真夜中の学校 智視点・瑠衣視点
真夜中の学校 智、瑠衣視点です。電話を切った後の2人の行動に迫ります!
〜智視点〜
______カチッ
橘 智は新聞部たちとの通話が終わるとスマートフォンの電源を切った。
「さて、どうしたらいいものやら。道無き道を行くか」
智は窓やドアを指でコンコンとノックするが明らかに透けるとかそういうことはならなかった。
「確か、睦月ちゃんが壊せないって言ってたな」
そのあと、思いっきり窓を殴った。だが、窓にはひび一つはいらなかった。
「いってぇ、やっぱりダメか」
智は諦めかけていた。
「もう、いっそ限界まで登ってやるぜ!」
といって、智は階段を駆け上がった。
〜瑠衣視点〜
______カチッ
神上 瑠衣も智同様にスマートフォンの電源を消した。
「意外と私と橘は階が違ったりして」
その後は、窓を殴ること以外は智と同じように現状を確かめた。
「このままだとずっと出れないかも」
と不安になりつつスマートフォンを取り出した。そして個人で十六夜に電話をかけた。
すると、十六夜は出てくれた。
「もしもし」
『もしもし瑠衣ちゃんどうしたの?』
「いや、不安になって」
『それなら大丈夫だよ。比呂斗が道無き道を行けば出られるって』
「本当に信用できるの?アニメで見た情報だっていうし、あれが本当に春風だってことも危ういし」
『あれは間違いなく比呂斗だよ。それに比呂斗が偽物だったら私も偽物かもよ』
そのあとに「ふふふっ」と冗談のように十六夜が笑った。
「もっと不安になるよ〜」
『とにかく、道無き道だよ。もしくはいつもそこにはなかったものだよ。そろそろ切るね』
「うん、ありがと」
そして電話を切った。
そのあと瑠衣は十六夜の言葉を頼りに『いつもそこにはなかったもの』を探した。すると1つだけあった。
「あんな場所に鏡なんてあったかしら」
階段のそばに縦2メートルほどある鏡があった。
近づいて触ると感触が鏡じゃなかった。
「これが出口」
そして瑠衣は鏡向かって歩いた。
〜智視点〜
智はそのあと何度も階段を上がったが、全然出られなかった。
「はぁ、つかれた〜」
と疲れて腕をかけようとしたが、そこには瑠衣が見破った鏡があった。それに気付かず智は思いっきり鏡に入ってしまった。
「うわぁぁぁぁぁ」
〜智&瑠衣〜
「やっと出られた」
瑠衣は鏡に入ったあとまた一階にいた。だが、そこの空気や、違和感などはなかった。
鏡を見ていると鏡の奥からなにか転がってきた。
「いてぇ」
鏡から転がってきたのは智だった。そしてそのまま瑠衣にぶつかった。
「あれ、橘じゃない」
「その声は、瑠衣ちゃんじゃないか」
下の名前を呼ばれて瑠衣は少し顔を赤くした。
指摘しようとしたが智は瑠衣の肩を掴み阻まれた。
「よがったーでれだぁ〜」
智は瑠衣の肩にうずくまり、泣いた。
「もー、男が泣いちゃダメでしょ」
と微笑みながらも、瑠衣も少し泣きそうになっていた。そして智が泣き止むまで待った。
次回は十六夜視点です。十六夜視点は比呂斗と別れる少し前からです。
今回は瑠衣に比呂斗と智をどう呼ばせるかに迷いました。悩んだ結果、上の名前の呼び捨て、とういうことになりました。