認してもらえばよかった。


「・・・・・くそ、鬱だ・・・・・・」


 まず、服や宿を手に入れるために、ギルド登録でもしてお金を稼ぐ必要がある。

 盗人や山賊にはなりたくない。

 まぁ、それ以前に町が見当たらないのだが。


「・・・・・・はぁ、しょうがない。木に登って町でも探すか。めんどくさ」


 旅というのは思った以上に辛そうだ。

 もちろん、ジパングで練習として多少の旅はしてきた。

 しかし、転移して、知らない土地で旅をするのとは全然違う。


「・・・・・・この大陸は魔物とか出るらしいからな。注意しないと」


 ジパングには存在しなかった魔物という生物が存在している時点で、侮れない旅になりそうだ。

 でも、武術も習ったし、魔術も行使できる。


「何とかなるかなぁ」


 そう呟き、この森の中、一歩を踏み出すのであった。

とりあえず、前書いたところまではコピペして、がんばります><;。

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