036 『帰路、珍道中日記』
■春の一月、八の日 其の八■
馬場和子です。
始まりの街への帰路中です。
重要な話をし始めたつもりだったのですが
道中の雑談からあまり抜け出せなかった気がします。
大事な話もありますし、まだ先は長いので「お昼にしますか?」
あたしが声がけを行うと自然と準備がされていきます。
「はーい、降りてくださいー!」いつまで抱きついてるんですか? あまりにもベッタリなので羨ましいです、サイカ姐。
「みなさんに話しておきたい事柄がいくつかありますので、食事がてらでいいのでお聞きください」
「今から実体験を元にお話させていただきます。追加情報があれば姫さまよろしくお願いします!」
あたしなりの説明を行いました。
一部の方が該当しますが体を新規の状態に戻すために人生のリセットが必要となります。
人生リセットするに際して必要な処置として職業のスキルなどの経験がゼロになります。
もっともあたしは鑑定を行ったことがありませんのでどれぐらいの経験があったのかは把握していません。
そして、肉体的なリセットですので知識的な情報・記憶に関してはなんら問題がありませんでした。
最初に名前を選んでいただきます。前の名前のままでも良いかと思います。あたしは変えたい名前がありましたので変更いたしました。
次に、改めて好きな職業を選んでいただく事になります。
好きな職業といっても以前の行動により向き不向きがあるようで完全に自由ではありません。
ですが、肉体派であった面々がそのタイミングから後衛職に切り替えることなどが可能です。
サイカ姐は受付嬢から射手にコンバートです。
「射抜きたい物があるそうですよ?」サイカ姐をチラリと見ます。
「おっかねぇな~」うんうん。頷くパーティの面々。おっかないと言うよりはー。仕方ないです。射抜けたらあたしにも秘訣を教えてくださいねー。
男性陣は不思議そうな顔をしていました。
「それで、それがデメリットなのか?」
そうですねー。人生リセットにおいて思いつくデメリットはそんなところでしょうか?
「他にデメリットがあるのか?」
「デメリットにもなりうるメリットがありますので周知して秘匿にして頂きたいです」
そうなの? 何で? って顔の姫さまです。ちょっとこのメリットを広めて人材獲得はしたく無いんですよねー。
「公開せざるをえない時は来るでしょうが、このアドバンテージは知られない方が有利なのです」
「知られない方がいいの?」
「そうですねー。きっと知られない方が役に立つと思います」
「何のことだか分からないが、秘匿しなくちゃいけない情報は明確に伝えてくれ。出来るなら理由もな」
「んー。どうなんでしょうねー。勝手な想像の範疇でもある事を理解もしてくださいね」
あたしはメリットについて説明を始めます。
ここから先話す内容・メリットが秘匿事項です。
一、あたしたちの村は成長します。
二、同じくあたし達全員も成長します。
三、この成長を目で確認出来ます。
四、成長方向を選択できます
五、この四つの事により計画を立てて強くなれます。
うん、余りわかって無いようですねー。それも仕方がないのですが。
「いくつか確認しもいいか?」ええ、あたしも確認したいことがありますので情報交換と行きましょうー。
「成長・成長って強調された気がするのだが、経験が白紙になった事と成長がどうしてメリットにつながるんだ?」
「それを答える前に幾つか確認させてくださいね」
「おお」ライズさんの頷きですね
「ああ」スピリアルさんの頷きです。
「えっとー、話が外れてすみませんが鑑定するのに100G掛かりますよね?」
「冒険者ギルドだろうが教会、寺院行こうが一律で決まっているな。国で定められた金額だと聞いている。それがどうした?」
「何故そのような値段なのでしょうね?」
「それは鑑定できる人間が少ないからだろうー」
「ちょっと難しい話をしますが、あたしの元々いた国ですと需要と供給ってバランスがありまして。値段が一律で決まる事など、ほぼあり得ないのですよねー」
「よくわからんが、それがどうした?」
「修行して冒険してある一定の成果が得られたら皆さんはどうされますか?」
「酒場に行ってみんなで酒盛りかな?」
「冒険の成果で大金を手にして100Gを超す余力が生まれたら?」
「そりゃあ~鑑定に使うだろうよ」
「金額で誘導した感はありますけども。そうなんですよ。鑑定しなきゃなのです。では、なぜ鑑定するのです?」
「そりゃ~自分の実力がどの程度あがったか確認するためだろー?」
「鑑定してわかる情報はどの様な感じです?」
「レベルと能力値とスキル。魔法もそうだな」
「あだからスキルが生えて来てないか確認する為もあるね」スピリアルさん良い追加情報です。それを求めていました。
「スキルが新しく修得されていたとしたら、皆さんはどうしますか?」
「必要で使えるスキルなら鍛えるだろうよー」
「では、それらが鑑定が無料で出来たとしたら?」
「無料なんって無理だー。無謀すぎる。無料なら毎日来て行列ができるぜー」
「まぁそうでしょうとも。鑑定師にみてもらうのならですね」
「飲みこめてこないなー要領得て話せているのか?」
「勿体つけては話している自覚はあります」
「なんでそんなに勿体つけるんだ?」
「更に聞いておきたいことが出来ました。鑑定の精度です」
「精度は嘘偽りない100%信用できるものだ。100Gも奪った挙句に偽情報でも摑まされたら殺しても殺したりないなー」
「んとーそっちの精度では無いですね。特性とかもみれませんか?」
「あーそんなのが生えるやつもいるらしいなー」
「そうだ、昔に鑑定した結果持ってるぜ」一枚の紙が差し出されます。
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■ライズ 盾戦士■
レベル:22 HP:82 SP:37 MP:32
能力値:力52、早さ41、かしこさ25、魔法力26、運25
スキル:剣技3 挑発2 盾防御5 入れ替わり1 盾攻撃3 指揮1
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「!?」おもわずとあるゲームを連想して、突っ込みを入れてしまいそうになりましたがどうにか堪えます。すごく簡易ですねー。
「そうなのか? 全員こんな感じだぜ? そういえば上級鑑定なんってのもあるな追加で100Gとか誰も払わないがな」
「あたし達は自分自身の能力値などステータスが見れますよ?」
「バカじゃないのか? みんな鑑定師になれるって話か?」
「バカじゃありませんババです。いえ、鑑定師は必要ないです」
「サッパリわからねぇ~なぁ」振り返り他の仲間に話を振るライズさんです。
「私は少しわかってきましたよ。サイカさんに少し聞いていたものですから」あぁーサイカ姐に口止めを忘れてました。
「スピリアルにだけだからー」サイカ姐。寝耳物語ですか? もしそうならうらやましいですよ。
「あたし達は自分のステータスが見たい時に確認できます。老略男女。舌が回りませんでした。すいません」
「コホン! 老若男女問わずです。こちらの住人に成ると自然と備わるメリットです」
「おお、確かにすげぇなー。資金振りに困らなくて済みそうだぜー」
「ライズさん違いますよ。本当の利点はもっと根本的な所にあるのです」分からない人がブツブツ言い始めていますが「この一つ目のメリットについては奥が深いと思います」
「一つ目って他にもあるのかよー」
「ええありますけども。まずは一つ目の最大のメリットです。行動しながら自分の状態把握ができます」
「剣を使ってると剣のスキルの伸びが良いとかそんな感じか?」
「まぁそれもありますけど。残り体力がいつでも見えます」
「あたしの体力は今28ですね。それからー。パーティ ステータス オープン」
「?」反応はまちまちですが、みんな一様に驚いて身構えています。
目の前に不透明のパネルメッセージが現れます。
「見えますか?」
「いや、なんか出てくるのか?」
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【ビクトリアパーティ:レベル8 6/6】
ビクトリア[レベル:10 HP:30 SP:20 MP:20 ]
アイス[■■■■]
スペイン[■■■■]
サイカ[レベル:1 HP:21 SP:11 MP:11 ]
ババ[レベル:1 HP:21 SP:11 MP:11 ]
アシュリー[■■■■]
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「あら、見えないんですね。見えたら手っ取り早かったのにー」ここにいない三人は数値の表示がされなくなっていますね。
ん? サイカ姐さんレベル1になってますね。
「へへん。街を出る前にチョットなッ」
「姫さまライズさんをパーティに加えることはできますか?」
「カズコがすればいいよ~?」[パーティ リーダー カズコ][はい]パネルに表示されましたので[はい]を押します。
[ビクトリア・メーシャル・コンビシャスにパーティリーダーが譲渡されました]新たなメッセージが表示されました。
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【カズコパーティ:レベル8 6/7】
ババ[レベル:1 HP:21 SP:11 MP:11 ]
ビクトリア[レベル:10 HP:30 SP:20 MP:20 ]
アイス[■■■■]
スペイン[■■■■]
サイカ[レベル:1 HP:21 SP:11 MP:11 ]
アシュリー[■■■■]
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おや? パーティのところの分母が増えましたね!?
「ライズさんちょっと失礼しますね」ライズさんに触れながらパーティと呟きます
「ん? なんだ?」乙女が触るのですからビビらないでください。
承認とか来ますかね? 自動承認されたのでしょうか? 以下が表示されました。
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【カズコパーティ:レベル17 7/7】
ババ[レベル:1 HP:21 SP:11 MP:11 ]
ビクトリア[レベル:10 HP:30 SP:20 MP:20 ]
アイス[■■■■]
スペイン[■■■■]
サイカ[レベル:1 HP:21 SP:11 MP:11 ]
アシュリー[■■■■]
ライズ[レベル:22 HP:82 SP:37 MP:32]
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さすがにレベル22の方は断トツですね。
「スピリアルさんも失礼しますね」
[パーティメンバーの上限を超えました]なにやらメッセージが表示されましたね。パーティは7人までしか組めないということでしょうか?
ライズさんをパーティから外しスピリアルさんを勧誘します。
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【カズコパーティ:レベル16 7/7】
ババ[レベル:1 HP:21 SP:11 MP:11 ]
ビクトリア[レベル:10 HP:30 SP:20 MP:20 ]
アイス[■■■■]
スペイン[■■■■]
サイカ[レベル:1 HP:21 SP:11 MP:11 ]
アシュリー[■■■■]
スピリアル[レベル:21 HP:82 SP:37 MP:32]
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スピリアルさんもなかなかですね。
「どんどん行きますね」そういうとあたしはドライさん・にも触れていきます。
「なぁ、さっきからなんなんだ?」しびれを切らしたライズさんが声をかけてきます。
「すみません。検証中なのでおまちくださいね」
「姫さまパーティのリーダーを返すにはどうすれば?」
「[パーティ リーダー ビクトリア]で返ってくるとおもうよ~」
「マニュアル必要ありません?」
「マニュアルってなぁ~に?」
「説明書ですね。色々わからないところが多いですねー」
「わかった~帰ったらやってみるね?」
「えっとー書くんですか? 日記書くみたいにはいかないとおもいますけど」
「カズコは日記書いてたのね~」
「ええ、まぁ……交換日記しますか?」
「いいよ~」
「えっマジ!?」うれしいですけど……。
「日記の前にリーダーを交換しましょう 」[パーティ リーダー ビクトリア]
[パーティメンバーの上限を超えています]ん? ダメなのです?
「姫さまダメでした。パーティの上限が足らないのかな?」なるほどーです。一つ判明しましたね。
「なにが判明したの~?」
「知力上げていけばパーティメンバーの上限が増えると思います……多分ですが。それ以外に要素あるかな? 追加要検討ですね」
「それもですが姫さま? なんでパーティは組めるのにライズさんたちは見えないのでしょうか?」
「ん~市民じゃないからかな~?」
「ああ、腕輪ついてないんでしたね。あたしには足輪ですけど……」
「カズコはそこでいいの~?」姫さまが視線を下げてチラ見してきます。
「短パンになったので気に入ってるんですけどね? かっこよくないです?」
「うん。カズコらしい~男らしい」
「あれ? 太ももだしてー色気も出してーのはずなのですけど?」
「色気?」
「ええ、幼憐なる色気です!」
「妖艶?」
「え!? ええ……ようえんなる色気です!」
ともかく市民の腕輪がないと見える物も見えないという事ですかね?
さてさて、また話がそれちゃいましたねーそれらは個人的なお話でして。
始まりの街には他にも摩訶不思議がいっぱいあるんですよ?
この後、始まりの街について色々説明などを行ないました。
□カズコの後書き□
パーティ最大人数がリーダーによって変動することが判明。
他にも込み入った話はあるのですが街に到着したので人生リセットを行ってもらった後に全員でお話をしましょうね。
■目標レベルと現在の数値■
総人口レベル:48
次 回 目 標:62
最 終 目 標:65534
正直に言います!
ここが最大の難関でした……カズコです。




