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三十七話 閉じたゲート

 ココレットを抱き上げ、片手に剣を構えるローワンは、じっと影の動きを見据えながら、どこかに逃げる活路はないかと考える。


 現状、ココレットを抱き抱えたままでこの人数相手に勝つことは難しい。


 どうすべきかと考えていた時、後ろから容赦なく剣が振り下ろされ、次々に攻撃を受ける。


 このままでは押され、いずれどこかで隙をつかれる。


 その時であった。


 いつの間にかローワンとココレットの後ろには王城へと続くゲートがあった。


 ココレットは瞳を輝かせるとローワンに言った。


「ゲートを通って逃げましょう!?」


 しかし、背後にゲートがある事にローワンは違和感を覚える。


 この場所にゲートがあることは分かりきっている事であり、通常の戦いならばそんな場所に追い込むことはない。


 何かがあると感じたローワンはココレットを止めようとするのだが、次の瞬間一斉にローワンは影に剣を向けられ、必死にそれを防いでいくが、ココレットを抱きかかえたままでは危ない。


「私の後ろにココレット隠れて!」


 そう言ってココレットを降ろしたローワンは、ココレットを背に庇いながら戦い続ける。


 ココレットは手を震わせ、決意したように言った。


「わ、私が、助けを呼んできます!すぐに戻りますから!」


「ココレット!?」


 ゲートを通ろうとするココレットを止めようとするが、影達はここぞとばかりにとめどなく攻撃を仕掛けてくる。


「ダメだ!ココレット!?待って!」


「すぐに戻りますから!ローワン様!待っていて!」


 ゲートをココレットは走って潜る。ローワンはその姿にぞくりとした物を感じた。次の瞬間、ゲートが黒い霧に包まれたかと思うと、地面を電流が走るように光が駆け抜け、今までいた影が一瞬にして消える。


「ココレット!?」


 ローワンはゲートへと駆け寄るが、ゲートは黒い霧を吐き続け、そしてローワンがゲートに触れるとジュッと熱がローワンの手を焼く。


「いっ・・・」


 痛みが走るが、それどころではない。


 ローワンはどうにかゲートを通ろうとするが、道が消えている。


「ココレット!?」


 その場にロンが現れ、ゲートを無理やりに通ろうとするローワンを止めた。


「ローワン様!?ゲートは壊れているようです!手が・・・あぁ・・手が焼けただれている・・何をしているのですか!?」


「離せ!ココレットが連れて行かれた!ゲートに仕掛けがしてあったんだ!」


 声を荒げるローワンに、ロンは目を丸くし、そして、先ほど入手した情報をローワンへと告げた。


「・・・ドラゴニアで王位争いが勃発・・ダシャ王子が優勢となり王位を手に入れると思われた時、国王がドラゴニアに伝わる禁書を手に、行方をくらませたそうです・・」


「なん・・だと?」


「情報屋によるれば、ドラゴニアの国王ザダールは、禁書を使い黒い霧と影を使役しているとか・・これは・・もしや同じものではありませんか?」


 黒々とした霧を吐き続けるその様子に、ローワンは苛立たしげに拳を強く握ると言った。


「ヴィシアンドルの所へと向かう。ロン、お前も一緒に来い。」


「はっ。仲間にも知らせても?」


「あぁ。ココレットを助けに行くぞ。」


 ローワンはロンと共に神殿へと急ぎ向かうのであった。


体調を崩しまして、更新が遅れていました。楽しみにして下さっていた方、申し訳ないです。

あと少しで全快ですが、もし更新されないときにはダウンしているのだなと思ってください。ww

評価★を押していただけると、ポイントが加算されます。作者にとってはそれが何よりのご褒美です。少しでもいいなと思っていただけたら、押してもらえると、体調も良くなる気がします。よろしくお願いします。

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― 新着の感想 ―
[一言] 体調崩されたとのこと、お大事になさってください。
[良い点] 寒くなったから体調気をつけて(≧∇≦)bチビッ子幼女なら直ぐに治せて貰えますよ(((*≧艸≦)ププッ
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