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1-1.こんなに禍々しい攻撃力がカンストした呪いの大鎌(ウォーサイズ)が序盤の街にあるはずがない!




俺は...死んだのか...?


暗闇の中、俺は死を受け入れることができなかった。


死というものは不確定な時間に

そして思いもよらない時にやってくる。



どこからか声がする。






ー名前は?


俺の名前?


「...ひいろ」

ポツリと暗闇に向かって吐いた。





ーいい名前ね。




しばらくすると暗闇がだんだん光に照らさていく。










ハッと目が覚めると

俺は街のベンチに座っていた。


街とは言っても現代というかんじではなくどちらかと言えば中世的な街というかんじに近い。


ここは天国...?いや実感はあるから違うのか...?


その世界にあっけをとられると同時にズボンのポケットに違和感を覚えた。


そこには一枚のカードと銅貨に銀貨に金貨が5枚ずつ入っていた。

カードには俺の名前そしてゲームのステータスみたいななにかが書いてある。

れべる?...が1、ちから?が10、守り?が10、んで賢さと素早さっていうものも10...


少し深呼吸をしてみる。


ああ、なるほどな...


ラノベを少々たしなんでいた俺はだんだん今の自分の状況が理解できた。

そして1つのワードを思い浮かべる。


『異世界転生』


どうやら...この世界が俺にとっての第二の人生らしい。


立ち上がり腕を伸ばした。

春の昼間だろうか。心地よい天気だ。


そのあと近くにいた人にこの世界や街のことを尋ねた。


向こうは俺のことが転生した人と分からない状態でこの世界について色々聞いたものだから世間知らずに思われた。

仕方ない。

ゲームでもまず最初に村人に話掛けて情報を得るのは基礎中の基礎だ。

それよりも薬草をいくつか頂いたし案外この世界も悪くないかも...


内容を整理すると...


この世界は“レヴナント”と呼ばれる人間を支配しようとする異生命体がいる。

そしてこの街はそのレヴナントやらが拠点とする場所から遥か遠くの彼方に位置する街らしい。


ポケットにあるカードは「ステータスカード」と呼ばれ随時自分の情報が更新されていくものだと。

自分の情報がこう数字で表されるのはちょっと遺憾だが

具体的に自分の力の程度が分かっているなら身の丈にあったことができるしまあいいだろう。



とりあえず俺は武器屋に向かった。

まずは武器がないと雑魚敵倒してお金や経験値が稼げられない。

俺はすっかりドラ○エの主人公の気分だった。


「よぉ兄ちゃん!しけた面してんねえ!冷やかしかい!?」


ドアを開けた瞬間ガタイのいいおっさんの店主が俺を見るなりテンション高めに挨拶してきた。

こういう人苦手だなと一瞬思ったが久しぶりに元気な人に会うとなんとなく安心する。


壁に掛かったり台に置かれている武器を眺めた。

そこには剣や弓、斧など様々な武器が置いてある。

どれもザ・本物ってかんじがして見るだけでもワクワクしてくる。


ふと目に止まった武器があった。


アニメやゲームで死神っぽいやつが持ってそうなほどやけに大きい鎌だ。


変わった武器が置いてあるんだな。


「ほぉ...兄ちゃんいい目してんねえ。」

店主が食いぎみに話かけてきた。


「そいつは使用者の生命力を糧として攻撃力に変換するっていうかなりの代物だ。名前は特に無いが大鎌(ウォーサイズ)っていう武器の種類だな。」


確かに他の武器とは違い何か禍々しさを放っている。


「攻撃力999...つまり攻撃力の限界値を達している、何百とその力に魅了され扱う人がいたが全員旅の途中で変死したって話だ。」


「なんでそんなものがここに...?」

疑問に思った。

そんなチート武器が序盤の店で売ってるなんて聞いたことがない。


「元々はレヴナントが造った武器でな、その強大な力で多くの人の命を奪ってきた。だが、とある者が自らの命と引き換えに奪い去り人間の手に渡った。」


「...だがその先でその人間がコイツを使って力を飲まれ謎の死を遂げたあと他の人がまた使い、変死の状態で見つかるなどというのを幾度も繰り返しここまで流れてきたわけだ。ここはレヴナントの拠点から一番遠いからな、レヴナントに取られる心配がないからここに置いてあるんだ。」

話を聞くだけでゾッとする。


...だが俺はどんなもんか気になってコイツに手で触れてみた。


感覚的には自分から触れたというかまるでペットのように向こうの方から触れられてほしいというというかんじだった。


「っておい兄ちゃん!?早く手を離せ!そのままコイツに生命力に吸われるぞ!!」


...

...

何も起きないんだが...


「あの、店員さんこれってあとから来る系のやつですかね...?」


「...いや手にした瞬間に来るはずなんだが、いやまさか...」


??


「まさか...あんたが...コイツの適正者なのか...!?」


よく分からないが大鎌(ウォーサイズ)を肩に担いだ。


「じゃあこいつにします、あっ、でも値段って結構お高いですかね..?」


店主は驚きながらも俺の言葉を聞き少し考えてこう口にした。

「...タダでソイツをやるよ。」


「え?代金は...?」


「人が武器を選ぶと同時に武器は人を選ぶんだ。」

「だったら金なんていらねえ、そもそも値段なんて決めてなかったからな!」


お、おぅ...


俺はその店主に何回もお礼をし武器屋をあとにした。

相棒を肩に担いで。



...武器屋じゃなくて骨董屋だったことに気付いたのは冒険者ギルドを探しに地図を見たときのことだった。



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