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006 『人口確保を頑張ります』

■春の一月、二の日 其の五■

 馬場和子です。

 久々のお肉が美味しかったです、晩御飯にもお肉食べたいです。

 お昼ご飯を済ませた4人は各自でやるべき事に移ります。

 あたしと姫さまは人口確保です。

 あたしの住んでいた都市まで戻ってきました。

 近い様で遠く、またしても寝ていた様であっという間に夕暮れです。

 寝る分育ちます!


 しかし、この時間だとビラ撒きは(てき)しませんねー。

 撒きますか?

 撒きませんよねー。ただでさえそんな文化ありませんのに。


 そういえばこのビラはなんであたしでも文字が読めたのでしょうか?

 不思議に思っていたんですよねー。


「スペイン特製の~魔法紙で~す~」これが第一弾です?


 錬金術による特製用紙第一弾で、手にした誰にでも読める様に魔力が施されています。

 読めるというよりも、何が書いてあるのか内容が伝わる作用がなされ理解出来るのですね。実体験済みです。

 第2弾が燃える紙 第3弾が飛ぶ紙だそうです。ソレただの紙飛行機じゃないですか?


 しかし、第一弾の用途には納得です。

 ビラ配っても相手が読めなければ意味がありませんものねー。

 流石は姫さまです。

 抜かりがありません。


 抜かりがないといえば姫さまお願いがあります。

 普通のでいいので紙をください。実は日記なるものを書き始めましてですねー。

 今、例のビラの裏紙を使ってこちょこちょと書いています。

 インクは黒い実を潰して代用。ペンは手軽に羽ペンを使用です。

 せっせと頑張って書いてるのですが、そろそろ書くところが無くなりましてー非常にマズイのです。

 何がマズイのか? それは三日坊主になってしまうからです!


「三日坊主~?」首をかしげる姫さまです。


 ええ、自分で決めた約束を三日も守れないようなら『坊主になってしまえー!』と頭を丸坊主にしないといけない自己責任の精神。すなわちおきてのことです。


 あたしの元居た故郷にはそれはそれは恐ろしい()がいくつもあるのです。「嘘ついたら針千本飲ます」とか「人を呪わば穴二つ」とか。脅迫としか思えない掟なのです。


 冗談のつもりで大袈裟に伝えてみました。


 同情して下さったのでしょう。大量の魔法紙を用意していただき、更には凄く書きやすいペンとインクも頂戴いたしました。何から何まですいません。

 魔法の紙なので濡れても大丈夫そうです。知ってます! 無駄使いっていうんですよねー。勿体無いお化けが出ないように大切に使いますねー。


 それはそうと、これからどうしましょうか?

 日記(メモ書き)にも書きましたが、夕飯もお肉が食べたいです。


「ひとまず宿を取りましょう~」流石です。


 でも、泊まりとなるとあのお肉食べれませんねー。

 ええ、村に残してきたお肉です。残念です。

 え? こっちでも食べて良い?

 ノープロブレム・無問題です姫さま!

 泊まりましょう。

 是非、泊まりましょう。

 泊まりです、決定です。

 確定しました。

 確保しました。

 お肉の存在を! うふふ♪


 次はどうします?

 当てがない?

 いえ、ありますとも。あたしにお任せください!

 この便利屋に。

 いや、今はサポーターでしたね。

 お任せくださいこの便利なサポーターであるカズコに。

 カズコにお任せ!


 一任くださる?

 ありがとうございます。

 片っ端から参りましょう。


 まずは肉屋さんです。

 いえ、もちろんお肉屋さんからです。

 食べたい物がすぐに食べれる様にしなければー!!

 なんだか肉好きのキャラ立ちスゴイですけどー?

 こんなにも食いしん坊だったかな?

 女の子なんですけどあたし。

 前世で食べれなかった分も満たしていく事にしましょう。

 そうしましょう。


 という訳で。

 お肉屋のゲンさんです。

 大工の源さんには知り合いは居ません。

 そういえば小人さんは名前あるんでしょうかね? 今度聞いてみましょう。

 無ければ付けたいです。


「ゲンさんこんにちは」


「よっ嬢ちゃん。ご褒美かい?」


「いえ、今日はちょっと相談にー」


 自分へのご褒美にお肉を買っていたら、いつのまにか皆さんに[ご褒美の子]で周知されていました。

 月に一回買えるか買えないかだったんですけどね。

 お肉の為に頑張っていましたので『お肉のおかげで今がある!』といっても過言ではありません。

 人って意欲が大事だと思います。

 命短し(しょく)せよ乙女です!


 そういえば一年が短いです。

 1年は十か月で一月は30日です。閏年うるうどしはありません。

 なので1年は300日です。春が二月ふたつき、夏は三月みつき、秋が二月ふたつき、冬は三月みつきの合わせて十月とつきです。


 今は春一(はるいち)です。

 今日は春の一月いちつき、二のにのひと言います。


 ゲンさんに始まりの村でお肉屋さんを開けないか聞いてみました。

 お肉屋は無理だけど土地があれば牧場が出来るんじゃないかとアドバイス貰いました。

 なるほどなるほどです。

 勉強になります。

 肉の仕入先を紹介していただく事になりました。


 仕入先は牧場と狩人ギルドだそうです。


 牧場から向かいます日が暮れる前に。

 牧場では食用ではありませんが馬と牛がいました。

 あとは放牧の羊が居るそうです。こちらも基本食用ではないそうです。

 食用は主に豚イノシシだそうです。

 それらは小屋で飼っているので、ここからは見えないのだそうです。

 なるほどなるほどー。

 土地が余ってるので新しい村でも牧場を経営できないかと持ちかけてみます。

 主に姫さまが。

 流石にあたしでは説得力に掛けますしねー。

 見た目は子供ですから。

 中身も子供ですけどね?


 最初は乗り気だった牧場主さんでしたが、場所を聞くとガラリと態度を変えて追い払われました。

 あたしはそれでも食い下がり、お肉を卸してほしいと粘り、そちらは承諾いただけました。

 お肉の為ならば、粘れよ乙女です!


 次は狩人ギルドですが結果的には同じでした。

 ただ、こちらは獲物が少ない事と危険が理由でした。

 なんでも、魔界には獣が生息が難しいらしく。魔獣が多いのだそうです。

 魔獣も食べれるそうですが。魔物が出るので冒険者ギルドでも立ち上がらないと戦力的に肉の確保は無理だそうです。

 残念です。

 食べたかったのに。魔獣肉。丸くて甘くて美味しそうです。


「魔獣肉?」ええ姫さま。食べてみたかったです……。


「食べれるぞ?」ギルド員の声に振り向きます。


 この都市で魔獣肉が食べれるそうです。

 早速行きましょう。

 お礼の言葉も早々に食べに行く事になりました。

 調査ですからね! 試食と言う名の調査。

 食べましょう! 食べる事に調査はある。

 よだれを我慢です。


 獣は狩人の管轄らしく。魔獣は冒険者の管轄らしいです。


 冒険者ギルドの酒場では気軽に魔獣肉が食べられているとの事で早速向かいます。

 こんな美人だけで大丈夫ですかね?

 あたし1人ぐらいの美人度なら大丈夫なんですが。

 ちょっと心配です。

 魔獣肉が旨いのか……。

 ヘアバンドの帯を締めなおして向かうことにします。


 冒険者ギルドは2階が宿を兼ねていて1階が酒場になっていることが多いそうです。

 ここの建物は小さめなので宿はありませんが酒場は完備されています。


 では入ってみましょうー。

 結論から言います。

 案の定で絡まれました。

 ですが、マネーパワーで解決です。

 お金があれば何でも出来る! アリガトー!!

 居合わせた人々の食事を(おご)る事でご機嫌になった様子。あとは目の保養だと言ってました。

 あたしも入ってますかね?

 というか、あたしの保養はテーブルの上でした。

 何故なら全てのお料理を並べたからです。左から右まで全部って言ってみたかったのですよねー。

 座っている方々も居ましたが椅子を全て取っ払って立食形式です。

 色々なお肉を食べてみたかったのでお肉料理を優先に実食です。

 あるだけの食材を使い切って。

 全てのテーブルにお料理が置かれて行きます。

 冒険者の方々も貴族の真似事をして大いに盛り上がりました。


「お酒は自腹ですよ?」


 アリゲーターの(ワニタン)が美味しかったです。

 薄切りで炙った奴よりも厚切りで焼いた方が好みでした。

 あとは火喰い鳥の刺身が絶品でした。

 希少らしくあたし達の分しかありませんでしたが。

 とにかく、魔獣。ありです!

 肉の目処が少しつきましたね。


 ん?


 お肉の確保が目的でしたっけ??

 違った気もします。


 あとはお風呂の確保ですかね?

 どうします?

 姫さまもご所望な様です。


「そういえば姫さま、温泉ってしってますか?」


 知らないそうです。


 肝心のお風呂ですが。

 この都市の大衆浴場は到着したら閉店後でした。

 こちらの世界のお風呂は仕事終わり夕暮れに入るのが普通なのだそうです。

 知りませんでした。

 今まで水浴びで済ませていたので、ここは是非とも入りたかったのですが。

 仕方がありません。

 しぶしぶ諦める事になりました。


 そういえば始まりの街はお風呂は?


 失念していたようです。

 こうしてはいられません!

 姫さま! 事件です!

 違った! お風呂です!

 お風呂は大事です。

 健康の為にも作りましょう。

 可能ならば温泉を引きましょう!

 作りましょう! 作ります。

 コンコンと温泉について語りました。

 姫さまが興味津々で食い付いてきたので、今後は温泉開発も視野に入れるそうです。

 詳しくありませんが掘れば当たるでしょう。

 きっと……。


 確保していたお肉、もとい! お宿に戻りました。


 いえ! お肉の存在を確保するも、お宿を確保し忘れたカズコ一行です。

 1泊で()()()一部屋ひとへやを探しました。


 あとは寝るだけです。

 一緒に寝ますか?

 ベッドが2個もあったことが悔やまれます。

 おのずと別々に寝る事になりました。

 大きめの一部屋を探していた時点で察して頂きたいものですよねー。


 今後はお部屋1つにベッドも1つにして頂きたいです。

 とりあえず合体しましょうー。姫さま!


「お部屋がひとつ♪ ベッドもひとつ♪ 扉を開けたら~布団にふたり♪」


 あたしの方のベッドを姫さまのベッドに合体させます。

 今日は姫さまの顔を見ながら寝る事になりました。


「おやすみなさい姫さま」姫さまの方を向いて声を掛けます。


「おやすみ~」姫さまが仰向けからこちらを向いて返事を下さいました。


 これで()()()向かい合わせです。


 明日も頑張りましょう。

□カズコの後書き□


 人口確保が気が付けばお肉確保に動いていたような気がします。

 主目的と副次的な結果が後先になっていましたね。

 本末転倒? 前後不覚?

 思い出しました! 主客転倒です……たぶん。


 それよりも、お風呂楽しみですね♪

 風呂とカズコと温泉と♪ あれ? 何かが違う。


 紙を準備できました。これで坊主頭から逃れることができそうです。

 これまでの分も清書して、日記帳にまとめる方法を考える事にします。



■注意事項■『別世界日記、仕様上の注意』より抜粋

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 無意識に独り言を喋っていることが多いです。

「意識して喋る事もあります」

(心の中だけで喋っていることもあります)

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