FRONT TOWARD ENEMY
多分、大体サブタイ通りの内容
要するにクレイモア地雷は偉大って事
ストック切れなのでコレ以降は不定期更新となる事を留意されたし…ホントすまん
宿を後にして1時間が過ぎた頃。
ラリーとビアーヌはグラースルから数キロほど離れた深い森の中で焚き火をして居た。
勿論、3人の尾行者も一緒だ。2人に気付かれない様に距離を置いて監視してる。
そんな尾行者の1人が報告役として静かに立ち去り、報告へ向かったのを見たビアーヌはラリーへ小さな声で告げる。
「"繋ぎ"が行ったわ。多分だけど、一時間もすればアホ共が雁首揃えて来るでしょうね」
ビアーヌから報告を受けると、ラリーは好奇心から尋ねる。
「暗闇の中でも見えるのか?」
「えぇ、昼間の様にね。何せ、闇エルフだから」
ラリーの問いをさも当然の様に返すと、今度はビアーヌが自分の番と言う様に尋ねる。
「昨日から気になってたんだけど、貴方の兜に着いてるソレは何なの?重そうだし、邪魔に思えるんだけど?」
ビアーヌが訝しむ様に尋ねると、ラリーは暢気な様子で答える。
「暗闇を見通す為の装備だよ。コレがないと、俺みたいなひ弱なオッサン初めとした人間は暗闇で戦えないんだ」
「そんな重そうな道具が無いと暗闇を進めないなんて可哀想」
「意見が一致したな。俺も君みたいに暗闇を見通せる目が欲しいもんだよ」
そう返したラリーはMk18を背負って立ち上がると、大きな声で告げる。
「ちょっと、糞して来るわ」
監視者が居るにも関わらず、大きな声で大便を済ませる事を告げたラリーの意図を察したビアーヌは、その意図に載る様に大声で返した。
「ちゃんと、ケツ拭きなさいよ」
意図を察してくれたビアーヌの返事にラリーは「解ってるよー」と、暢気な様子で返すと闇に包まれた森の中へと消えていく。
そんな暢気な2人を見詰めて居た監視者達はラリーが居なくなったのを見ると、暢気な様子ながらも小さな声で会話をしていく。
「あの野郎、コレから殺されるってのに糞しに行くとかアホだろ?」
「だな。俺達の事に気付いてねぇみたいだしよ……」
監視を続ける2人の尾行者は仲間が来るまでの間。
退屈という強敵を相手にしなければならなかった。
それ故に退屈という強敵と戦う為に会話をしていた。
勿論、焚き火に当たって暖を取るビアーヌを監視しながらだ。
視線の先でビアーヌは暖を取りながら暢気な様子で欠伸をし、眠気を噛み殺して居た。
そんなビアーヌを羨ましそうに見ると共に2人は邪な感情を沸き立たせる。
「なぁ、あの黒ンボ(ダークエルフへの蔑称)良い身体つきしてるからよ、殺す前に愉しまねぇか?」
「そりゃ良い。そこら辺の商売女より良い柔肌してそうだし、犯ろうぜ。何なら、殺した後に突っ込んでも良いくらいだ」
退屈から下種な会話を弾ませる2人は、もう1人の標的であるラリーが未だ戻って来ない事を気にしなかった。
ソレも当然と言えるだろう。暗闇の中を明かりも持たずに糞をしに行ったのだから……
大方、糞した後に道に迷って戻れない。
そんな所だろうと、楽観的に考えていた。
だが、暢気な様子の2人は気付いていない。
魔力を持たぬ簡単に殺せそうな標的が既に背後に立ち、その手にはサプレッサー付きの拳銃が握られてるのを未だ知らない。
背後に立つ自分に気付く事無く暢気に会話を弾ませる2人にラリーは心の底から呆れると、静かにスッとファイブセブンを持ち上げて引金を引いた。
静かな銃声と共に5.7ミリの亜音速弾が吐き出されれば、1人目の後頭部が穿たれると共に視線の先へ脳味噌をブチ撒けられながら崩れ落ちて逝く。
何の前触れも無く。隣で楽しく話してた仲間が脳味噌をブチ撒けながら崩れ落ちたのを目の当たりにすると、2人目は慌てて腰に差した短剣へ手を伸ばしながら急いで振り向こうとする。
そうして、振り向いた瞬間。2人目は2発目の銃声と眉間を穿たれ、脳味噌を後ろにブチ撒けながら崩れ落ちた。
一瞬の内に苦も無く2人を静かに射殺したラリーはファイブセブンを右腿のホルスターに戻すと、静かにその場を立ち去る。引き摺りながら歩み始める。
悠々と歩みを進め、ビアーヌの元へ戻ったラリーは涼しい顔で言う。
「糞を済ませたからスッキリだ」
「貴方、デリカシー無いの?」
ビアーヌが呆れながら問うと、ラリーは涼しい顔で「今は無い」そう返した。
そんなラリーにビアーヌは益々呆れながらも、どう迎え撃つのか?問う。
「それで?貴方はどう迎え撃つのかしら?」
ビアーヌに問われると、ラリーは暢気な様子で返した。
「そうだな……来る方向は解ってる。時間もタップリある。だから、昨日よりは楽に片付くのは断言出来る」
「と、言うと?」
意図が読めずに首を傾げてしまうビアーヌに対し、ラリーは答える代わりに問う。
「獲物が森の中で夜営する。そう思い込んでる狩人共が此処へ来る途中に襲われる……って考えると思うか?」
「考えないわね。暗殺ギルドの連中は軒並みアホ揃いだし……」
暗殺ギルドに属する者達は大概はバカばかり。それがビアーヌの考えであった。
ビアーヌにすれば、ギルドに属さぬフリーの暗殺者の方が恐かった。
フリーの暗殺者達は後ろ盾が無い故に用心深く生きなければ、何時寝首を掻かれるか?解らない。そればかりか、正体がバレたらファンクラブから熱烈な歓迎と御礼されるのだから当然と言えた。
ソレを知るからこそ、ビアーヌはギルドに属する暗殺者達をバカでアホ丸出しと吐き捨てていた。
そんなビアーヌにラリーは笑顔で告げる。
「じゃ、歓迎の準備と行こう……」
「行きましょう」
そう言う事になった。
ビアーヌが焚き火に土を被せて消して完全なる暗闇を作り出そうとする間。
ラリーはトランクからバレットM107を専用のサプレッサーと共に取り出すと、バレットM107にサプレッサーを取り付けてから1発のクレイモア地雷を取り出していく。
そうして程なくして支度が済むと、その場から静かに立ち去った。
それから15分後。
森へ向かう道へと来ると、ラリーはビアーヌにグラースルの方を警戒しながら自分と一緒に居る様に命じる。
「アホ共が見えたら直ぐに言え。俺は支度に取り掛かる」
指示を飛ばしたラリーは道の両脇を見比べると、草が生い茂ってる左側へと赴いた。
歩みを進めると共に歩数を数えて大まかながらも距離を測っていくラリーは丁度良い位置。距離にして約40メートルの所で立ち止まると、道の方を向いてその場に伏せた。
その場に伏せたラリーは用意していたクレイモア地雷の向きをキチンと確認してから脚を立てて目の前に置くと、上部にあるアイアンサイトを覗き込んで射界を確認していく。
射界を確認しながら設置を済ませると、上部にある接続口に信管と起爆コードを繋いだラリーはゆっくりと立ち上がった。
それから起爆コードを伸ばしながらゆっくりと歩みを進めて道から遠ざかり、道から約200メートルほど離れた所で足を止めたラリーは再びその場に伏せた。
その場で伏せたラリーはホチキスと似た形状の点火器と起爆コードを繋ぎ合わせて脇に置くと、暗視ゴーグル越しに見える視界を確認していく。
丁度良い位置だ。
遮蔽物が一切無いから敵は丸見えのまま隠れられないし、逃げ場も無い。アンブッシュには最高の立地だな……
此処に機関銃手が居れば最高なんだが、無いモノ強請りするだけ無駄だ。
自分の様に銃を扱える人手が無い事にゲンナリとするラリーは背負っていたバレットM107を手に取ると、2脚を立てて脇に置いた。
それからMk18を目の前に置くと、脇でしゃがんでグラースル方向を注意深く警戒するビアーヌに尋ねる。
「アホ共は来たか?」
「未だよ」
「なら、地面に伏せて監視を継続してくれ」
ラリーに伏せるように言われると、ビアーヌは素直に伏せた。
それから暫くの間。2人が沈黙と共に退屈に悩まされながらも待つと、アホ共が来てくれた。
「来たわよ。アホ共が雁首揃えて武器を手にバカ面引っ提げてる」
ビアーヌの報告に暗視ゴーグル越しにアホ共を見たラリーは「本当に一山幾らのアホってツラしてんな」と、呆れながら依頼人を捜そうとする。
すると、ラリーの意図を汲んだビアーヌが見付けてくれた。
「アホ共の後方100メートル。数は1。嘘……死人が歩いてる」
ビアーヌが驚きと共に報告すると、ラリーは「そのまま監視。後、耳塞げ」ソレだけを告げて静かに点火器を手にする。
それから少ししてアホ共がキルゾーンに入れび、ラリーは点火器をカチカチと2度鳴らした。
そうして点火器がキチンと作動すれば、爆音と共にクレイモア地雷から700発の鋼球がブチ撒けられ、30人近く居たアホ共のブラッドバスが出来上がる。
ソレは見事なアンブッシュ、一網打尽と言わざる得なかった。
そんなアンブッシュを成功させたラリーはMk18を手に取り、必死に辺りを見廻して自分達を捜そうとする依頼人へと身体を向かせながらビアーヌへ指示を下す。
「ビアーヌ。そのまま奴に向かって這って接近。空から光で照らされたら、立ち上がれ」
「了解」そう返事をすると、ビアーヌは静かに這い始めた。
そんなビアーヌを他所にラリーは暗視ゴーグル越しにの行動を観察する様に見詰める。
アホ共を雇った依頼人が、カカシなのか?
それとも、プロなのか?
ソレを見極める為に。
伏せるべき段階で伏せてない。
今も俺達を捜そうとアホみてぇに突っ立って左右を見廻し、逃走しようとしていない。
傍から見れば、トーシローのカカシ。
だが、死を偽装とか言う事をして来るのと、此方を見て来るのを踏まえるなら素人の振りをしたプロと見るべきだな。
まぁ、どっちにしろ逃す気ねぇけど……
そう判断したラリーはMk18に取り付けたM203から40ミリ榴弾を抜くと、代わりに40ミリ照明弾を装填してセイフティを解除し、空へ仰ぐ様に構えて引金を引いた。
軽やかな砲声と共に空へ打ち上げられると、照明弾は放物線を描きながら標的の方へ飛んでいく。
空から自分に向かって飛んで来た弾に気付くや、彼女は直ぐに防御態勢を取ろうとする。
だが、自分に向かって空から飛んで来た弾が頭上で目映い光を放ち、大地を照らしていくのを目の当たりにすると、呆気に取られてしまう。
己を照らし出す照明弾に気を取られて居た彼女が突如として立ち上がったビアーヌに面食らった様に気付き、手を翳して何かをしようとする。
その瞬間。
何の前触れも無く彼女の右膝が何かに食い千切られたかの如く無惨に弾け、足首も含めた右の膝から下が何処かへと転がると共に彼女がバタンと倒れた。
たった今起きた事を目の当たりにしていたビアーヌは何が起きたのか?困惑するのを他所に倒れた彼女はジタバタとしながら悲鳴を挙げる。
「嗚呼ァァァああああああ!!?」
右膝を食い千切られた激痛に藻掻き苦しむ彼女が、激痛とも言える痛みに満ちた悲鳴を盛大に挙げるのを他所に。
銃口から硝煙を立ち昇らせるバレットM107を構えるラリーはスコープを介して照明弾に照らされる彼女を見詰めると、予定を変えるかの様に躊躇いなく引金を引いた。
くぐもった銃声と共に12.7ミリの重機関銃弾が放たれれば、ジタバタと足掻きながら苦悶に満ちた声を漏らし続ける彼女の股関を貫いていく。
股間を貫いた弾が一瞬の内に骨盤を砕き、腹部の肉と脂肪と共に中に収まる大腸や小腸等の臓物を粉砕。
更には骨すらも砕いて心臓を貫くと共に破裂させた上、そのまま一直線に進んで脳と頭蓋骨すらも粉砕すれば、彼女は永遠に静かになった。
そんな彼女の惨い死に様を目の当たりにしたビアーヌは惨たらしい死の元凶。もとい、ラリーの方を振り向いて呆れ混じりに尋ねる。
「コイツに話を聞くんじゃなかったの?死体は何も喋ってくれないわよ……」
ビアーヌの問いに答える代わりに、ラリーは指示を飛ばした。
「俺もそのつもりだったんだが……死体の膝を見てみろ。膝から下が無くなってる方だ」
ラリーの指示を聞くと、ビアーヌは首を傾げながらも腰の鞘から山刀とも言える大振りの短剣を引き抜いてから死体へ駆け寄る。
程なくして死体の前に立ったビアーヌはラリーの言う無残な状態の膝を見ると、一瞬の内に違和感を覚えると共に思わず口にしてしまう。
「膝の傷が塞がってる?しかも、何か生える様に再生しようとしてるの?」
困惑した様子で漏らしたビアーヌに対し、ラリーはスコープを覗いたまま照明弾の明かりに照らされる死体を警戒する様に見詰めながら言う。
「普通なら血管から血を噴き出し続けて然るべきだ。それなのに、ソイツは止血しても居ねぇのに何故か血が止まっていた」
ラリーから放たれた答えを聞くと、ビアーヌは恐る恐る死体の顔を爪先で小突いた。
死体が何の反応もしない事にビアーヌが安堵しながらも、心臓を短剣で貫いて首を斬り落とせば、バレットM107にセイフティを掛けてから背負ったラリーはMk18を手に立ち上がると共にビアーヌへ指示を飛ばす。
「死体燃やせ」
「その方が良さそうね」
ビアーヌはラリーの指示を認めると、ピクリとも動かぬ死体を魔法で燃やし始めた。
炎に呑まれ、紅蓮に包まれていく死体が焼けていけば、ビアーヌは暢気に宣う。
「何か、肉食べたくなるわ」
ソレを聞くと、ラリーも同意する様に返した。
「奇遇だな。俺もグリル喰いてぇ」
「グリルって何よ?」
ビアーヌが首を傾げると、ラリーは「俺の国の伝統料理」そう返しながらビアーヌと合流した。
それから燃え盛る死体をスマートフォンで撮影すれば、ビアーヌと共に逃げる様にして走り去る。
その後。年甲斐も無く重い武器を背負って装具を身に纏った状態で、Mk18を手に3キロの距離を約10分ほど走り抜いた。
走り抜いた後。1分ほど荒くなった息を落ち着かせれば、ビアーヌに持たせていたトランクからハンヴィーを出したラリーはビアーヌをタレットに立たせて周囲の警戒をさせる。
それから、荷物を積み込んでから運転席に乗り込むと、エンジンを始動させたラリーは逃走も兼ねてシェルエルへとハンヴィーを走らせるのであった。
M18クレイモア地雷は実に便利だ
その証拠にベトナム戦争で産まれ、使われたコレを鹵獲成功したソ連がソッコでコピーして運用してるくらいに超便利な上に今でも現役してる…コイツもM2ブローニングの様に人類滅亡するまで現役してそうだな(笑)
自衛隊だと、コレのバカデカ仕様めいたスウェーデンのデカブツと、このデカブツを小さくした様なのを運用してたりする(殺意高過ぎる
そんな指向性散弾地雷はこうした待ち伏せ攻撃に便利だからこそ、ラリーは利用した
さて、照明弾打ち上げてからの事に関してだが…
相手の注意を惹くと共に周囲を照らし、視界確保する事を目的としてラリーは敢えて打ち上げた。
視界確保の目的の中には光学迷彩の様な透明化を使ってる奴が居ないか?ソレの含まれてたりする…透明になってても、其処に物体として存在する以上は影が産まれる。
コレばかりは誤魔化しが難しいので手っ取り早く捜す為に照明弾を上げたのである…で、居たらソイツ等をバレットで撃てば良い
その後のビアーヌを立たせた事に関しては、
コレは対象への視線誘導狙いに尽きる
明るく照らされた中でいきなり立ち上がった奴が居たら、視線を嫌でも向けたくなるだろ?
で、ビアーヌに意識を向けさせたと同時に脚を撃てば逃がす心配が失せる
ホント、ラリーって野郎は悪知恵が廻る




