幕間:インターバル
修正報告
4話目のハンヴィーに装備してるタレットの機関銃をM2ブローニングからM134ミニガンに修正
それに伴い、昨日更新した前話である10話目のドローン(使い魔)撃墜シーンを加筆修正致しました
気が向いたら読み返してくれると助かります
「あぁ!撃ち落とされた!?」
魔女の異能を持ちし少女……櫻井 文は驚きと怒り混じりに声を挙げると、共に居た2人の青年……イケメンでクラスのアイドルな東條 龍司と何処にでも居そうなモブ顔の草薙 仁へ申し訳無さそうに報告する。
「ゴメン、使い魔を撃ち落とされて見失っちゃった」
その報告を受けた2人は彼女へ「大丈夫だよ」そう返すと、現時点での情報を確認していく。
「神が僕達を殺す為に差し向けた殺し屋は逃走してる。方角から察するにシェルドンへ向かってると見て良さそうだね」
草薙 仁がそう言うと、東條はどうすべきか?異能である賢者の能力も利用し、思考を巡らせながら現時点で解ってる事を言う。
「奴はクルマと言う機動力を有してるばかりか、俺達を殺せるだけの力も持ってる。神は俺達を殺させる為にミリヲタの2人と師走田達を殺せるだけの強力な異能を与えたんだろうな……」
差し向けた駒達が殺されていた事は、既に様子を見に行かせた兵からの報告で知っていた。
それ故に東條は当然の様に駒を殺したであろう殺し屋が、強力な異能を有している。と、言う仮説を立てた。
そんな仮説に異を唱えず、草薙は尋ねる。
「それで君はどうするんだい?僕としては手は出さずに護りを固める事を提案したいんだけどさ?」
草薙にすれば、此処に居る者達は目の前でどうすべきか?考える東條も含め、全てが捨て駒に過ぎなかった。
だが、捨て駒であるにしても有効活用はしたいが故に提案と言う形で護りを固めさせたい。
その為に誘導するかの如く。現状を並べ立てていく。
「師走田が殺されたからゾンビの群れっていう無数の兵力と言う優位は消えた。そればかりか、強い駒であった薬師寺さんと毒島さんも殺されてる」
現時点で城内に残る戦力は、神が差し向けてきた顔も知らぬ殺し屋が大半を殺した事で半分以下であった。
他にも強力な異能を持った駒が居た。
だが、その者達は城に居る事に飽いて城を去ってしまった。
そんな状況下で攻撃を仕掛けるのは愚の骨頂。そう遠回しに言われると、東條はまんまと草薙の誘導に乗った。
賢者としての能力で草薙の提案を補足する意見も交えた上で……
「君の言う通り、攻撃は出来ない。だが、幸いにも俺達には国家と言う力がある」
「と、言うと?」
草薙の問いに東條は妙案とばかりに提案する。
「殺し屋に殺し屋を差し向けるんだ。それと並行で城を出た者達も呼び戻す。俺達の雇った殺し屋達が殺し屋を捜し回って殺そうとしてる間に出来た時間で皆を呼び戻し、同時並行で城の護りも固めるんだ」
この国の兵達を隣国領土でもあるシェルドンへ送るのは政治的にも、軍事力的にも出来なかった。
勿論、現代の様な機動力も無いが故に時間的にも出来ない。
ネクロマンサーとして無数のゾンビを操る戦力の要であった師走田は殺され、更には強大な戦力であった毒島と薬師寺も殺されてしまったが故に、シェルドンを焼き討ちするには現状で難があった。
勇者である自分達の力を使えば隣国を攻め落とすのは容易いだろう。
だが、ソレをすれば内政と護りが疎かになってしまう。
更に言うならば、神から差し向けられた殺し屋がどんな力を持っているのか?未だ解らない。
ならば、そうした暗殺を生業とする手が汚れた者達へ外注すれば良い。
そう考える東條に対し、櫻井は称賛する。
「殺し屋に殺し屋を送るって良いね。流石は王様の東條くんだね」
櫻井が称賛すれば、草薙もその意見を認めて同じ様に称賛すると共に告げる。
「ソレは良い考えだ。流石は賢者の東條くんだ」
草薙は口で称賛をすると、心の中でほくそ笑んだ。
せいぜい、僕の為に捨て駒になってくれ。
あ、出来れば、神が差し向けて来た殺し屋を頑張って殺してくれると良いなぁ……
出来ないにしても、殺し屋を消耗させるなり、怪我させるなりはしてくれよ?
じゃないと、君達を異世界に連れて来た意味が無いからね♡
草薙は自分が捨て駒と陽動を兼ねて召喚させた勇者達に対し、心の中でエールを送ると、自分の目的の事を考えていく。
僕の目的はこの城の地下にある。
でも、ソレを発掘する為の労働力が確保出来てない。
師走田が死んでるから、ゾンビ達を利用する事は困難になった。
一番手痛いのは、錬金術師の異能を持った柴田が殺された事だ。
アイツに色々と創らせようと思ったのに、殺されちゃったから色々と計画を手直ししなきゃならなくなった。
柴田の代わりを用意しなきゃならないけど、代わりになる人材を捜さなきゃならない。
今は殺し屋を此処から遠くに離せた事だけを良しとするべきなんだろうけど……
「ホント、嫌ンなるなぁ……」
「草薙くん、大丈夫」
自分の建てた計画をたった1日でシッチャカメッチャカにされてしまった事にゲンナリとする草薙に対し、櫻井が心配そうに尋ねると、草薙は「大丈夫だよ。ありがと」そう答えてから更に考えていく。
教国に仕込んでる部下を利用しよう。
今は枢機卿として強大な権力を有してるし、奴に殺し屋を異端認定させれば、教国の殺し屋共が時間を稼いでくれる。
その間に僕は目的に時間を割けば良い。
草薙はほくそ笑むと、未だ見ぬ殺し屋が自分の知らない内に勝手に死んでくれる。
死んでくれないにしても、目的を果たす為の時間稼ぎになってくれる。
そんな皮算用をするのであった。
勇者召喚の首謀者が己の立てた皮算用に対し、呑気にほくそ笑んでる頃。
エレナ・パブロヴァナは4人のクラスメイト達と共にダンジョンで戦いを繰り広げて居る最中であった。
「アキラ!私と一緒に突撃!ミキとユキは援護!チサトは後方警戒!!」
エレナが指揮官の如く指示を下せば、隣に立つ恰幅の良い青年……金子 彰は頷くと共に手にした戦斧を握る手に力を込めると、その後ろに立つ2人の双子の少女……飯島 美樹と由紀は其々携えた杖と弓を構える。
その更に後ろでは短剣から弓に持ち替えた少女……長谷川 千束が背後を警戒し始めると、盾と剣で武装したエレナが一番槍と言わんばかりに突っ込み、その後ろを追う様に飯尾が駆け出す。
2人が正面に群がるモンスター達に突っ込むよりも速く。
双子が複数の魔弾と矢を放った。
放たれた矢と魔弾が2人の露払いと言わんばかりに正面に見えるモンスター達を薙ぎ倒せば、突撃したエレナと飯尾がモンスター達へ刃を振るっていく。
2人が剣と斧でモンスター達を次々にバッサバサ斬り捨てていくと、後方警戒をしてた長谷川から声が挙がる。
「後ろから敵!数は多数!!」
エレナにも聞こえる様に叫んだ長谷川は矢を放ち、モンスターの一匹を仕留めて二の矢を番える。
すると、長谷川の報告を聞いたエレナは盾を構えてモンスター達の攻撃を防ぎながら、間髪入れずに指示を飛ばした。
「アキラ!チサトの方に回って!ミキ!チサト達に火力支援!」
「解った!」
「解ったわ!」
2人が返事共に行動を開始すると同時。目の前のモンスターにシールドバッシュをして弾くと共に後ろに半歩下がったエレナは聖騎士としての力を使い、正面に残るモンスター達を次々に切り捨てていく。
そうして正面から来る敵の数を減らしていけば、エレナは次の指示を飛ばした。
「ユキ!此処は良いから皆の支援に廻って!」
「了解!」
返事と共にユキが後方から来た敵の対応に回れば、エレナは残った敵を独りで全て撫で斬りにしていく。
程なくして残りの敵を皆殺しにすれば、返り血で母親譲りのプラチナブロンドを赤く染めるエレナは息を整えながら正面を見据える。
すると、奥から増援とばかりに多数のモンスターがやって来た。
そんな様子に内心でゲンナリとしながらも、エレナは顔も知らぬ父親と母親から受け継いだ強靭なメンタルと共にモンスター達を怒鳴り付ける。
「掛かって来やがれクソども!!ブチ殺してやる!!」
そう怒鳴ると、エレナはその場に踏み留まって迫りくるモンスター達を片っ端から斬り捨てていく。
モンスター達を斬り捨てていくと、後ろから大声が響いた。
「伏せて!!」
ソレを聞いた瞬間。
エレナは即座にその場に伏せる。と、同時に多数の矢と強力な魔弾が何発も放たれる。
未だ知らぬ父親がこの場に居れば、見事な火力支援と褒める程に見事な支援が行われて数を減らしていけば、その後に続いて飯尾がエレナに代わって戦斧をブンブンと振るって敵を殺していく。
そうしてエレナへの支援が完全に充実すれば、迫り来るモンスター達は宣言通りに皆殺しとなった。
その後。
更に警戒しながらもダンジョンの奥へと進んだエレナ達は安全な部屋を見つけると、其処で休息を取り始める。
「あぁ、しんど……」
ボヤく様にして漏らしたエレナがその場にドカッと座って兜を脱ぐと、飯尾が声を掛けて来た。
「エレナさん、お疲れ」
飯尾が戦いに勝った喜びと、生き残れた喜びに満ちた笑みと共に水筒を差し出してくれば、エレナは優しい笑みと共に感謝しながら受け取る。
「ありがと、アキラ」
感謝と共に水筒の水を一口飲めば、エレナは直ぐにアキラへ自分の水筒を差し出した。
「貴方もお疲れ」
「ぼ、僕が飲むのは流石に不味いんじゃないかな?」
飯尾が辿々しい様子で返すと、エレナは呆れ混じりに言う。
「間接キスとか気にしてんならしなくて良いわよ。それにソレを誂う奴も居ないんだから……」
エレナが言うと、他の面々も同じ様に言う。
「そうそう。アキラくんにはメッチャ助けられたし、私も感謝してるんだよ」
長谷川が言えば、双子も言う。
双子の方は誂う様にだが……
「私のも飲む?間接キスになるけどアキラくんなら別に良いし……」
一口飲んだばかりの飯島 由紀が水筒を差し出しながら言えば、同じ様に水筒の水で喉と唇を潤していた飯島 美樹も水筒を差し出して来た。
そんな2人に恥ずかしい気持ちになると共に顔を赤く染めると、必死な様子で「だ、大丈夫だから気持ちだけ受け取っておくよ!」そう返して気分を落ち着けようと深呼吸をしていく。
皆が休んでる中でエレナは皆に語り掛ける様にして口を開いた。
「日本に帰ったら、どうする?」
その言葉に最初に反応したのは、長谷川であった。
「私は溜まってるアニメが観たい。後、ご飯食べたい……白米」
長谷川の言葉に皆は頷き、同意する。
「私もご飯食べたいわ」
エレナが同意する様に言うと、飯尾も言う。食い気タップリに……
「僕も。後、母さんの作ったカレーも食べたいし、ラーメンの食べ歩きもしたい」
飯尾の食い気タップリな言葉を聞くと、今度は双子が食い気に釣られて言う。
「私はチョコ食べたい。後、ケーキ」
「解る。私も甘いのメッチャ食べたい」
そんな具合に和気藹々とすると、エレナは提案する。
「ねぇ、皆で日本に帰れたら帰還を祝って一緒に食べ歩きしない?」
その提案を聞くと、女子達はノリノリでエレナの提案に乗っていく。
「良いね。行こうよ」
「良いじゃん」
「絶対行こうよ。ついでにカラオケもいかない?」
女子達が和気藹々に「良いね」そう言ってる中。
メンバーで唯一の男子である飯尾は少しだけ疎外感を覚えてしまう。
すると、そんな飯尾にエレナはさも当然の如く皆に聞こえる様に言う。
「アキラも一緒よ」
「え?僕が皆と?何か悪いよ……」
飯尾が申し訳無さそうに返すと、エレナは両親譲りの気高さを以て告げる。
「アキラも私達と共に戦った。その上、私の生命や皆の生命を何度も救ってくれた。そんな功労者が居ないなんてバカげてるし、誂う奴が居たら私がブチのめしてやるわよ」
エレナの言葉に他の女子達も同意する。
「そうだよ。飯尾くんは私達の為に身を張ってくれたし、飯尾くんには何度も助けられてるんだから居ないなんて駄目だよ」
「そうそう。私なんて、飯尾くんに助けられてなかったら死んでたし、それ以前にレイプされてたもん」
双子。もとい、飯島 由香は他の冒険者達に襲われた際、犯されそうになった。
その時、飯尾は涙を浮かべながらも必死な姿で助けてくれた。
その際に飯尾は、その冒険者を殺した。
勿論、他の面々も助かる為に襲ってきた冒険者達を殺した。
だからこそ、余計にエレナを初めとした女子達は飯尾を最高の戦友として認めていた。
自分が最高の戦友であると知ると、飯尾は皆に向けて心から感謝する。
「ありがとう。皆……そう言ってくれて嬉しいよ」
そんな空気の中、エレナは指揮官として皆を引き締める様に告げる。
「私が言い出しっぺだけど、後5分休んだら探索を再開するわよ」
「了解。ボス」
長谷川が誂う様に返すと、エレナはムスッとした様子で返す。
「ボスって呼ばれると何かオバサンみたいで嫌なんだけど?」
そんなエレナへ他の面々は呆れ混じりに言う。
「だって、エレナさん……ガチで何か貫禄あるし、度胸も凄いからリーダーって言うよりボスじゃん」
「そうそう」
「ホンソレ」
飯尾以外が信頼と敬意を込めて誂えば、エレナは飯尾の方を見て尋ねる。
「皆酷くない?ねぇ?アキラ?」
その問いにアキラは申し訳無さそうに顔を逸らすと「御免なさい」と、言って皆と同意見である事を告げた。
そんな面々にエレナは少しショックを受けながらも、何処か嬉しそうな様子であった。
娘のエレナちゃん登場
異能は聖騎士と言う両親の気質とは正反対なジョブっつうね
パラディンとして猛威を振るいながら、両親譲りの才能で指揮官としても采配も出来る…まさにサラブレッドとして開花したようなもんである




