♯04 衝撃的な出会い!?前編
みなさんお久しぶりです。
そして、大変お待たせしました。
3年半振りに続きの投稿です。
今回は前、中、後編の内の前編です。
悠:「やばい、遅刻だ〜!」
今日は珍しく寝坊をしてしまった。
弁当を作ってる時間はないから昼食は購買で買うしかないな。それよりも涼を起こさないと。
悠:「涼、すまん、寝坊した。すぐに学校へ行く準備をしてくれ。」
そう言ったが、部屋からは物音ひとつ聞こえない。
悠:「涼?居ないのか?入るぞ。」
恐る恐る扉を開けたら部屋には誰も居ない。
一階に降りて探してみるがどこにも居ない。リビングのホワイトボードに見慣れない事が書いてあった。
「悠を待っていたら遅刻しそうだから先に学校に行くよ。
昼はコンビニで適当に買って食べるから後でお昼代頂戴ね。」
悠:「なんだ、先に行ってるのか。って、起きてたなら起こしてくれよ。しかも、ちゃっかり昼代を請求するんかい。」
俺以外に誰も居ない家でツッコミを入れている場合じゃなくて、早く支度をしないと。
・・・・・・・・・
あと10分。何とか間に合いそうだな。
この信号を渡って走れば5分で着くだろう。
よし、青に変わった。急がないと
キキィーーーー。
?何の音だろう?
車のタイヤがこすれるような音だけど。
まぁ、俺には関係な
ドーーーーン
・・・・・・・・
ここは・・・
どこだ。
・・・見知らぬ、天井(笑)。
ってそうじゃなくて、どこなんだ。
確か俺は車に跳ねられたようなそうでないような。
体を起こして周りを見渡す。
右、左、正面、カーテンで外がわからない。
俺、跳ねられたんだな。
ということは、カーテンで仕切られているのを見るか限りここは病室なんだろうな。
悠:「って、跳ねられた〜!?」
???:「うわ!何?」
カーテンの向こう側から声が聞こえた。
車に跳ねられて驚きのあまり大声で叫んでしまったせいか、それを聞いていたカーテンの向こう側の人を驚かせてしまったようだ。
声からして女性かな。
悠:「いえ、何でもないです。ごめんなさい、大声出して。」
???:「他に患者が居ないから別に良いけど。」
シャー
???:「目が覚めたようね。大声で叫んでいたところを見る限り元気そうでよかったわ。」
カーテンを開けてそう言ったのは白衣を着た女性だった。
悠:「先生ですよね?」
???:「そうよ。この学校の養護教諭だけど、どうかしたの?」
悠:「いえ、何でもないです。」
そうだよな。
この町の病院に女医なんか見たこと無いしな。
悠:「って、ここ学校ですか?」
養護教諭:「君、さっきから大丈夫?ここは白銀高校の敷地内の保健室よ。寝起きで思考回路が衰えてるのかな?」
さっきの事故は夢?
外傷らしいものも見当たらない。
養護教諭:「落ち着いて、ここは保健室だから騒がしくしないの。」
悠:「あぁ、ごめんなさい、目が覚めたら見知らぬところに居たので頭がついていけてないです。」
養護教諭:「車に跳ねられて意識が無くなっていたから無理もないか。ひとまず、『保健室利用書』に必要事項を書いて。質問はその後で。」
悠:「はい、わかりました。」
・・・・
悠:「書きましたよ。」
養護教諭:「一応、内容を見ておくわ。頂戴。」
利用書を先生に渡した。
ある意味何を書いたら良いのかわからないことだらけだったから、ちゃんと書いてあるのはクラスと名前と怪我又は体調不良のところだけだった。
養護教諭:「1年B組の飛鳥悠ちゃんか。可愛い名前だね。」
悠:「男なので、『さん』でお願いします。」
養護教諭:「えっ、男?」
なぜそこまで驚くのだろうか。
どう見ても男子用の制服を着ているのに。
養護教諭:「悠ちゃんは、その〜、性同一性障害なの?それとも、事故で頭がおかしくなっちゃった?」
頭がおかしいのはこの人の方ではないだろうか。
女々しいと言われた事は何度かあるが、ここまで酷く言われた事は今までに一度もない。
悠:「先生、俺はおかしくも何ともないですよ。」
養護教諭:「嘘よ。下に何も付いてないのに男だと言う人は、自覚障害か性同一性障害のどちらかよ。」
何で他人にそこまで言われなくちゃいけないんだ?
俺が男で居ることがそんなにもおかしいのだろうか。
悠:「いい加減にして下さい。俺は身も心も男です。下に付いているべき物も付いているから、正真正銘の男ですよ。」
もう自棄になっていた。
初対面の人にこんな事をよく言えたなと振り返りながら思う。
養護教諭:「まぁ、冗談はこれぐらいにしておいて、次は
???:「楽しそうですね。何をしているんですか?」
保健室の出入口から声が聞こえた。
救世主到来か。
養護教諭:「おや、水谷美也虎先生。」
美也虎:「何をしていたんですか?」
養護教諭:「先生は知ってますか?『中を見せろ』はとはマタア・ナサハラ語で『病院に行きなさい』という意味なんですよ。」
美也虎:「知らなかったよ。先生も一緒に病院に行きましょう。治ると良いけど。」
養護教諭:「人を痛い人間みたいに扱わないで下さい。私は至って健康です。」
美也虎:「健康かもしれないけど不謹慎じゃないか。」
養護教諭:「先生は真面目すぎです。ちょっとぐらい羽目を外したって罰は当たらないですよ。」
美也虎:「学生ならまだしも、教師が勤務中に羽目を外しちゃ駄目だろ。」
頭が痛くなってきた。
この空間から離脱したい。
こんな馬鹿けた空間にいたくない。
養護教諭:「悠ちゃん、どうしたの?」
悠:「ただの頭痛です。教室に戻ったら治るので帰らせて下さい。」
養護教諭:「待った。病院に行って精密検査を受けないと帰さないよ。」
悠:「そこまでひどい頭痛じゃないから大丈夫です。帰らせて下さい。」
肉体的ではなく精神的な頭痛だからな。
悠:「それに精密検査を受けれる程の所持金持ってないですよ。」
養護教諭:「事故の主犯者が治療代を全額出すから大丈夫ですよ。」
悠:「主犯者って、誰が事故を起こしたか知ってるんですか?」
養護教諭:「ここに居るじゃない。」
悠:「へ?」
改めまして、お久しぶりです。
3年半経った今でもこの作品をご覧いただいている方がおみえですと幸いです。
本当にお待たせしてすみません。
さて、今回のお話で悠が車に跳ねられてましたね。
実はこの話の下書きを書いている際、作者の私も車に跳ねられました。
不思議なことに私が乗っていた自転車も私自身もほぼ無傷でしたね。
だから何ということなんですが…
最後に今回初登場したキャラクター紹介…といきたいのですが、現在手元に資料がないため次回に持ち越しさせてもらいます。
次回は中編。悠を跳ねた犯人は誰だったのでしょう。
お楽しみに!