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取材という名の探偵ごっこ  作者: チョコパン
高校1年生 5月
10/50

真夜中の学校 比呂斗と幽霊

学校に閉じ込められた新聞部!

そして目覚めた時、比呂斗はあるものをみる!

気がつくと比呂斗は職員室で寝ていた。


「あ、おきた」

目を開けると比呂斗が気絶する前に見た少女がいた。

もちろん足はない。


「うわぁぁぁ」

と比呂斗は座りながらいそいで後ろに下がった。


「怖がらないで、友達助けたいんでしょ?」

その言葉に比呂斗は冷静になったが、するとあることに気付いた。


(なんで知ってるなら俺たちが入ってきてから教えなかったんだ?それに十六夜をハメたのもおそらくこの少女)

などと思っていたが、目の前に比呂斗の苦手な幽霊がいるとなると恐怖でこれ以上は考えれなかった。


「友達はおそらく悪霊に囚われている。いまはまだ別空間に閉じ込めたままだと思うけど時間が経てばマズイ」


とはいうものの幽霊を目の前にしても半信半疑(はんしんはんぎ)だった。夢だと思いよくある頰を(つね)ることをしたが、痛かった。


「どうやったら助かる!」


「助けるには悪霊を倒さないといけない。その悪霊は屋上にいる。そして倒すには、校長室にある札のある槍を使うの」


なんで校長室に槍があるのか不思議だが、いまはそんなことを考えてる時間はなかった。比呂斗はあの幽霊のことがずっと気掛かりだった。

槍を取りに行こうと職員室を出たらその職員室のある2階廊下の明かりが一瞬にして消えた。


「うわっ!」

突然のことに驚いた比呂斗は尻餅をついてしまった。


「大丈夫ですか?」

少女が優しく声を掛けた。

「わたしもついていきます」


「それなら助かる」


その後、慎重に警戒しながらも比呂斗とその幽霊は校長室にたどり着いた。

開けると、その槍は校長の机の上に置いてあった。


「これが槍か」


槍の長さは約1.5m、槍の真ん中に変な字で書かれている札が貼られてある。


「この槍は触れるだけで悪霊が弱くなり、刺すとほとんどの霊も除霊することができるの」

励ますようで笑顔で比呂斗に言った。


「それは心強いな」


その時、比呂斗のポケットになるスマートフォンがなった。

それは、よくあるグループトークアプリの通話機能の通知だった。そのアプリは4人まで同時通話可能で、部活の時に比呂斗たちはそれぞれ登録してたのだ。


「繋がるのか!」

といい、すぐに電話に出た。


「もしもし!大丈夫か!」


『俺は大丈夫だ』


『私もなんとか』


『私は大丈夫』


「まさか、電話が繋がるとは、誰か外に出られないのか?」


『俺はずっと1階にいるんだが、上がっても上がっても1階なんだよ』


『なんで?私も1階にいるの橘には会わなかったわよ?』


『え?いま1階のどこらへん?』


『靴箱だけど』


『え、俺も靴箱だけど』


どうやら2人は一緒のところにいるのに会えることができないらしい。


「十六夜はどうだ?」


『私は比呂斗と別れた2階にずっといる、教室には入れないし、上に行っても下に行っても2階だし、窓を開けようとしても開かないし、破壊するのも不可能だと思う』


いろいろいい情報を得られることができた。


「俺だけはなぜか普通だ。いま校長室にいる。そこで、除霊できそうな槍を見つけた」


『おお…そ、れはす、ごい!』


突然ノイズが聞こえてきた。


『はやく…じ…ょれいして』


だんだんノイズが酷くなってきた。

途切れる前になにか伝えないとと思った比呂斗は少し大声で、


「こういう時は、アニメとかでみたから信じなくてもいいけど、道無き道をいけばそこが抜け道かもし」

そこでノイズが大きくなった。だがそこで微かに日本語が聞こえてきた。


「ね…ぇちゃん…を…と…め…て」

ギリギリ聞き取れたがそこで切れてしまった。


「大事なことは伝えることはできた?」


「一応な」


校長室にくるまでには幽霊に少し慣れてきて、少し仲良くなった。


「聞いてなかったけど名前はなんていうの?」


「俺は比呂斗だけど」

「わたしは(しずく)


「よろしく」


と比呂斗は言ったが、仲良くなったおかげで前より集中して考えることができた。そこである仮説にたどり着いた。


(雫、お前はあることに気付いていない。それはわかりやすくするためなのか、うっかり言ってしまったのかはわからない。ただし、前に立てた予想と、あのセリフ、それと(うなが)し方の早さそれと、あのノイズの言葉と音量。それをふまえると本当の悪霊はお前しかいない)


「わたし、安全確認してくるね」

と言って、雫は先に外にでてキョロキョロ見渡した。


「安全みたい」


比呂斗は深呼吸して校長室の外に向かった。

「よし、いくか」


比呂斗はスマホを閉じ、あの可能性に賭けて、ある仕掛けを施した。もちろん、


気づかれないように。



次回は、『真夜中の学校』の『智視点』と、『瑠衣視点』になります。その次は『十六夜視点』です。

時系列的には電話が切れた以降で、『十六夜視点』では、比呂斗と別れる少し前から書きたいと思います。

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