喉に刺さった魚の骨、いくら?
昼食にアジフライを食べたら、喉に違和感。
しばらく経っても、その痛みは消えない。
やっちまった……。
まさかそんなはずは。
気持ちを落ち着かせよう。
買い物に出かけた私。
あれ、いつの間にか抜けた?
全然痛くないじゃーん。
へー、湊かなえ氏、また新刊出すんだー。
ヨシタケシンスケ、すごいなあー。
雨穴?何て読むんだろう。
ん、喉が……。
痛っ!
結局、自力では取れず、病院へ。
何食べました?
どっち?
ヘッドギアをつけた先生。
二つ質問しただけで処置開始。
チョウチンアンコウみたいなライト。
先生の鋭い眼光。
こんなことで俺の手を煩わせやがって。
なんて、絶対思ってないだろうけど、目がこわい。
探すのに時間はかかったものの、数分で骨は除去。
見せられたそれは、THE小骨。
たとえ食べる前に顔を出していても、わざわざ取らないレベル。
小さく細い。
こんなもので私は。
ついてないなあ。
お会計へ。
「2,540円です」
「は、はい」
(2,540円!?)
「三千円から……」
(数百円のアジフライ食って、2,540円取られんの!?)
「460円のお返しです。お大事にしてください」
「あ、ありがとうございましたー」
(ここ最近で、トップクラスの無駄金だったな)
家に帰って妻に話すと、
「行ってよかったじゃん」
の一言。
やはり全肯定。
私はあなたが仏に見えるよ。
「しばらく魚はやめようね」
「うん。あ、でも」
私は進言する。
「あん肝は食べたいな」