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君逝く朝に  作者: 杉山薫
第2部 修学旅行 第1章 小林さくら編
18/45

2日目 その1

なんだろう。

昨日の夜はあんなに憂鬱な気持ちだったのに朝起きたら清々しい気分が私を包んでいた。


でも、辰之助って橋本龍之介君と関係あるのかな?

そうだ。

今日が勝負の日だ。

今日、私は橋本龍之介君とキスすることになっている。

私は食堂で朝食を取った後、念入りに歯を磨いた。


「そんなに磨いているとメイク落ちるよ」


そう言って笑う委員長を無視して⋯。


うちの班の自由行動はかなり余裕があるスケジュールになっている。


まずは嵐山の渡月橋。外国人観光客でごった返している。渡月橋を班のみんなで見学した後、近くのお土産屋さんにみんなで入った。


お店に入るなり橋本龍之介君は私の右手を取り半ば強引に店の外に出て私の耳元でに囁いた。


「2人で野宮神社に行こう」


うぎゃああああ!

今日の橋本龍之介君は積極的。

やっぱり昨日のキスが影響してる?


橋本龍之介君の言葉に私は頷いて橋本龍之介君の後についていった。


やってやる!

ん、なんだろう。

今日の私、手汗がすごい。


「ごめん、橋本君。私、手汗がすごいから一旦手を離して」


私はそう言うと手をハンカチで拭き始めた。


ん?

コレって、手を繋ぐより⋯⋯。


橋本龍之介君が手をハンカチで拭いて、ふたたび手を繋ごうとする。


よし、そこ!


私は橋本龍之介君の左腕に夢中で抱きついた。私たちは野宮神社に向かって歩いていく。


晩秋の嵯峨野って風情がある。

こんなところを橋本龍之介君と腕組んで歩くなんて夢みたい⋯⋯。


やがて、野宮神社に到着した。橋本龍之介君と一緒に神社でお願い事をした。

橋本龍之介君は千円札を賽銭箱に入れる。


えっ?

こういう時って5円じゃないの。


私は5円玉を賽銭箱に入れた。


橋本龍之介君との交際がお試し期間の後も続きますように⋯⋯。


その後、橋本龍之介君とオソロの縁結びのお守りを買った。


このお守り、どこにつけようかな。

あ、おみくじだ。

当然やるでしょ。


私はおみくじの方へと歩いていく。橋本龍之介君もついてくる。


おみくじも2人でやった。


小吉⋯⋯。

微妙。


少し俯いていると橋本龍之介君は私の手を取って境内の裏へと歩いていった。

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