♯05 衝撃的な出会い!?中編
今回は前回の続きから始まります。
中編です。
人身事故を起こした犯人は誰なのでしょうか。
それでは本編へどーぞー♯↑
俺は今朝、登校中に車に跳ねられて意識を失っていた。
俺を轢いていった運転手は救急車を呼ばず、俺の通う高校の保健室に預けたらしい。
所々に擦り傷はあるが、それ以外の外傷らしいものは見当たらない。
精密検査の結果を見ても異常な箇所はなかった。
一部を除けば。
美也虎:「いや~、本当に申し訳ない。直ぐに病院に連れて行きたかったけど、学校でどうしても外せれない用事があったから保健室に預けたって訳よ」
悠:「人の命が掛かってるのに、良くそんな軽く言えますね」
美也虎:「一応、救命処置はしたから、大丈夫だと思ってね。我流だけど」
悠:「まぁ、精密検査も結果的に白だったので良かったですよ」
美也虎:「でしょ。直ぐに救急車を呼ばなかったのは申し訳ないと思ってるし、昼食も私の奢りだったんだからこれでチャラでしょう。あと、このことは誰にも言わないようにな」
今日の昼飯は後で病院に連れていく利子だけじゃなくて、口止めも兼ねているのかよ。
俺が危篤状態だったら、この人どうなってたんだろう。
解雇どころか、社会復帰すら怪しいんじゃないか。
美也虎:「誰にも言うなよ…」
悠:「…わかりました…」
美也虎:「聞き分けの良い生徒で先生は嬉しいよ」
こんな教師が俺の通う高校に居ることが、俺は悲しいよ。
美也虎:「ところで、さっきの精密検査の結果だけど。肺に問題があったみたいだけど、本当に大丈夫なのかい?」
この人、一応心配してるんだな。
まぁ、車で生身の人間を跳ねて、精密検査で引っ掛かった箇所もあったし、心配するか。
仮にも轢き逃げをした犯人だし。
悠:「持病みたいなものなんで大丈夫ですよ」
美也虎:「持病?日常生活とかには支障はないの?」
悠:「長時間の運動をすると、最悪は呼吸困難になることがありますが、それさえなければ日常生活に支障はないので、問題ないですよ」
美也虎:「長時間の運動か。ということは、体育の授業は見学だったの?」
悠:「ずっと見学でしたね。スポーツ大会には動きが激しくない競技には出てましたが」
美也虎:「そうか、運動してはいけない訳ではないのか」
悠:「でなければ、交差点を走ったりしませんよ」
美也虎:「うぅ、申し訳ない」
悠:「もう良いですよ。無事だったんだし、検査も受けて問題なかったんですから。」
そう言ったが、次に何かしらの事が起きたら、俺は即刻訴えるんだろうな。
悠:「そういえば、何も連絡してないので無断遅刻になってますよね。大丈夫なんでしょうか」
美也虎:「学校方には私が何とか理由付けておいたから、無断遅刻にはなってないから安心して」
悠:「えっ?まさか、人身事故で遅れるとかになってるんですか?」
美也虎:「何で自ら首を絞めるようなことはしなきゃいけないの。体調不良でってことにしてあるから大丈夫」
悠:「そうですか。なら良かった」
美也虎:「ここでばらしたら、何のために人身事故を隠したのか訳がわからないって」
悠:「ですよね~」
美也虎:「人身事故で遅刻なんてことにしたら、私がせっかく頑張ってやったいろんな事が無駄になるじゃないか。念を押すけど誰にも言うなよ」
悠:「わかりましたよ」
美也虎:「もしばれたら、私が担当している教科の単位はないと思って」
悠:「全力で話しません!」
美也虎:「宜しい!さて、学校に着いたし、君は職員室に行って遅刻して登校した報告して行きな」
悠:「はい。あれ?先生は職員室に行かないんですか?」
美也虎:「私は校長に呼ばれてるから後で行くよ」
悠:「えっ?もう、ばれてました?」
美也虎:「ばれとらん!私が校長に呼ばれているのはまた別件だ」
別件って、もしかして。
悠:「先生、あなたは一体いくつ人身事故を起こしてるんですか?」
美也虎:「事故起こしたのはお前が初めてだよ!悪かったな!」
悠:「じゃあ、何で校長に呼ばれてるんです?」
美也虎:「それは、大人の事情って奴だよ。」
このとき、俺の目に映った水谷先生はとても真剣な目をしたが、手で頭を抱え、まるで何かに追い詰められているような表情だった。
もしかして、人身事故以外で既に何かが起こっているのだろうか。
この人、どんだけことを抱えてんだろ。
これ以上問うと火に油を注ぐことになりそうだからやめておこう。
悠:「じゃあ、俺はこれで」
美也虎:「うむ」
・・・・・・・・
学校に到着した俺は職員室へ向かった。
職員室の遅刻、欠席、早退者の名前が書かれた黒板を見る。
遅刻者の欄に自分の名前が書かれているのを確認した。
担任の獅子奈留度先生のデスクへ向かう。
水谷先生は理由はつけておいたから無断にはならないと言っていたが…
悠:「(遅刻理由が生理痛ってどういうことだよ!)」
獅子奈留度:「いや~先生も驚きましたヨ。まさか、飛鳥さんは飛鳥ちゃんだったとはネ」
悠:「いえ、女なのは涼の方です。双子の妹ですが」
獅子奈留度:「えっ?男なんですカ?なら、生理痛というのは一体何なんですカ?」
『一体何なんですカ?』と言われても俺にもわからないですよ!
男の生理痛なんて聞いたことない。
いっそのこと、本当のことを話したいが、人身事故の事を話すわけにはいかない。
なんとかしてこの場をのりきらなければ。
悠:「え~っとですね。持病があれでして」
獅子奈留度:「じびょー?あ~、ハイハイ」
獅子奈留度先生は何かを思い出したかのように、何かのファイルを取り出した。
ファイル開けて、あるページのところに書かれている文字を指差しながら何かを呟いていた。
悠:「あの、どうかされました?」
獅子奈留度先生:「そうだった。君は持病があったんだった。すまないネ。ハハハ、私もまだまだ未熟ですネ」
これは、うまいことごまかせそうだ。
もう一押しだな。
悠:「そうなんですよ。普段は問題ないのですが、なぜか今日は調子が宜しくなくて、遅刻してしまいました。」
獅子奈留度:「そうだったのカ。了解、遅刻の受理はしておきますから、教室に行っても良いですヨ」
悠:「わかりました」
獅子奈留度:「これからは生理痛=持病って覚えておくヨ」
悠:「それは覚えなくて良いです」
獅子奈留度:「そうかい?ええのかい?エーゲ海?ハハハッ!」
えっ?今の何が面白かったの?
獅子奈留度:「まぁ、いいや。身体に気を付けてネ」
悠:「ありがとうございます。では、失礼します。」
職員室を後にしようとしたが、黒板に書かれていた事が気になった。
それは、俺が生理痛で遅刻と書かれた他に書かれていた人の事だ。
無断の欄に書かれている『近藤』という名前に気になった。
クラスは違うが、入学式以来学校に来ていないと言うことで噂は聞いている。
とはいえ、入学して1週間も経ってないから、何かしらの事情があるのだろう。
そのうち来るようになってるって事もあるし大丈夫だろ。
・・・・・・・・
悠:「さて、教室に行くか」
職員室を後にし教室に向かおうとすると、職員室に向かってくる一人の男子生徒が居た。
少し遠目だか、俺よりも背は高く、制服は着崩し、目付きがとても鋭い。
俺と入れ違いで職員室に入ろうとしたとき、1匹の蜂が彼向かって飛んでいった。
悠:「危ない!」
ふいに出た言葉だった。
振り返り男子生徒にそう言って蜂を払おうと男子生徒に近づいた。
が次の瞬間。
「バキ!」
鈍い音と共に俺の視線は天井に向き、宙に浮いていた。
悠:「(えっ?殴られた?蜂を追い払おうとしただけなのになぜ?)」
宙に浮いていた身体が床に落ち、俺の意識はここで途絶えた…
本日で2○回目の誕生日を迎えました。
どうも、Giyaです。
今回は作者の私でさえも、キャラの方向性がわからなくなってきて困っています。
申し訳ないです。
さて、今回登場したキャラクターと、前回紹介できなかったキャラクターを紹介させていただきます。
(水谷先生は顧問編で紹介してますがww)
[水谷 美也虎]
年齢:22歳
身長:160cm
趣味:化学、音楽
その他
白銀高校1年化学教員。
今年新規採用で白銀高校に勤めることになった。
[獅子奈留度渡]
年齢:35歳
身長:175cm
趣味:日本の文化、駄洒落
その他
読み方は『れおなるど わたる』
日本の文化を愛する(特にサブカルチャー)日本人らしいが…
語尾が片言なのは癖らしいが…
それ以外は未だ謎。