新人ホストの俺を指名してくれたお客様は俺を売れっ子にしてくれる
途中夜職用語がありますが飛ばしても大丈夫です。
この物語はフィクションです。
『お客様ご来店です!』
『いらっしゃいませ!』
その声が響くのは日本一の繁華街にある日本一有名なホストグループのきらびやかな店内。
そんな場所に俺はつい一ヶ月前から働き始めていたんだけど未だに本指名はゼロ。
最初は研修を受けさせて貰ったんだけど内容は小学生でも理解できるほど簡単なものだった。
・住所を聞かない
漫画喫茶やホテル暮らしで住んでいる場所が不明な可能性があり不愉快な思いをさせる可能性があるから。
・職業を聞かない 自分の仕事を恥ずかしい、嫌だと思いつつしている可能性があるから。(夜職系問わず)
・年齢を聞かない
女性に対しての礼儀だから(最近は聞けば答えてくれる女の子は多いが)
・担当のお客様と連絡先を交換しない
担当とはお客様が指名しているホストで、基本的にホストクラブは永久指名制な為不要なトラブルを避けるために連絡先の交換はしないようにしている(今だとそこまで厳しい事もなく、インスタやXを通じて連絡をすることは有るが、お客様と繋がったときは担当のホストへと報告をしなければいけない)
・従業員のプライベートをしゃべらない
基本的に無いが彼女や結婚していると言うことを隠すためやお客様への辻褄あわせが有るため。(勿論本名や年齢などもNG)
細かくはまだまだあるんだけどそれは追々で。
ここで働き始めたのは本当に偶々声をかけられたからだった。
大学受験に失敗して高卒で働ける所で就職しようにも就活もうまく行かず、なんの宛もなく東京に出て来て日雇いの仕事をこなして住所不定で日々を過ごしていた。
そんな俺の唯一の楽しみが職場の日雇い仲間と月一で飲んで日々の事を忘れて飲み明かすことだった。
その日も仲間と共に夜の町へと繰り出してどこが良いかと話ながらいたら男性に声をかけられて客引きか?と思ったらまさかのホストクラブのスカウトだった。
その時は名刺を渡して興味があれば連絡してくれと言われてその場を去っていった。
その後の飲み会では先程のスカウトの話やホストについてのイメージを話したりで明け方には記憶を無くしていた。
それから数日は日雇いの仕事をして生活していたが洗濯をするときにホストのスカウトから貰った名刺を見てふとその店の事を調べてみた。
調べてみたら日本一のホストクラブで凄いホストが沢山在籍しているようだった。
(まぁ、お世辞にも売れてるって言えないような人もいるけどそういう人がいないと店としては宜しくないみたいだけど。)
昔から顔とスタイルはいいと言われていたからなんとかなってお金持ちになれるんじゃね?と考えてしまった。
そこからは早く、名刺に載っている連絡先へ電話をして興味があることを話し、あっという間に体験入店と言うものをすることになった。
面接では店の給料システムから始まり相部屋の寮がある話や、どんなお客様が来るのかを聞き簡単なテーブルマナーと言うものを教えて貰った。
代表や部長、プロデューサーなどなどと話をしてみればかなり盛り上がって一緒にヘルプ回りを一緒にすることになった。
もうこの段階で入店するのアリだなと前向きに考えていた。
ヘルプ回りでもうまく話を振ってくれたりとお客様とも打ち解けられていたと思う。
その日の営業終わり俺は日雇いの仕事を辞めたら即入寮&入店をすると伝えた。
そこから日雇いの仕事を辞める旨を伝え円満に退職した。日雇い仲間にはあの日の顛末も話して頑張れよと言って貰えた。
ちなみに儲かったら奢ってくれと言われたので任せておけと胸を張って答えておいた。
円満に退職出きる旨を伝えて入店できる日を伝えたらそれまでに寝具等を用意しておくと言われた。
いざ入店初日に誓約書や入寮届けを書いたり捺印して、従業員名簿を作るための身分証を提出して、専属のヘアメイクの人に髪をセットして貰う。
久しぶりに髪をセットしたけどなんだか落ち着かないんだよね。なんか俺イキッてるよって感じかあるからさ。まぁこれも慣れなんだろうけど未だになれないからしょうがないか。
この日はスタジオで宣材写真やほすほすというサイトに載せる短い動画を撮ったりして源氏名を決めた。
源氏名って言うのは働いているときの名前だ。
それから俺は暫くの間先輩ホストの恋乃さんと言う人と指名客のヘルプ回りと言うものを一緒にしてどんな感じで接客するか等を確かめていった。
恋乃さんはどんなお客様へも盛り上げたり話を聞いて担当のホストがいればその担当ホストへのツッコミをしつつさりげなく担当の印象を良い方向へ向けるような話の展開をしていた。
働くまでは適当に話をしてお客様に酒を飲ませて高揚した意識のまま高額なシャンパンやボトルを入れさせるイメージは大分変わった。
聞けばそういうホストもいるし、この街ではありふれた話しらしいがこのグループでは『愛のある行動』を理念にしているらしい。
凄いよね『愛のある行動』って。それを浸透させるのも凄いことだと思うし、ホストや内勤の一人一人が誇りをもって働いているのが凄いと思う。
まぁ中にはそんなの知らねえって感じの人もいるみたいだけどそういう人ほど辞めていくんだそうだ。
でもその理念に誇りをもって働くのって良いよなぁって思う。
俺も少しでもお客様に対しても愛のある行動って言うのをしていきたいと思う。
でも本指名はゼロで、写真指名や送りは貰えてもそれを次に繋げることが出来ない。なんでかと先輩に聞いたりどんな連絡、タイミング、話す内容とかを色々と聞いてなる程と思った事を行動に移していった。
その結果店の外で毎日三人には会うようにして連絡も来たらすぐに返す。この時に暇だと思われようと指名客を取れる様に連絡しろとアドバイスを貰った。
SNSは統一感を持たせて日々の営業で高額オーダーの入ったキラキラで綺麗な場面を載せている。
勿論お客様には顔が写らないようにするしそれがいつの事かなるべく分からないように後日投稿してその時にどう思ったか、自分がこの先どう言う接客をしていきたいかを拙いながらに載せていった。
中でも、一応本指名をしてくれると言うお客様はいるにはいるがSNSでの繋がりしかない為、来てくれたら本当に嬉しいしドキドキしてるけど冷静な部分で来るわけがないだろと考えてしまう。
この約一ヶ月でヘルプ回りをしてみて気が付いたのは接客にもスタイルがあると言うことだった。
何を当たり前の事をと思うかもしれないけど、十人十色って言葉が浮かんだ。
色恋、本営、枕、友営があってその中でも更に細かく分かれていて奥が深いと同時に自分はどのスタイルを目指すべきなのか考えさせられる日々だ。
勿論お客様に対しては真摯に向き合わないといけないけど中にはリピートしないお客様もいる。いわゆる初回荒らしというやつだ。
ホストクラブは指名をしなければ数千円と安く飲めるが、中には客引きと繋がって、客引きからお金を貰い飲みに来る存在がいる。
客引きがお金を出して女の子にホストクラブへ連れていってなんの特が有るかと言うと、ホストクラブの初回を案内した客引きは紹介料のバックとして1000~3000円を貰うらしい。
その事実がばれればその客引きからの紹介では入店お断りになるらしいが事実かどうかは分からない。
今日もヘルプ回りをして時間が過ぎていくなかでスマホが震えた。
『時間空いたから今から行きますね。着くのは21時頃だと思います。VIPルームが空いてればそこにしてくれると嬉しいです。』と言うメッセージが届いた。
俺の頭は一瞬固まった。その後は嬉しさと困惑、そして最後に本当に?と言う気持ちになった。
すぐに感謝の言葉と時間近くなったらビル前に待ってますと返信した。
代表や内勤さんにお客様がきてくれる事、VIPルームが良いと言うを伝えればおめでとう、凄いじゃんと言われた。
指名されたホストとしての心構えとかを代表やプロデューサー、偶々顔を出していた社長にまで教えられて遂に時間が迫ってきたので内勤さんへ迎えに行ってきますと伝えてビルの前に向かった。
メッセージで今ビルの前にいると連絡をしたら直ぐに返信があってそろそろ着くとあった。
緊張と嬉しさが混ざったドキドキを味わいながら数分待つとハイヤーが停まって中から女性?が出て来ていた。マスクとサングラスに帽子でいかにもな芸能人ルックだったけどこういう人もいるんだなぁと思いながら目線をスマホへ向けて時間をみていた。
「待たせてごめんなさい、あなたが◯◯君よね?」
といかにも芸能人ルックの女性に声をかけられた。
スタイルが良くて声まで良い。それに恐らく顔も良いと思う。サングラス越しに見える目は大きくてマスクとサングラスに隠されていても綺麗な人って思うオーラを発していた。
俺は返事をすればその女性は目尻を少し下げて微笑んでいるんだと思う。
店に着くまでの数十秒で俺はなんとも言えない緊張感を抱いていた。
女性からは『ちゃんと身分証もあるし大丈夫よ』と言われたがSNSでは名前はおろか、年齢すら分からずにただ俺の事を応援してくれているってことしか分からなかったから本当に大丈夫か気が気ではなかった。
それもすぐに杞憂で終わるとはこのときは思ってもいなかった。
店の扉を開き内勤さんの『いらっしゃいませ』と言う言葉を聞き不思議な気持ちになるが、年齢確認も済ませてから女性をエスコートして諸々の確認を済ませて俺達はVIP席へ案内して貰った。
座り心地のよいソファに二人並んで座ってテーブルに置かれたグラスやアイスのセットが照明によってキラキラと光っている。
「改めてはじめまして。私の事はさくらって呼んでね。◯◯君。」
そう言って微笑まれるもマスクやサングラスをはずした彼女を見て緊張と既視感を覚えてつい聞いてしまった。
「どこかであったこと有りましたか?」と。
彼女いや、さくらさんは微笑んで肯定も否定もしなかった。あと言わなきゃと思っていたことを言う。
「今日はさくらさんに初めて指名して貰って凄い嬉しいです。ありがとうございます。働き初めて初めての指名で緊張していますが。今日の事は絶対に忘れないです!」
嬉しいのは事実だけど緊張も本当。この緊張は忘れたら駄目だと思ってそう言った。
「ふふふ、そう言って貰えると嬉しいけど私も忘れないわ。」
そう言ったさくらさんの笑顔はとても魅力的でつい見惚れてしまった。でも気を取り直してさくらさんに向き直る。
そのタイミングを見ていたかのように内勤さんがシャンパンペールに入った冷えたシャンパンとシャンパンフルートを持ってきてくれた。
内勤さんが特別にとVIP限定サービスで持ってきて貰ったシャンパンを見てさくらさんは少し驚いていた。
コルクの抜けるポンッという音が室内に響いた。
シャンパンフルートにクラッシュアイスをいれるか聞かれたのでさくらさんはいれて貰った。俺もそれに倣っていれて貰い店のロゴが入ったゴム製のコースターにフルートを置かれた。
内勤さんはごゆっくりどうぞと一礼して退出した。
「初めてホストクラブへ来たけど凄いのね。なんだかもっと怖い場所だと思って緊張してたのがバカみたい。そんな意外そうな目でみられると不安になるから◯◯君やめてね。」なんて微笑んで言われた。
初めてのホストクラブに堂々と入って緊張も見えなかったが実は緊張していたと言われてなんだか本当に指名を貰ったのだと実感がわいた。
「落ち着いていたので初めてじゃないのかと思って。ごめんなさい。何だか初指名で緊張してたのがどこか行っちゃいましたよ。」
「お互い様ね。さ、飲みましょ!」
そう言ってフルートを持ち軽くチンッと合わせてシャンパンを飲む。
初指名で飲んだシャンパンの味はいつもと違って何だか美味しく感じた。
十分くらい二人で色々と会話をしていたらヘルプとして代表やプロデューサーが着いてくれた。
二人はご一緒しても宜しいですか?と聞いてさくらさんはどうぞと言って二人は椅子に座った。
軽く自己紹介を済ませた二人にさくらさんはそんな偉い人が来るなんて、と驚いていたが俺の初指名であるなら大切にしなきゃだろ?と言ってくれた。
売れている人ほどヘルプ回りに積極的なのはこの店というかグループの良いところだと体験入店の時に聞いていたからそれを実感できて嬉しく思う。
そこからは皆で会話をしながら俺の良いところを言ったりしてくれるが照れ臭く思ってしまう。
俺の話を聞いて笑顔になるさくらさんはとても綺麗で可愛らしく思い見ていたら、どうかした?と言われて素直に思ったことを言ったら酔い以外で顔を赤くした。
そんな俺達を代表とプロデューサーは良いものでも見たかの様な表情をしていたことは俺達は知らない。
シャンパンが無くなる頃には大分打ち解けたと思う。
次は何を飲みたいか聞けば何があるか分からないからメニューが欲しいと言われたので持ってきて貰い、メニューを捲りながらさくらさんは俺に好きなお酒はあるか聞かれたのでブランデー以外ならお酒は大好きだと言えば可笑しそうに笑った。
「ならこのデザインと色が◯◯君合いそうだからアルマンドゴールドかエンジェルヴィンテージゴールドのどっちが良い?」
俺はその言葉に固まってしまった。アルマンドゴールドは20万円、エンジェルヴィンテージゴールドは80万円を越える。どちらも高額シャンパンでどちらも恐れ多いと固まっていたらさくらさんは固まった俺をみて何を思ったのか「ならどっちもね」と言ってオーダーしていた。
代表とプロデューサーはありがとうございます。シャンパンコール楽しみにしてくださいの言葉に遅れて俺もありがとうございます、でも本当に良いの?と聞いた俺に「私が◯◯君に合うと思って選んだけど駄目だった?」と少し不安そうに言うから駄目じゃないし凄く嬉しいけど会計凄く高くなっちゃうと言えば気にしなくて良いのにと微笑まれた。
そんなことを言われるとは思ってなかった俺はさくらさんに金額に合う事が出来ていないのにと言えばそんなことはないと言う。いてくれるだけで良いのに会話まで楽しく出来るんだからこれくらい安いものよと言われて嬉しさが込み上げてくる。
「さくらさん、ありがとうございます」
まさかそこまでのことを言われるとも思ってなかったし、なんたって今日が初対面だから尚更だ。
シャンパンが来るまでの間に飲むものとしてビールやチューハイを頼んで更に増えたヘルプと皆一緒に楽しく飲む。
そして遂にシャンパンコールが始まった。
小計百万円を越えるシャンパンがオーダーされたらオールコールって言われるコールになって、シャンパンタワーの時のコールを抜けば一番盛り上がるコールだ。
コールの途中には姫様からの一言コメントがあってその後に王子のコメントがある。
「今日は初指名だけど◯◯君にこれからも頑張って欲しいので私も頑張ります!」
「これからも頑張ります!そしてこれからも宜しくお願いします!」
そう決意とこれからの未来を語ってコメントを終えて、問題なくコールは物凄く盛り上がって終わった。
「さくらさん、本当にありがとうございます、今日の事は絶対忘れないです。」
俺は何度でも本当に忘れたらいけない思いは心に刻む。決意と共に。
ちなみにラスソンをとって豪華な伝票がさくらさんに渡された時の顔は嬉しさが溢れる笑顔だった。
あれから数ヶ月。俺はさくらさん以外にも指名をして貰うことも増えて毎月二千から三千万円の売上を上げることになった。
上半期の売上グループランキングと新人ランキングそれぞれで七位と三位にランクインしている。そして今月が上半期の最終日で店の締め日でもありピリついた緊張感が漂っていた。
それでもいつも通りに営業は進みさくらさんや他のお客様も来店してくれた。
「ねぇ、◯◯君。NO.1取りたい?」
変わらず綺麗で可愛い笑顔のさくらさんのその問いは初めてのものだった。
これまでの数ヶ月でさくらさんは締め日に毎回来店してくれていたがNo.1を取りたいかは聞いたことがなかった。それでも売上上位には入っていたから喜ばれていたし、さくらさんにおんぶにだっこで売上を上げるわけにもいかないと思っていたからだ。
「そりゃあここまで来たら取りたいと思うよ。でもそれはさくらさんが無理の無い範囲で使える金額で楽しんで貰うためだから無理はして欲しくないし、させたくない。」
「真面目だね。でも無理もしてないし◯◯君にはNO.1をとって欲しいってずっと思ってたよ。だから今日の私は◯◯君がNO.1を取るところを見に来たんだよ。」
そう言うさくらさんの表情は物凄く真剣な表情だった。
俺に言えるのはありがとうございますと言ってNo.1を取ることを決意を伝える事だけだった。
「ええ、私が見込んだ◯◯君の決意は叶えてあげる。」
艶然な笑みを浮かべて内勤さんを呼んで欲しいと伝えられた。
内勤さんが来てから話があると言えば俺は少し席をはずして欲しいと言われた。何でも驚かせる為には何を頼んだか知られたくないそうだ。
そのタイミングで俺は他のお客様のところに行ったりしていた。
そして遂にラストオーダーの時間が来た。
あの後はさくらさんにも何を頼んだかを聞かなかったし信じることにした。
そして俺は今日の売上だけで一億円を越えて売上一位を獲得できたし、グループの一位も獲得した。
それからは怒涛の勢いで売上を上げ続けて年間売上ランキング一位も獲得して街の数ヵ所の看板に載った。
そこからは更に指名してくれるお客様も増えていったがさくらさんは変わらずに来てくれる。
他のお客様は勿論大切にしているし愛のある行動っていうのが少しでも伝わっていれば良いと思う。
そんな中でも一番に愛のある行動をするのはさくらさん以外には無いが。
「ねえ◯◯君。伝説のホストって響きが似合うと思うからなってみない?」
「伝説のホスト??それって似合うかどうかでなれるものなのかな??そりゃあなれるならなってみたいとは思うけどさぁ。」
「大丈夫、世界で一番有名なホストになって色々な記録立てればなれるなれる!」
あの締め日に見た笑みがそこにはあった。
◯◯君の名前はあえてつけていないので良い名前が浮かんだら変えておこうと思います。
フワッとした終わりにしてるけど、日々色々な問題とかも乗り越えてます。
ちなみに裏設定として
さくらさん22歳。
投資家で資産家。両親は世界中に不動産を持っていて界隈では有名な家族。幼い頃から親バカ両親に愛情を込めて育てられていたが、自分が好きになる相手はこれまで無く、告白されても付き合う事がなかった。
そんなある日にふとSNSを見ていたら新人のホストの◯◯を見つけて初めて恋をした。
両親に言えば母は物凄く喜んでくれたが父は物凄く嫌だ聞きたくないと駄々をこねて母娘に慰められるという。
父は◯◯を秘密裏に調べることに。
その結果は父が認めるものだった為に娘のさくらがホストクラブへ通うことを許していた。
ちなみに将来の義息子として◯◯を認めてはいるし、おとうさんと呼ばれることを楽しみにしている。
母は娘が初めて恋をした相手がホストで有ることに不安もあったが全力で応援をした。結果は数年後に双子の孫を面倒見ている。
◯◯ 22歳。滅茶苦茶イケメンクォーター。
本名すら出されなかった本作品の一応主人公。
大学受験するも不合格。就活するも不採用。何も目標もなくふと都会に出て何かしてみようと思い上京。
日雇いの肉体労働から単発のアルバイトなどを掛け持ちして月一の飲みの場は日々の癒しだった。
両親は健在で妹と弟がいる。兄弟では仲良く、両親は世界中を飛び回る。実は英語とフランス語、イタリア語を扱えるが理由は格好いいからと初めは不純な動機だったが両親はこれからの時代必要だろうと教育してくれた。両親は更に中国語、ロシア語、タガロク語などを話せる。
両親は進学も就職も好きにしなさいと言ってくれる割りと放任主義に見えるが愛情は勿論あるし注いでいる。
妹19歳はブラコンで兄が大好き。
弟16歳はシスコンで姉が変な男と付き合うことを防いでいる。
長男の◯◯は二人を大切に思っていているが、妹とカップルに見られるのが恥ずかしくて弟と三人で出掛けることが多い。その度妹は弟に対して辛辣な口調になりそうだが兄のいる前では猫を被る。弟はそんな姉も好きなためいつもニコニコ笑顔。
売上を上げるなかで先輩ホストからやっかみなどもあったがただただ良いやつ過ぎて気が付けば後輩を慕う先輩が出来上がった。
お客様から抱いてとか好きとかの好意を向けられるもがっつかれ過ぎて逆に冷めてしまうも表には出さない。奥ゆかしくも意見をちゃんと言ってくれる素直な女性がタイプ。(さくらさんドンピシャ)
日雇い仲間には約束通りおごった。
その後は金を貸してくれと言われたら疎遠になると思っていたが、◯◯に奮発されてか仲間は起業して今では日本で活躍するIT企業に成長している。
恋乃さん29歳
内勤兼プレイヤーという特殊な立ち位置の人。新人教育を担当。一緒にヘルプ周りをしてくれる好い人。ご飯も良くおごってくれて面倒見も良い。
内勤さん。四十路渋オジ。
そこそこ売れたプレイヤーから内勤に。グループ内に知り合いが多い。
未だに来店してくれるお客様が結婚して欲しいと迫っているが頷いてくれないと同い年の◯◯に愚痴を言ったりしている。
内勤さんはそろそろ覚悟を決める時かと思っている。
プロデューサー
新人の◯◯が売れてない時からよく一万円を渡してコーヒーを買ってきて貰い、そのお釣りをあげていた。◯◯は恐縮しながらもありがとうございます!と言っていたが気が付けば売れっ子になって一緒に飲みに行ったりご飯に行ったりする仲に。たまにさくらさんも一緒だが喜んで一緒に行く。
代表
雰囲気イケメンで三十路。これまでに売上ランキング一位で三年連続二億円を突破して殿堂入り。グループには他にも殿堂入りしている人はいるが最初の殿堂入りを果たした。グループ内では一部が神と崇められている。
会長
もうすぐ還暦間近だがアクティブ。グループ内でのイベント毎にパフォーマンスを披露するも年齢の為にそろそろ後継者にパフォーマンスを譲ろうとしている。
『愛のある行動』を理念に掲げ、千人近い従業員を抱える。
月に一度◯◯や代表、プロデューサー、他にも何人かで飲みに行くキャバクラ、ラウンジ好き。