ユメ雪【二篇詩】
掲載日:2026/02/11
【雪の願い】
紅梅 夕焼け咲いたのよ
桃色吐息は仄かに香るの
一生懸命に走るあの子の頬みたいに
雪の願いが咲いたのよ
白梅 つんと甘酸っぱく
香が羽根を広げるの
空を舞うよに香るから
あのひとがきっと寄ってきて頬を近づけてくれる
そう想って咲いているのよ きっと
ゆっくりと揺れながら
雪が風に願ったみたいに
【ブルーアワー】
小さな雨粒がもの言いたげに点々と弾けて光り出す
瞼の上を音符が滲むように浮かんでくる面影は微かに春色
枯れ葉は雨水にゆらぎ足音も静か
まだ野に立つ紫陽花のドライフラワーの花弁は
雨を吸って
日暮れ後の薄明に青白く咲いていた
雪解けの水色に染まったガーゼのハンカチ
その贈り物は瞼を包み
わたしは浜辺の小石のように波に揺られながら
あの荒波に磨かれた白月が
夜空に優しく微笑むユメをみていた




