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プロローグ(土の性質変化じゃなくてよかったよ)
「今配った紙に自分オリジナルの属性相関図を描いてみて。わかりやすい例で行くと、属性を表す漢字を並べてって」
美紀はA4用紙を1枚手に取り、『火』、『水』、『草』の漢字を丁度正三角形になるように書いていった。
ペンと紙がこすれる音と、安っぽいインクの匂いが部室を満たしていく。
「火だったら水が弱点とか、こんなふうにね」
美紀は続けてペンを走らせ、『水』の漢字から『火』の漢字に向かって矢印を伸ばす。そして、そのすぐ下に、『強』という漢字を書きあげた。
うんうん、と桂は頷いてみせたが、この状況を理解しきれていない自分が明確にいた。
「だいたいこんな感じ。わかった?」