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みなさんこんにちは、能力バトル研究部です。  作者: うい
コピーした能力者をリスペクトして、仕草とか、口癖を真似するコピー能力者とか
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コピーした能力者をリスペクトして、仕草とか、口癖を真似するコピー能力者とか⑩

「どもども、こんちは。ごめんねー、今日の見学、ちょっと遅くなちゃってー」


 女子生徒はあっけらかんとした口調で、美羽とパーテーションの隙間を縫うようにして、通り過ぎて、隣の席に腰を下ろした。

 ここの部員だろうか。部室というよりかは、学校そのものに馴染めているような女子生徒を見て、ここが『能力バトル研究部』の部室であることを思い出す。


「そんで、私は木村美紀っていいまんがな。2人と同じ1年生? だよね? うん。能力バトル研究部の部員してます」


 美紀は手を膝に置いて、背筋を伸ばして一礼をする。演技がかった美紀の行動に美羽と優も、背筋を伸ばした。


「1年の天沢優です」


「1年の植木美羽です」


 手を膝に置いてきちんと挨拶する。


「ふーん、2人は入る部活決めた? ごめんね部活体験させて上げたいんだけど、もう5時になっちゃうしねえ。あっ、でも入部してくれるなら、5時以降も残っていいんだけどね。あ、そうだ、お菓子食べる? ていうか、なんでこの部に来てくれたの? この部は、5月までに部員が揃わないと、」


 天真爛漫にはなしを進める美紀から、歓迎してくれていることは伝わってきた。すると、いきなり美紀は話を止めて押し黙った。

 美紀の視線は優のノートへと、一直線に向かっていた。ページは優がまとめた『最強能力一覧』のページが開かれたままだった。

 美紀のその様子を、美羽と優の2人は、ただ見守っていた。

 いくら美紀が能力バトル研究部の部員だからといって、流石に優ほど能力バトルにのめり込んでいるはずはないだろう。ましてや、自分でノートをつくって、強い能力をまとめておくような優の存在は、いくらここの部員である美紀からしても、珍しいものではないのだろうか。


「ふーん、やっぱり会えるもんなんだねー」


 美紀は思い出すように、部室の何もない空間を見上げた。

 絵具を混ぜきる前のようなもどかしい、オレンジと紺色が部室を満たしている。

 春の夕暮れはこんなものだろうと、自分達を納得させる速度で日が傾いていく。日が伸びるように期待をしている自分を突き付けられる。


「私が思う最強の能力の共通点は、相手の能力、技を使って、ダメージを与えられるかどうかだね」


 ゆっくりとした口調で美紀は言う。


「コピー能力とか攻撃反射は、まずその筆頭でしょ? あとは精神支配系の能力も相手をコントロールして、相手の技を使わせることができるよね。相手との位置を変える系の能力も、相手が技を使った瞬間に相手との場所を変えれば、相手が自分の技食らうっていうね。引力、斥力系や、ベクトル操作もこれにあたるかな」


 どうして。


「いやいやいやいや、分かるけどコピー能力とか、攻撃反射系の能力って、もう出尽くされちゃってるからね。木村さんて、まだそこにいるんだ。強い能力の共通点は目で楽しませてくれるかどうかじゃね?」


「いいや、逆に1週してそこにたどり着いたって感じだからね。コピー能力とかシンプルイズベストじゃん? ていうか、目で楽しませるって、どうせあれでしょ? ハンターハンターのクラピカみたいな能力でしょ? 1つの能力に対して、豊富な技を使用できますみたいな? でも、結局その中の1つにコピー能力が含まれてるってパターンけっこう見たことあるからね」


「星座をモチーフにした能力者だったら、星座ごとに1つずつの能力。干支とか、惑星とか、武具使い、精霊使い、鉱物使いとか、次にこういう技が出てくるかもって想像できるし、想像するのも楽しいでしょうが! それに最近小説家になろうとかで、最近流行ってるよね? 『汎用性』とか、『万能性』っていうワードが」


「汎用性、万能性が市場に求められているキラーワード、もうそれはコピー能力でいいじゃん」


「だから、コピー脳力とか、攻撃反射系の能力はメリデメの差がありすぎるし、それで完成されてるんだってば。コピー能力者が修行しても、結局はコピー能力から進化しないじゃん? それに何でもコピーできたりしたら、最強すぎて制限付きで負けがち」


 優と美紀の2人による能力バトルの議論が展開されていった。強い能力とは何かについて、お互いの意見をぶつけ合い、火花が散る。

 優と美紀の会話の内容は、ニュアンスでしかわからなかったが、お互いに通じるものがあるのだろう。

 ほっと、息をつくような声が聞こえた気がして、それはもしかしたら自分から出たのかもしれないと美羽は思った。


「小僧…名乗ってみよ」


「1年、天沢優」


「覚えておく。久しく見ぬ強き者よ」


「誰が強き者だ」


 2人から笑みがこぼれている。大きく口を開けて笑いあっている2人は、今まで我慢していたものを吐き出しているようだ。

 言葉なんていらない瞬間だった。何が好きとか、好きなものを好きだと言えるとか、そういう考えはいらずに、言葉を必要としないで、2人は繋がっている。


「天沢君いいね」


「俺もコピー能力自体は嫌いじゃないんだよ。コピー能力出すなら、インフレ覚悟で登場させてほしいよな」


 もうすぐ5時だ。


「わかる。逆に、仲間のギャグ担当キャラの能力が、コピー能力とかいうめっちゃ強い能力だと判明したときの展開とか好きなんだよね」


 帰っても、大丈夫だ。きっと、私は。


「ああ、いいね。唯一のオリジナル技を持っているコピー能力者とかも好きだわー」


 美紀は鞄を手に取り、立ち上がった。


「あ、美羽ちゃん帰る?」


「最後に、好きなコピー能力者おせえて、おせえて」


 もう帰る美羽に向かって、美紀は入部の勧誘をいっさい促さなかった。


「うーん、そうだね。好きなのは、コピーした能力者をリスペクトして、仕草とか、口癖を真似するコピー能力者とか」


 おー、っと2人から歓声が漏れた。

 歓声が上がる理由がわからない。

もう決めてしまってもいいのか。

覚悟を決めてから、120時間経過しているはずだった。


未熟者のため、ブックマーク、感想、ご意見、ご指導、何でも構いませんので、反応いただけましたら、泣くほど嬉しいです。

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