1年1学期期末テスト
「どうですか一位取れそうですか?」
比呂斗が朝登校すると源が声を掛けてきた。
「さぁ、テスト次第って感じかな」
彼は余裕な表情で答えた。それに笹草が突っかかってきた。
「私はどんなテストでも行けるわよ~」
徹夜で勉強したのか自信しかないその顔に少し隈ができていた。眠いのか勝利宣言を告げた後に自分の席に戻って寝ていた。
「それで睦月さんはどうですか?」
と十六夜は丁度お花を摘みにいこうとしたところを源に声を掛けられた。
「私?私は風邪で体調崩したし自信ないかな~」
謙虚に答えているが3位以上は確実だろうな~と隣にいた比呂斗は思っていた。
その後智が教室へきて「やばい」とがくがくしながらいってすぐに自分の教室へ帰っていった。
「かわいそうに」
彼のその言葉は自分に言ったのか智にいったのか、比呂斗はわからなかった。
そして朝礼が終わりとうとうテストの時間になった。テストは3日ほどあり、
1日に国数英、2日に理社、3日に家庭科と保健、選択科目だった。そしてテストが終わり次第下校だった。
「ほい」
前からテストの答案用紙と問題用紙が配られる。
「ふぅ、今回は白紙なしか」
少し安心して比呂斗は開始の合図と同時に解き始めた。
そしてテストは国語→数学→英語と進んでいき、白紙は一枚もなく終わっていった。
「終わった~」
最後の英語が回収され、比呂斗はぐったりと机に伏せた。皆疲れているようで背伸びする人やあくびをする人もたくさんいた。
「どうだった?」
源が比呂斗のところに近づいてくる。
「一応できたけど満点ではないよ」
普通はめったにないことだが比呂斗が答えると逆に残念に聞こえてくる。
「なら負けるんじゃないか」
源は笹草との勝負のことをいっていたがテスト中比呂斗は全く覚えていなく「だったね」と思い出したように答える。
「私はおそらく満点よ」
横から笹草がドヤ顔で彼をみている。これで負けたらおそらく2、3日学校にこられなさそうだけれど余程自信があるのだろう。
「なら負けたらジュース一本な」
「いいわよ」
ノリでいったもののすぐに賭けをのんだ。
「これなら勝たなくては」
そう思い今日はいつも以上に勉強をした。
2日目
自習→理科→社会の順で行われた。今回は理科は比呂斗の得意科目、社会は笹草の得意科目でさほど差はつかないだろうと二人は思っていた。それゆえ各科目終了時にはどちらも
「「間違えを発見できなかった」」
というほどの発言が出るくらいだった。
3日目
家庭科→保健→選択科目の順で行われた。家庭科は衣服の問題や包丁での斬り方の問題などだったが両者とも家で料理するので差はなく。保健はもちろん男子の得意教科、笹草は若干解けなかったものの大きな差はつかなかった。だが
選択科目は比呂斗は技術、笹草は書道。技術はとある表計算ソフトや文章ソフトの初歩的なことだったので比呂斗にとっては間違えようがない問題ばかりだった。書道は漢字の部首など止め跳ね払いの問題で国語チックだった。国語のテストよりは簡単なものの百点の比呂斗よりは差を開かせないためにもできるだけ点数は取っておきたい。
「危なかったわ」
書道のテストが終わり少し安心していた。
「「やっと終わった~」」
短いようで長かったテストが終わり二人は背伸びをする。
「結果は貼り出されるときに」
条件でテストが返されてもみせないということになった。
そして結果発表の日がきた。比呂斗はいち早く学校に行くと笹草も同じようで玄関で出会った。
「みるわよ」
そういって二人は玄関に貼り出されている順位表をみる。
すると・・・
「「え!?」」
2位 笹草 春風 778点
1位 睦月 786点
となっていた。
「一緒の順位か」
「一位がぁ」
それぞれ違う反応を示していた。
「いざっちってあなたより頭いいの?」
相当ショックだったのだろう十六夜のことを聞くときの声が低かった。
「十六夜は特化してすごい教科はないけど嫌いな教科がないからね。高く平均的な感じかな」
それを聞いて笹草はガクッと膝を落とす。
「真の敵はいざっちだったか」
そして後ろから何食わぬ顔で十六夜が登校してきた。
「どうしたの?」
点数はこんな感じだった。
・比呂斗
国 95点、 数 100点、 英 85点
理 100点、 社 99点、 家100点
保 99点、 選 100点、 計778点
・笹草
国 98点 、 数 97点、 英 98点
理 92点 、 社 100点、 家 99点
保 97点 、 選 97点、 計778点
・十六夜
国 100点 、 数 98点、 英 100点
理 96点 、 社 98点、 家 99点
保 97点 、 選 98点、 計 786点
「上限がなかったら負けるよ~」
笹草に順位のことを聞かれた十六夜だったが謙虚さを出そうとこの言葉を言ってしまったことで返って笹草のテンションを下げることになった。
上限がなくなったとしても笹草が十六夜に勝つのが難しいからだ。それに返って三人の中じゃ一番低くなってしまう可能性も高い。
「ごめん、いまのなし。次勝負しよ」
「次、次ね」
彼女は次のテストに闘志を燃やし、予習し始めていた。
笹草はいつも以上に勉強したとしてもあまり変わらなそうだと比呂斗は思っていた。なぜなら、笹草の答案用紙をみるとほとんど凡ミスだったからだ。単純なスペルミス、消し忘れ、誤って違う答えまで消してしまうなどのことだった。それが減ればおそらく一位だったのだろう。
「次は負けるかもな~」
比呂斗は少し次回のテストの心配をすると十六夜が驚くことを言い出した。
「今回比呂斗負けてるわよ?」
それを聞いた比呂斗は?マークが浮かぶ、十六夜が耳元で一言言った。
「体育彼女は5よ」
それを聞いた比呂斗は理解したようでガクッっと膝を落とす。比呂斗は英語より体育ができず、今回はスポーツテストの成績などで5段階評価の2をもらう成果だった。
「このことは他言無用で」
笹草に聞こえないぐらいで彼女にいうとクススと不敵な笑みを浮かべる。
「わかったわ」
そういって彼女は自分の席に戻った。
「ああ~補修だ~」
部室に行くと補修、補修喚いている智の姿があった。言葉どうり今回も補修で理科、英語のさらに数学が追加された。
「やっときた、春風。橘に教えてやって」
比呂斗がくるまでずっと教えてたのか瑠衣は目頭を押さえている。
「しょうがない、教えてやるから。で、どこがわからないんだ?」
それをいった途端瑠衣がため息を吐く。
「全然わからない」
智がこのことをいうことがわかっていたようだ。
「じゃ、帰るわ」
比呂斗が呆れて帰ろうとする。智はすぐに比呂斗にしがみつく。
「帰るな~、教えてくれ~」
泣きながら訴える智が可哀そうに思い比呂斗は教えてあげることにした。
「はぁ~」
この後部活中ずっと教えることになり、後日何とか補修をクリアできたものの比呂斗は部活後、頭痛に見舞われた。




