015 『危機脱出』 春の一月、五の日
■春の一月、五の日 其の一■
馬場和子です。
今日で日記を始めて五日目です。
出来事をまとめていきたいと思います。
◇初 日◇神様と出会いました。
◇二日目◇二度目の生まれ変わりで職業:サポーターになりました。
◇三日目◇神様は実は姫さまでした。
◇四日目◇見捨てられた村に向かったらとんでもないものに出くわしました。
さて、本日は五日目です。
冗談のつもりで言ったのですがスペさんとアイさんが人助けに走る事になりました。
間に合う事を祈っています。
朝になりました。
あたしはスープを再加熱するために火を起こしに向かいます。
何人かの子供たちが目を覚まして小さな声で反応を返してくれました。
少し待っててねー。
姫さま達も起きてくると子供たちの食事を介助してくださいました。
あまり喋る事は出来ませんが少し聞き出せた結果、大人たちはどこかに連れて行かれたそうです。
この村に居るのはお年寄りか小さな子供たちだけです。
いわゆる働き手が一切いません。
それに食べる物がない状態とはどういう事なのでしょう?
毒にでも汚染されて食べれなくなったのでしょうか?
他の村も気になります。
この村の事を一時的にサイカ姐にお任せして、姫さまとあたしは他の村の様子も見に行く事になりました。
2つ目の村に着いたあたし達はスペインさんと合流し、この村も飢餓状態であった事を知ります。
具の殆ど入っていないスープが作られていましたので、具材を一部追加してスープに栄養価を高めました
3つ目の村に向かおうと準備をしているとアイスさんがやって来て状況を報告してくださいました。
そちらの村は離れてはいるが、川があるためどうにか川魚を捕まえて凌いでいるそうです。
食材をアイスさんに再度届けて頂く事にします。
これで、そちらもまずはひと安心です。
2つ目の村でも本当に小さな子供とご老人しか残っておらず。
年齢で言うと3~8才、60~80歳といったところでしょうか?
歩いて連れて行くのが大変な年代が残されたといった印象です。
2つ目の村の人々にも食事が行き渡りましたので。
こちらも山場は越えた感じですね。
今後の事を思うと、とても安心とは言えないのですが。
姫さまどうされます?
「出来る限り私達の街に来て頂いて、保護と言う名の人口確保をしたいと思います」
凄くストレートですね。
建前とか言わないんですねー。
「建前で食事は成り立ちませんからね~」
今の現状には厳しいお言葉です。
あたしと姫さまは1つ目の村に戻る事にします。
この2つ目の村の説得はスペインさんにお任せしましょう。
3つ目の村はアイスさんにーーは任せれないので「スペインさん3つ目の村での説得もお願いしてもいいですか?」
食事問題は始まりの街でもありますしね。
受け入れ体制。
主に食料の買い付けなどが問題だと姫さまは考えている様です。
姫さま、姫さまー。
「どうしたの? カズコ」
えっとですね。
仮にですけどー。
こちらの村の人々が始まりの村に来てくれるとしてー。
どうやって来ていただきます?
危険もそもそもありますが、みんな移動できます?
なんだか捨て置かれた感が半端ないです。
あとは無いと思いますがあのデカブツも気になりますし。
「確かに~」と姫さまは唸り何やら考え込み始めました。
馬車の道を作るとかが現実的なのでしょうか?
それでも大変な時間と労力が掛かりそうですね。
いっそ空でも飛べたら良いんですけどね。
姫さまが今度は「空~空~」と唸っていますね。
上を見上げて空を見たり、足元をみたりで忙しそうです。
何とかならないんですかね?
空を飛べなきゃ陸を飛べば良いじゃない! とは行かないですよね?
アレですよアレ!? じゃなかった。
コレはとある姫さまが、街がパン不足に陥った際に「代わりにケーキを食べたら良いじゃないの?」って言ったという。笑い話で……。
「どこがおかしいの?」笑ってる場合じゃなかったですね。すみません。
いっその事、あのデカイゴーレム連れてきて投げたりとかいかがでしょう?
「村人を~?」無しですねー無し!
さてと要するにパッと運びたいんですよねー?
ヘアバンドをくいっとさし上げます。
・村人を安全に運びたい
・空がだめなら陸
・飛べないなら投げる
・投げれないなら走る?
・走れないなら転がす?
・転がれないなら?
・転がします?
・転がるものでー。
ハイ! OKです。6の形にした左手を差し出します。右手でヘアバンドは下ろします。
姫さま? いかがされました?
「何がおかしいのかな~って」
いえ、違いますよ。さっきの話はとある姫さまの話で……というか、架空のお話だったと思います。
ハイ。決して姫さまの事ではありません!
「見つかったの?」
「ええ、バッリチです」
「何を閃いたの~」へっへ~ん顔のあたしです。
「ヤッパリ飛ばないとだめ~?」飛べるなら飛びますよ?
「まさか投げないよね?」届きますか?
「いひひ♪」ちょっと楽しくなってきました。
ここからはあたしのターンですね。あたしの独壇場です!
「もう~カズコったら~」すねた姫さまも可愛いですね。
「それはそうと、全員揃ったら。ちょっと真剣な話を~しましょう」
凛々しい顔も素敵ですがちょっと怖いです。
姫さまにはいつも笑っていて欲しいです。
そのためにあたしは居たいと思っていますよ。
丁度、日は落ちてしまいましたが3つ目の村もひと段落したようで、1つ目の村で4人の合流を果たすことが出来ました。
「サイカ姐、一人で大変だったでしょう?」ようやくお年寄りの方々も目覚め始め体調が戻りつつあるようです。
「村長に話を聞けたぜー」
話??
え!? 話、聞けたんですか? 理由はきけました? 分かったんです?
かなり暗い感じの表情で頷くサイカ姐です。
「村に何が起こったかだけどよー」
「事の始まりが…」
静かに語り始めたサイカ姐でしたが。
お腹の虫が鳴り始めたので、ご飯を先に済ませる事になりました。
誰の虫が鳴り始めたのかは察して頂きたいです。
その女、食べ盛りにつき。
□カズコの後書き□
一夜明けて、山場は乗り越らえれた様です。
3つの村々が同様の被害を受けていました。
村長から話も聞き取りできたようで一安心ですかね?
正直に言います!
3つの村をめぐりわけわかめになりそうなあたしが居ました……カズコです。




