探索準備
ファッキンインフル!!(つい最近までインフルエンザで寝込んでました
本命の標的の居場所が解ったんなら、さっさと殺しに行けば良い。
誰もがそう思う。勿論、俺だってその方が良いと思ってるし、出来る事ならそうしてる。
だが、現実は其処まで都合良く展開が進む訳じゃない。
様々な要素や理由。要するに常に変化し続ける状況次第で予定を変えざる得ないのが、現実って事だ。
まぁ、同時進行しなければならない救出を先に終わらせられるだけマシ。いや、良い部類の予定変更ではある。
D&Dのプレイヤー宜しく、危険な迷宮に足を踏み入れなければならない事を除けば……
「君が書き起こしてくれた通りならば、内部はこの通りなんだな?」
ラリーが複数枚の用紙を眺めながら問うと、ビアーヌは少しだけ自信無さそうにしながら肯定した。
「えぇ、とは言ってもここ最近はシェルエルに入ってないから自信無いわ」
ビアーヌはシェルエル内に入った事が複数回あった。
だが、ここ数年は表の顔である冒険者を休業していたが故、うろ覚えに近い状態でもあった。
そんなビアーヌを気にする事無くラリーは尋ねる。
「敵はどんなのだ?」
「基本的には10階層まではオークや獣みたいなのばかり。後、偶にロクデナシのクズだけど大物は居ない。だけど、10階層から下になるとガラッと大きく変わるわ」
10階層以降で敵が大きく変わる。
そう聞くと、ラリーは怪訝な面持ちと共に具体的に聞こうとする。
「具体的には?」
「そうね……オークや獣の様な生物だったのが、人型はしてるけど生き物の気配がしない不気味なガーゴイルみたいな奴等や、小型の虫みたいな羽音をさせるけど虫とは違った……なんて現せば良いか?上手く言えないわ」
ビアーヌから齎された情報にラリーは益々怪訝な面持ち。否、渋面を浮かべながら反芻すると、嫌な予感を感じつつも更に情報を得る為に尋ねる。
「人型なのに生き物の気配がしない奴や虫の様な羽音をさせてるのに虫じゃないね……ソイツ等の攻撃方法解るか?」
「人型のは私が持つような刃渡りのある短剣で斬り掛かって来るんだけど、鎧兜を容易く斬り裂けるだけの斬れ味と力。それに魔力で防御してもブチ抜いて来るし、魔法が効かないわ……人型も虫両方ともね」
ビアーヌから返って来た答えを聞くと、ラリーは嫌な予感が当たった。そう言わんばかりに益々渋い面持ちを浮かべると、ゲンナリとした様子でボヤく様に尋ねる。
「ターミネーターみてぇなもんか?ソイツの武器は剣だけか?」
「中には飛び道具を持ったのも居るわ。ソイツは腕がゴツくて、一発放っただけで一党を皆殺し出来る程の威力があったわ。他にも貴方の様に魔力を感じさせない弾を無数に撃って来る奴も居たわね……」
ビアーヌから予想範囲内。なれど、最悪な答えが返って来ると、ラリーは思わずゲンナリとしながら呆れてしまう。
「マジでターミネーターかよ……しかも、グレネードランチャーやマシンガン装備してるの確定じゃねぇか」
「ターミネーターって?」
首を傾げて尋ねるビアーヌにラリーは気にするな。そう吐き捨てる様に返すと、今の装備では駄目と判断した。
「そうなると、5.56と12ゲージじゃ豆鉄砲だな」
ゲンナリとしながらも独り納得した様子のラリーに対し、今度はビアーヌが尋ねた。
「私達が追い付く前にエレナ達は10階層に到達すると思ってるの?」
そう問われると、ラリーは昨晩の予定外とも言える招かざる客達の前に知った情報を開示する。
「ジェーンの情報通りなら、連中は既に5階層目に到達してる。そうなると、俺達が追い付くよりも先に10階層へ足を踏み入れる可能性が非常に高い」
「成る程。1日で半分まで進められるんなら、可能性は否定出来ないわね」
開示された内容からラリーの懸念をビアーヌが納得すれば、ラリーは支度を始めながら告げる。
「そう言う訳で俺の支度が済み次第、突入する……」
「ソレは構わないけど、10階層に着いてたらどうするの?」
ビアーヌの問いにラリーはシニカルな笑みを浮かべながら答えた。
「その時は出たとこ勝負だ」
「だと思ったわ」
予想通り。そう言わんばかりのビアーヌを他所にラリーはハンヴィーの後部から大型のアモ缶を引っ張り出すと、蓋を開けて中身を確認する。
中には尖端が黄緑と白に塗られた12.7ミリ重機関銃弾がミッチリと詰め込まれていた。
そんな弾が詰まったアモ缶を外に出して置くと、大きなPELICANケースを引っ掴み、引っ張り出した。
それから直ぐに蓋を開けて中身を露わにすると、ビアーヌは興味深そうに尋ねる。
「コレ……貴方が昨日の夜に使った奴と同じ奴?何か一回り短く感じるけど……」
ビアーヌの言う通り。PELICANケースに収められていたのは、ラリーが昨晩用いたバレットM107。
ソレのショートバレル仕様とも言える物であった。
「その認識で問題無い。まぁ、此方は昨日の夜みたいな遠くを正確に撃つ為のモノじゃないがな……」
その言葉を示す様にラリーが用意したショートバレル仕様のバレットM107にはスコープが無く、代わりにホロサイトとマグニファイアが取り付けられていた。
そんなバレットM107を用意すると、今度は弾倉をありったけ出した。
ありったけの弾倉を出すと、ラリーは弾薬箱に詰まった尖端が黄緑と白に塗られた12.7ミリ重機関銃弾。もとい、ラウフォスMk211と呼ばれる焼夷徹甲榴弾を詰め込みながら思考を巡らせていく。
ビアーヌの言葉が確かなら、古代文明ってのは魔法の解析に成功。更には無効化する技術すらも実現させ、実用化するばかりか量産する事にも成功している。
そうなると、俺が昨晩言い当てた"答え"の信憑性も増す。
慣れた手付きでバレットの大きな弾倉にラウフォスMk211を1発ずつ詰め込みながら思考を巡らせるラリーは、昨晩やって来たジェーンは決して語ろうとしなかった。
なれど、自身の思考能力を以て僅かな間で辿り着いた仮説。否、答えの肉付けをしていく。
文明が滅びると言うのは、歴史的に見れば珍しい事じゃない。
古代ローマ然り、バビロニア然り、ケルト文明然り、俺の故郷の先住民も然り……
幾つもの文明が生まれては滅び、どんな形であれ人類が滅びない限りは新たな文明が産まれ、歴史が紡がれていく。ソレが世の常で、その意味を考える事すらバカらしい。
この世界も例外じゃなかった。
だが、地球と違うのは件の古代文明が現代地球とは比べるのもバカらしい程に高度な技術と文明を有していた点だ。
昨日のジェーンの反応が演技じゃないなら、俺が導き出した最も荒唐無稽で、最も最悪な仮説が"真相"になる訳だが……
そうなると、既に使われている可能性が高い。
だが、それなのに例のクサナギが王城地下にある装置を狙い、稼働させようとしている理由が解らない。
ソレ以前に王城地下に装置がある事を何故、知ってる?
作業の手を進めながらも、ラリーは大きな疑問を覚えていた。
本命の標的であるクサナギが何故、王城地下に眠る装置を知っているのか?
何故、その装置を稼働させようとしているのか?
挙げたらキリの無い疑問に対し、ラリーは首を傾げながらも仮説を立てていく。
何故、装置の事を知ってたのか?
コレに関しては、古代文明の生き残り。または、古代文明人の子孫。
何れにしろ、子孫であれ、本人であれ、何かしらの形で古代文明人が絡んでる。そう見るのが妥当か?
装置の使用目的に関しては……考えるだけ時間の無駄。まぁ、本人に聞ける機会が有ったら聞いてみたいが、返って来る答えは予想の範疇でしかな……
其処で思考を留めたラリーは別の疑問を覚える。と、同時に1つの仮説に辿り着いて作業の手を中断させ、ポツリと呟いてしまう。
「そう言う事か」
「どうしたの?」
「別に。つまらん事に納得しただけだ」
ポーカーフェイスと共に隠すと、ラリーは独り合点がいった様子で作業の手を再び進めていく。
暫くして全ての弾倉にラウフォスMk211を10発ずつ装填し終えると、ラリーは其れ等をバックパックに詰め込み、ドアブリーチング用に昨晩用意してたベネリM4と予備のシェルを全てハンヴィーへと戻した。
そうして支度が済ませると、FASTヘルメットを被ったラリーはバックパックとバレットM107を背負い、左脇に40ミリ榴弾が30発詰まったクレイモアバッグを提げた。
そして、Mk18を手に取ったラリーはチャージングハンドルを引いて薬室に弾を送り込むと、フォアエンド下部のM203グレネードランチャーに40ミリ榴弾を装填して告げる。
「待たせたな。じゃ、行こうか」
その言葉と共に地面に座ってたビアーヌが立ち上がると、ラリーはビアーヌと共にポッカリと空いたシェルエルの入口に向けて歩みを進めるのであった。
一言で言うなら…当時、崩壊した古代文明つか古代文明人が全部悪い(唐突なネタバレ(ラリーも仮説ながらもこの点に辿り着いてる
ラリーの最も恐い所は爆破や狙撃初めとした戦闘技術等ではなく、高い思考能力と思考能力からなる分析能力…要するにカミソリ並みに頭がキレるって事
コレばかりはチートでは得られない
本人の才も大きく影響する
だけど、ソレよりもこの手の思考能力は膨大な程に経験知(誤字にあらず)を長い時間掛けて積み重ね続けて漸く1つの形になる一種の技術であり、正解とも言える完成形は恐らく存在しないと感じる(その道に長けた専門の人ほど「この分野何も解らん(マジレス」するのが良い例と言うか根拠だろうか?
後、話がメッチャ逸れるけどラリーの声、当初は東地宏樹さんで脳内再生してるんだけどね…
気が付くと、今は亡き藤原啓治さんや石塚運昇さん。それに宮内敦士さんになったりするのが悩み(超ブレブレじゃねぇか




