放課後の教室1
「だ…じょ……か…」
あれ、誰の声だろう?私はまだボーとする頭で考える。ていうか、ここどこ?それより、私何をして…
「だい…ぶか。寝てるのか?」
だんだんとはっきりと聞こえるようになってきた。けれど、誰だかは分からない。そうか!私りゅうと遊園地に行ってそれで…
「目が覚めた?美香」
今度ははっきりと聞こえた。明るく元気な声、まるで陽だまりのようなこの声は…。
私はゆっくり目をあけた。するとそこには、
「りゅう?」
私はまだ霞む目をこすりながらその名を呼んだ。
「おぉ。やっと目覚めたか」
りゅうはそんなことをいいながら肩を落とした。あれ?りゅうってこんなにおおきかったっけ?
「‥‥ここは?」
私はまだ朦朧とする意識の中で周りを見渡した。
「おまえなぁー、ここは学校!美香ずっとこんな状態だったんだぞ。また遊園地の時みたいに倒れたのかと‥‥。ほら、帰るぞ。」
あ、そっかさっき見てたのは夢だったんだと自覚する。りゅうはそう言うとカバンとってくると言って自分の席へと戻っていった。
私はそんなりゅうの後ろ姿を目でおっていた。
「行かないで‥‥」
その声は虚しくも、りゅうの元へは届かなかった。