033 『苗木は大事です、でも成木はもっと大事です』
■春の一月、八の日 其の五■
馬場和子です。
恋も盲目といいますが、禿は毛根ですね。
無事に戻るといいですね。不摂生やストレスが天敵なのだと思いますよ?
二階から降りてきました。
ギルドマスターが「こうしちゃいられない」とかおっしゃっておられましたので、一応、釘だけはさしておきました。
[立つ鳥跡を濁さず]でお願いしますと。
後の祭りだけは勘弁願いたいものですからねー。
「お待たせしました」
おや? ソワソワされてましたね。
「デザート待ちですか? あたしも食べたいです」
「カズコお帰り」ただいまです姫さま万事抜かりなくです。
「お前大丈夫なのかよ?」ええ、無問題です。
「度胸あるよなー」女は度胸と愛嬌です。決して、巨乳ではありません。
それはそうと。
街に戻りましょうか……デザートを食べたら。
「ブレないね~」姫さま程のブレるほどの乳はありません……が、乳の話になるとブレますよ?
「すみませーん。メロンってありますか?」
春なのでさすがにありませんでした。目標となるブツを確認のために食べておきたかったのですけどもね。仕方がありません。
「何かしらフルーツがあればお願いします」
そして、登場したのは真っ赤な果実です! 店員さん、さすがっす!!
「姫さま! いちごですよ苺!」
「そうだね~苺だね~」
姫さま感動が薄すぎます! そうなのですね春です苺の季節です。懸念していました。来年の今時分はいちご狩りをしましょう! 街のみんなで。
「「「苺狩り?」」」
「苺のモンスターが居るのか?」そんな訳ないじゃないですかーライズさん。ちなみにモンスターとは魔物と魔獣の両方を示しています。
みんなで一緒に楽しく苺を摘むで食べるのです。それを通称で苺狩りと呼びます。長年の夢でした。来年までは我慢します! 是非とも実現させたいものです。
「そんなにッ!? 大げさじゃないかおめぇいくつだよぅ」サイカ姐。年は関係ございません。夢は実現してこそ夢なのです。寝てみて忘れるのは幻想です。そんなものは食べれたとしても何の腹の足しにもなりません。
食べて美味しくてお腹が膨れるのが現実の夢で希望で野望です!
「カズコらしいね~食への熱き~欲望?」ええ、欲望丸出しですとも。いいじゃありませんかー、欲望・希望・願望です。
熱き願いは思えば叶うのです。それが夢・ドリームというものです!
ちょっと、あきれられた感も否めませんが絶対ですよー。
甘酸っぱい苺を食べながら来年に思いを馳せました。苺の次はチェリーかな? あれ? サクランボの木ってどれぐらい年月掛かるのでしょう?
「桃栗三年柿八年」なんということでしょうー。椅子から転げ落ち手足を地につけます。今から始めても桃と栗は三年後。柿に至っては八年後……そんなに待てる気がしません。
「なってる木を持ってくればいいんじゃないの~?」姫さま! 天才か! そうしましょう。間に合います。来年までにそうしましょう。気を取り直しすくっと立ち上がります。
そんなこんなで振り回してしまいましたが、メロンの苗もきっちり手に入れましたので帰路につきましょう。
帰りも都市の表側に回り、商人と護衛風で都市を出ます。
今は都市から旅立つ人が多いので並んで待機中です。
「ん? 姫さま! 白猫がいます!」あたしは慌てて近寄ります。
ビクっとなった白猫ですが逃げることはないようです。
お腹減ってないかな?
こっちおいで~。手で誘いをかけると近寄ってきました。
そのまま抱き上げて姫さまの元へ戻ります。
「姫さま白猫ちゃんがいましたー」
「あ~アイスお疲れ様~」
「この子、アイスっていうんですか?」
「違うよ~アイス」ん? 意思の疎通が取れていませんね?
姫さま、この子は猫です。しいて名付けるならクロです!
オスかなー? メスかなー?
そう思って猫の両脇を抱えて持ち上げると、白猫が人の形になりました。
「ホワァ!?」大きさはそのままなのですが、八頭身になり顔手足以外が毛むくじゃらになります。
「オスかメスかわからなくなっちゃいました!」
「カズコ~そこ!?」
「だって人型の猫ちゃんですよ? オスかメスか気になるじゃないですかー」
「それはおたくらの使い魔か?」ライズさんが会話に割り込んできます。
「私たちのじゃないですねー。ねぇ姫さま?」
「この子は街にいるアイスよ~」あれ? 話が噛み合って無かった!
「ほう~魔術師が居るのか期待が持てるな!」そうなのです? といいますか。使い魔って?
「カズコ~この子はアイス自身みたいなものよ~?」どういうことなのでしょう?
使い魔を説明していただきました。
魔法使いは使い魔と呼ばれる、任意の動物を使役することができるのだそうです。
この小さな小人みたいな猫がアイスさんの使い魔で、使い魔は獣人化することで喋られるようになるとの事。
なるほど~。
「で? アイスさんこの状態だと話せるのです?」
姫さまの肩に移動した獣人化猫が声を発します「ん!」
「姫さま、喋ってくれませんけど……」
「ほら~アイスってば人見知りだから~」
「え!? 人見知りで喋ってなかったのです? 声が出なくて言ってるのかと思っていました」
「アイスさんせめて伝える努力していただいてもいいですか? 話せるなら遠慮はしませんよ! お尻ぺんぺんの刑です」人獣化したお尻を覗き込みます。白いツヤツヤの毛でおおわれています。すべすべでやわらかそうです。
「ん」右手を差し出してくる獣人猫。
「あー! 声で表現する練習なので、体の表現なしです!」
「ん」腕を組み考える獣人猫。
「いいです。いいです! そのポーズのままでー」
「ん!」腕を組んだまま頷く獣人猫。
「はーい。うごかなーい!」小さな頭と顎を両手でガッチリ固定します。
「ぬ!」苦し紛れの声が上がります。
「はい、そのままー。了解しました!」
「了」短く発する獣人猫。
「一歩前進かな?」
「笑」
「ワラってなんなんですか! ほんとにー。次回は二文字に挑戦ですよ?」
「可」
「覚悟しといてくださいね!」
「了!」
ひとまず、伝わるようにはなったかな?
「で、アイスさんは何をしてるの?」
「見」え? どういうこと?
「カズコ~見物よ~」何をですか?
「内緒~」姫さまの[秘技:内緒]がでました。ちょっとココは察しておきます。
「やることあるのでしたら、行っていいですよ? 時間は充分に潰れましたのでー」
並んでいた列の位置がかなり前まできています。
猫かー犬もいいのですが。いいなぁー猫。
「姫さま?」
「飼いたいの~?」そうですねぇーペットでなくてもいいので何か動物を飼いたいですねー。
「いいけど~?」何がいいかなー?
「大丈夫なのか? 普通は飼わないだろう動物。見てみろ! この都市も牧場以外で飼ってるもの好きはいねぇ」ライズさんが心配そうに声を荒らげます。
「そうなのです?」
「牧場でも魔獣化の傾向があれば処分するからな」
「そうなんです?」
「でも、魔獣になっても肉は食べれますよね?」
「倒すのが大変だろうが!」
「そうですかー」
「でも可能なら飼いたいですねー」
「飼ってみる~?」
「いっそ、魔獣飼えばいいと思いますけどね?」
「魔獣飼いましょう!」
「(あたしの)お肉のために……」(何が美味しいのかなー?)
「あっ! お肉なんだ~ふふふ」またもや姫さまに笑われました。
□カズコの後書き□
苗より成木とは盲点でした。
来年が楽しみですね。
ええと~苺狩りでしょ。サクランボ狩り。スイカ割り。ブドウ狩り。
楽しそう~♪
■目標レベルと現在の数値■
総人口:19
総人口レベル:48
次 回 目 標:62
最 終 目 標:65534
正直に言います!
↑仲間はずれが居ます……気が付いてほしいです。




