プロローグ
死んだら異世界とかいけるのかな...
そんな不謹慎な夢物語なことを考えながら
辺りが田んぼしかない一本の道路の隅を缶ジュース片手に歩いていた。
俺は折神 緋色。
現役帰宅部不登校男子高校生。
今は2年生だ。
いじめとかが原因で不登校になったわけじゃない。
ただただ毎日がダルかった。
同じことを繰り返している下らない日常の連続。
それが受け付けられなかった。
とくにこれといった趣味はない。
強いて言うならアニメやマンガ、ゲームをたしなむぐらいだ。
特技は目隠し音ゲー。
最近はこうやって毎日音楽を聴きながらぶらつくのが自分の流行りになっている。
こんな生活をいつまで続けるのか...
周りも大学進学やら就職やら考えているであろう。
とりあえず赤点回避していればそれでいいという堕落した高校生活。
将来俺は何をすればいいのだろうか。
自分で言うのもあれだがルックスならホストでも通用するくらい自信があるからそれでもいいのかな。
そうため息をついた瞬間だった。
背中に強い衝撃を受けたとともに俺は初めて宙に舞った。
世界がゆっくりとねじ曲がるように反転している。
一瞬ながらもその世界に心を奪われた俺がいた。