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50過ぎでも裏社会で現役の邪悪なオッサンは別れた元カノと娘。それに2000万ドルの為に異世界でヤマを踏む事にした様です  作者: 幽霊@ファベーラ


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17/24

予定外。なれど予想範囲内


 列車内で食事を済ませた後。そのまま揺られる事、約2時間半。

 その日の夜の内に北部にある大きな街……グラースルに到着すると、外は既に夜であった。

 そんな夜のグラースルに降り立つと、ラリーはビアーヌに導かれるままに歩みを進めていく。


 「先ずは私の伝手に会いましょう。ソイツならエレナ達が今、何処に居るか?知ってる筈だから」


 ビアーヌの言葉にラリーは異を唱える事無く、そのまま素直に従って歩みを共に進める。

 それから暫くして駅から離れた所にある古書店の前に立つと、ビアーヌは当然の様に扉を開けて中へと入った。

 ビアーヌの後に続いて入ると、古書特有の匂いや埃が鼻腔を擽って来ると共に乱雑に積み上げられた無数の古書が目に飛び込んで来る。

 そんな古書店の中を進み、奥にあるカウンターへと赴くと、ビアーヌが店主であろうハゲ頭の中年オヤジへフレンドリーに語り掛けた。


 「久しぶりね。相変わらず、掃除してるのか?してないのか解らないわね」


 「コレでも掃除はしてるんだ。放っといてくれ」


 素っ気無い態度で店主が返すと、ビアーヌは要件を告げる様に問う。


 「例の連中。5人組の……ソイツ等は今何処に居るの?」


 問われた店主は直ぐに答えてくれた。


 「今はこの街に居ない。迷宮(ダンジョン)で探索してる」


 「その迷宮(ダンジョン)は?」


 「シェルエルだ。今朝方、探索を始めてから未だ戻ってないそうだ」


 シェルエルなる迷宮(ダンジョン)。其処へ、エレナ達が探索しに行った事を知ると、ビアーヌは確認の意味を込めて問う。


 「つまり、シェルエルの内部に居るって事なのね?」


 ビアーヌの確認に対し、店主は肯定した。


 「そうだ」


 要求に応える様に問いを店主がスラスラと答えれば、ビアーヌは礼を告げる様に3枚の金貨……日本円にして約300万円の価値を持つソレを店主の前に置いた。

 そんな大金を目の前にしても店主は眉一つ動かすこと無くさも当然の様に3枚の金貨を懐に収めれば、自分の番と言わんばかりにビアーヌへ問う。


 「王国の方はどうなってんだ?」


 問われたビアーヌはどう答えるべきか?悩みながらも正直に答える事にした。


 「王国が1ヶ月半前にバカ(勇者召喚儀式)やったのは知ってるわね?」


 「あぁ、その後に教会のイカれ共(異端審問官)も含め、仕込んでた連中が根こそぎ殺られたのも知ってる。有名な話さ……」


 店主がつまらなさそうな様子で肯定すると、ビアーヌは其処から先の事を語っていく。


 「王国は飼犬(勇者)達に噛まれた上に首輪を逆に嵌められて立場逆転する羽目になった。で、今は飼い主となった飼犬共が王国の主に収まり、世界征服を企んでるわよ」


 ビアーヌが皮肉と嫌味を込めて語った内容を聞くと、店主は呆れながら漏らす様に問い返した。


 「あの王国の上層部がバカなのは知ってるが、飼犬(勇者)共は輪を掛けた救いようのないアホなのか?王国と周辺の列強共を征服しようと考えるなんざ、バカ丸出しだ」


 辛辣に吐き捨てる店主にラリーは肯定で返した。


 「あぁ、だからお陰で何人かくたばってる」


 「ソイツは?」


 店主が興味深そうにラリーを見て問うと、ビアーヌは素っ気無く答える。


 「今の私の雇い主。金払いは良いわよ」


 ビアーヌから紹介されると、ラリーはスマートフォンを手に取った。

 それから、自分を値踏みする様に見詰めながらも余計な興味は示さぬ店主へ見せながら要求する。


 「この連中を見掛けたら教えてくれ」


 ラリーが画面を見せながら要求したのは、表向きは死んだ事になっている。件のブルーですら調べられなかった4人の少女達の捜索であった。

 そんな捜索の要求に対し、弁えたかの様にスマートフォンには一切興味を示さぬ店主が沈黙と共に対価を求めれば、ラリーは当然の様に店主の前に対価を並べていく。


 「コレで良いか?」


 ラリーが差し出した対価……3枚のソブリン金貨と見事な輝きを放つ一粒の小さなダイヤモンド。

 其れ等を観ると、店主はダイヤとソブリン金貨を1つずつ手に取って凝視していく。

 凝視とも言える鑑定が済むと、にこやかな面持ちと共に愛想良く快諾してくれた。

 世界が異なれど、ダイヤモンドと(ゴールド)の力が偉大である事も示すかの様に……


 「喜んで引き受けさせて貰うよ」


 「見付けても手出しはしないでくれ。まぁ、出しても構わないが、死人の山が出来るだろう……下手すりゃ、アンタも死ぬ可能性が高いんでな」


 ラリーが警告も兼ねて危険性を説けば、店主は当然の様に返す。


 「アンタの警告に従うよ」


 「助かる」


 短い遣り取りであるが、ラリーは店主を信頼出来る専門家として認めていた。

 世界が異なれど、2人は裏の世界に生きる者。

 それ故にラリーも店主も余計な事は言わず、要点を抑えた会話を進めていく。

 そんなプロ同士の会話が済めば、ラリーは店主に別れを告げてビアーヌと共に古書店を後にした。

 行き交う人々で賑わうグラースルの街を進んで行くと、ビアーヌは言う。


 「さっき見せた4人は死体もあったわ。私も死体を見て、死んだ事を確認したわ」


 遠回しに死人を探す意味は無い。

 そう告げるビアーヌにラリーは慣れた様子で当然の様に返す。


 「死は都合が良い。死人が何してるか?なんて、誰も気にしない」


 ラリーの言葉にビアーヌは困惑混じりに問い返した。


 「死が偽装だと思ってるの?」


 「死んだ事にすれば、悠々と動き回れる。死体があったとしても、法医学の知識と医療技術があるんなら死体を偽装出来る」


 そう返すラリーは、死の偽装を専門とする知り合いを思い出しながら言う。


 「その手の専門家が居るのか?解らん。だが、死は偽装と考えて行動した方が良い……その方がダメージが少なくて済む」


 ラリーの偏執的な答えを聞くと、ビアーヌは呆れ混じりに尋ねてしまう。


 「貴方の住む世界はどうなってるのよ?」


 「死を偽装するなんて珍しくなければ、他人に成りすまして生きるのもありふれてる。その程度には碌でもない世界だな……偶に死人が墓から蘇る事もあるから」


 ラリーが素っ気無く答えれば、ビアーヌはゲンナリとしてしまう。


 「貴方の世界、碌でもなさ過ぎない?」


 「お陰で俺は商売繁盛してる」


 その答えにビアーヌが益々呆れると、ラリーは話題を変えるように尋ねる。


 「連中の居る迷宮(ダンジョン)……シェルエルとやらは、危険なのか?」


 「1ヶ月程度しか冒険者してないルーキーが挑んだら、大概死ぬわね」


 ビアーヌの答えを聞くと、ラリーは渋い顔を浮かべてしまう。

 そんなラリーにビアーヌは更に続けて言う。


 「でも、危険な所までは2日掛かるわ。慣れた冒険者でもね……だから、今日の朝に探索を始めたんなら、未だ安全な所には居る筈よ」


 安心させる様にビアーヌが言えば、ラリーは確認する様に問う。


 「君は内部を知ってるのか?」


 「知ってる。でも、流石に最下層までは行った事は無いわ……」


 その答えを聞くと、ラリーは告げる。


 「明日の朝。シェルエルに向かうぞ……恩人の娘が死んだら、俺の生命もヤバくなるんでな」


 「私は構わないわ」


 ビアーヌが承諾すると、ラリーは「すまない」そう謝罪した。

 その後。手近な宿に赴いて宵越しの寝床を確保すると、ラリーは明日の支度をしていく。

 すると、ビアーヌがラリーへ告げた。


 「知り合いに預けてる物を取りに行くわ」


 「解った。気を付けろよ」


 ビアーヌにそう言うと、独り残されたラリーはバックパックに靴下を含めた下着の替えを3日分。其れ等を1日分ずつジップロックに詰めて防水処置をしていく。

 そうして防水処置を済ませてバックパックに詰め込むと、ラリーはMREレーションを3日分。9個を入れた。

 着替えと食糧を入れ終えると、その上にクレイモア地雷と起爆装置が詰まったバッグを2つ収める。

 それから、ジップロックで袋詰めにした大量の5.56ミリNATOと30発装填済の樹脂製弾倉を複数。それに10個のM67破片手榴弾と40ミリ榴弾を10発収めた。

 程なくしてバックパックへの詰め込みが終わると、ラリーは左右に満水にしたカバーに収まる大型の水筒を2つ取り付けていく。

 バックパックの準備が済めば、今度はプレートキャリアの支度を始めた。

 プレートキャリアに満タンにした予備弾倉をセットし、各パウチに防弾プレートも含めた中身がある事を確認し終えると、今度はベルトの支度をする。

 ベルトにコンバットナイフとM9銃剣。それにM67が6つ詰まった大型のアモパウチ(弾嚢)やガスマスク等を収めた雑嚢に満タンの水筒等を取り付ければ、其れ等の点検をしていく。

 問題が無い事を確認し終えて各種装具の準備が完了した。

 だが、支度は未だ終わっていない。そう言わんばかりにラリーはMk18を手に取ると、ショートのフォアグリップを外した。

 それからフォアグリップの代わりにM203グレネードランチャーを取り付けると、取り付け具合を確認してから可動を確認する。

 其れ等に問題が無い事を確認すると、弾を装填してセイフティを掛けた。

 その後。ベネリM4を手に取って装填されているシェルを全て抜くと、ラリーはベネリM4にスラッグ弾を装填していく。

 チューブに7発。薬室に1発装填し終えると、M72A6と呼ばれる使い捨て式対戦車ロケットランチャーを3本用意して準備を完了させた。

 準備が完了させたラリーは煙草を燻らせていく。


 「すぅぅ……ふぅぅ……」


 紫煙を吐き出した後。煙草を燻らせるラリーはこの場に居らぬジェーンへ向け、要求する。


 「ジェーン。聞いてるんだろ?本命を処理する前に俺の用事を済ませる。俺が救出した後、彼女達を地球へ帰還させろ。ソレがお宅へ請求する前金だ」


 すると、その要求に答える様にジェーンが姿を露わにした。

 ラリーの前に姿を見せたジェーンは少しだけ申し訳無さそうに告げる。


 「私は構いません。ですが、上司の方が貴方が仕事を確実に遂行する為の担保が欲しいとホザくのです」


 ジェーンから告げられた内容にラリーは不愉快そうに返す。


 「担保?要するに人質にしたい訳か?」


 「私は反対しました。しかし、残念ながらソレは通りませんでした」


 申し訳無さそうに肯定されると、ラリーは妥協する様に要求する。


 「なら、俺が救出した後にキチンと身柄を保護しろ。勿論、保護されてる間に不自由が無い様にもしろ……其処までが俺の譲れるラインだ」



 「解りました。必ず要求通りにしましょう」


 ジェーンが譲歩を呑めば、ラリーは問う。


 「他に裏切り者は居なかったのか?」


 「現状では居ません。この件に関しても、私は上司に報告する義務をしなくても良い事と、他の者達へ情報共有しない様にする許可を取り付けました」


 裏切り者は居ない。

 なれど、万が一に裏切り者が居た場合の対策として、情報を自分だけに留める事をした事をジェーンが告げれば、ラリーは及第点と言わんばかりに言う。


 「ソレで何とか済めば良いがな……さて、エレナと一緒に居る連中はどうすべきだ?」


 「彼女達は本命とは無関係。更に一線を越えていません。なので、私としましては殺さずに済むなら、その方が精神的には良いのが本音です」


 「なら、ソイツ等も保護対象として扱うべきか?」


 「出来るならば……」


 ラリーの問いを肯定すれば、ジェーンは言う。


 「彼女達は現在、第4階層の最奥に居ます」


 「と、言う事は俺が行く頃には6階層以降に居る可能性が高い訳か?」


 「そう考えるのが妥当でしょう」


 「なら、気を付けるべき点はあるか?」


 その問いに対し、ジェーンは真剣な面持ちで告げる。


 「出来れば、最下層への入口である10階層へ到達する前に彼女達を保護して下さい」


 「理由は?」


 「危険極まりないから……では、駄目ですか?」


 「要するに答える気は無い。でもって、10階層以降にはアンタやアンタの上司にとって都合の悪い何かがある訳ね」


 おおよその見当とも言える問いに対し、ジェーンは肯定しながらも具体的に答える事は無かった。


 「えぇ、10階層以降に到達されるのは私達にとって不都合なのです」


 そんな肯定にラリーは納得しながらも問う。


 「不都合なのは解った。だが、アンタや上司であろうシェルタリーズとやらが、是が非でも阻止したい……本命であるクサナギ達が行おうとしている事は何なんだ?」


 「答える気が無いのを理解した上で聞いてますか?」


 答える気は無い。そう返すジェーンにラリーは言葉を続けていく。


 「森羅万象を司るだろう神様とやらが、面倒を起こそうとするクソを部下を利用するも含め、自分の手で始末しようとしない。だが、形振り構えない程に切羽詰まって余裕が無くなる程の面倒が起きようとしてる。それなのに、悠長にしてる……実に大きな疑問だ」


 ラリーが語った事を聞いても、ジェーンは何も言わずに沈黙を貫いた。

 そんな沈黙するジェーンへ向け、ラリーは更に言葉を続けていく。


 「幸いにも考える暇は沢山あった。だから、考えてみた。森羅万象。場合によっては()ですらも司るだろう筈の万能なる神って存在が、慌てる程に厄介極まりない問題がどんなモノか?をな……」


 ラリーの言葉にジェーンはピシャリと短く告げた。


 「ソレ以上は辞めなさい」


 そんなジェーンの言葉にラリーは素直に従いながらも、不遜な態度で返した。


 「アンタのその言葉が答え。そう言ってるもんだぜ?」


 「貴方の仮説が何か?解りません。しかし、概ね正解なのかもしれません」


 ラリーの言葉を肯定する様に返すと、ジェーンはラリーに尋ねる。


 「何故、解ったのですか?」


 「そうだな……最初の時点から奇妙だった。全知全能な存在であるにも関わらず、人間とか言う神から見たら小蝿でしかない存在が、厄介極まりない面倒を起こそうとしてるのを即座に止めようとしなかった。否、それ以前に止める事が出来ていない事を疑問に感じてた」


 ラリーは其処で言葉を切ると、一息入れる様に煙草を燻らせる。

 煙草を燻らせると、紫煙と共に続きを語る。


 「すぅぅ……ふぅぅ……だから、神って奴は全知全能じゃない。そうも考えたと同時に2()()の仮説が浮かんだ」


 「仮説ですか?」


 「あぁ、全知全能なる神であっても出来ない事があるのが1つ。もう1つは()()標的であるクサナギかクサナギの関係者が、()()()()()()()()ら?って言う仮説だ」


 ラリーの仮説を聞いた瞬間。ジェーンの顔が一気に強張った。

 そんなジェーンに対し、ラリーは気にする事無く言葉を続ける。


 「で、アンタとの遣り取りを振り返ってく中で思い出した。アンタはリソースを割けないと言ったのを……ソレが事実で、俺の仮説が正しいなら納得だ。寧ろ、仕方ないとすら感じる。何なら、未だに()()()()()()()()()()()()()()事に驚きと感動すら覚える」


 ラリーが僅かな間に考え出した答えを聞けば、ジェーンは降参する様に認めた。


 「その通りです。しかし、具体的な内容を言うつもりはありません」


 そんなジェーンにラリーはゲンナリしながら漏らす。


 「本当、当たって欲しくない嫌な事ほど当たるもんは無い。そうなると、俺がアンタに請求するべき成功報酬は嫌でも1つ……否、3つになるな」


 ラリーが遠回しに請求すると、ジェーンは渋々ながらも呑んだ。


 「その成功報酬は確実に支払う事を確約致します」


 「すぅぅ……ふぅぅ……是非そうしてくれ。報酬の代わりに鉛を喰らわされるのは勘弁願いたいんでな……」


 紫煙と共に告げれば、ジェーンは「それでは早急に処理をお願いします。後、貴方が数時間前に爆破した標的はキチンと魂を回収してあります」そう言い残して姿を消した。

 再び独りになると、ラリーはゲンナリとした様子で煙草を燻らせながら「どうにでもなりやがれ」と、悪態を吐いた。

 そして、程なくして煙草を吸い終えたラリーは煙草の火を消すと、外の風を浴びる為にラリーは窓辺に赴いていく。

 程なくして窓辺に立つと、ラリーは嫌な視線を感じた。

 然りげ無く眼下の通りや向かい等を見廻し、視線の主を探すと直ぐに見付ける事が出来た。

 ラリーはポーカーフェイスで気付いてない事を演じると、窓辺から離れて先程まで着ていた現地の装いを再び着ていく。

 程なくして着替え終わると、ラリーは腰に装具を取り付けたベルトを纏ってからズシリと重いプレートキャリアを纏いながら思考を巡らせる。


 通りに3人。

 向かいには無し。

 スリーマンセル(三人一組)で監視をしてるって事は、連中はこの手の事に手慣れてると見た方が良い。


 監視をして来た者達の人数と共に相手がこの手の事に慣れた者達でもあると、判断すると共にプレートキャリアを纏ってFASTヘルメットを被ったラリーは、バックパックとベネリM4をトランクに収めた。

 それからMk18を手に取り、チャージングハンドルを引いて装填を完了させると、ビアーヌが慌てた様子で戻って来た。

 ビアーヌが何かを言おうとすると、それよりも先にラリーが確認する様に問うた。


 「厄介事か?」


 「預けてた荷物を取りに行く帰りにさっきの古書店に寄ったら、招かざる客が大勢遊びに来るって言われた。オマケに私は尾けられたし、外にも見張りが3人も居たわ」


 ビアーヌから聞かされると、ラリーは驚く事無く。寧ろ、やっぱりと言わんばかりに言う。


 「やっぱり来たか殺し屋共。それにしても、やけに早いのが気になる所だが……まぁ、良い」


 暢気な様子のラリーにビアーヌは部下として尋ねる。


 「此処で戦闘したら色々と面倒臭い事になるわ。間違いなく、衛士がかっ飛んで来るだろうから……」


 衛士なる存在が地球の警察官的なモノであると察したラリーが「サツは嫌いだ」そうゲンナリとしながら漏らすと、ビアーヌは指揮官へ意見する様に言う。


 「街の外なら衛士達は来ないわよ。街の中の面倒が多いから其処まで手が回らないから……」


 「なら、街から出るとしよう……と、言いたいが、連中は衛士達を買収してたりしないよな?」


 ラリーの懸念とも言える問いにビアーヌは当然の様に答える。


 「ソレは無いわ。連中は確かに腐れ貴族や政府連中と仲が良いけど、衛士に介入されるのを嫌ってるし、この街の衛士達を束ねる将軍は賄賂を突っぱねてる上に取り締まるのに力を入れてるから……」


 ビアーヌから衛士達のボスが気合いの入った度胸溢れる御仁である事を聞かされると、ラリーはニンマリと嗤って「なら、安心だ」そう返した。

 そんなラリーはビアーヌに尋ねる。


 「この近くに何がある?」


 「そうね……小さな村と森があるくらいかしらね」


 ソレを聞くと、ラリーは即座に行き先を決めた。


 「なら、森だ。村じゃ、余計な巻き添えが出ちまうし……」


 「それは良いけど、古本屋(古書店のオヤジ)は結構な数が来ると言ってたわよ……後、()()()()()()()()()ともね」


 ビアーヌから招かざる客達と共に依頼人が一緒に行動している。

 そう聞かされると、ラリーは好都合と言わんばかりに嗤いながら返した。


 「なら、ソイツは本命と繋がる標的だろうな……生け捕りに出来たら、インタビューしてやる」


 邪悪な笑みを浮かべるラリーに少しばかり恐れを抱きながらもビアーヌは手にしていた自分のトランクから武器と装具を取り出すと、支度を始めた。

 暫くしてビアーヌの支度が済めば、ラリーはビアーヌを連れて部屋を後にするのであった。




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