♯02 音楽室
やっと2話を投稿できました。
話の内容は前話の続きです。
音楽室には予想していた人数よりも少なかった。
片手で数えれる。
妖胡:「見学者を連れてきたよ。」
悠:「一つ訪ねて良いかな?」
妖胡:「何?」
悠:「ここに居る人達で吹奏楽部の全員?」
妖胡:「今日帰っちゃった人を入れるとあともう一人居るよ。」
現在の部員数はギリギリ片手で数えれるな。
女子生徒:「少人数ですけど何か?」
悠:「いや、何も。」
そう言うしか他になかった。
できたてホヤホヤの部活だから少人数なのは仕方ないな。
女子生徒:「そう、自己紹介をするわ。私は淺川美雷。この部活の部長よ。」
男子生徒:「俺は熊野健。副部長だ。」
悠:「取り敢えず、宜しく。そっちの娘は?」
女子生徒:「三河凪。」
悠:「・・・、あぁ、宜しく。」
凪:「(コクリ)」
この娘はあまり喋らないみたいだ。
顔を合わせようとしない。
美雷:「飛鳥君は何か楽器は出来るの?」
悠:「コントラバスなら出来る。」
妖胡:「えっ!楽器経験者だったの?」
美雷:「知らずに連れてきたの?」
妖胡:「教室に残っていて暇そうだったから連れてきてだけだから何も聞かなかったよ。」
そんなに暇人にみられてたんだ。
放課して2時間何もせずに学校に居たから無理もないな。
健:「コントラバスもあるから自由に弾いて良いよ。」
悠:「じゃあ、お言葉に甘えて弾かせてもらうよ。」
美雷:「楽器は第一音楽準備室に置いてあるから好きなコントラバスを選んでね。5台あるから弾き比べしても良いから。」
悠:「わかった。」
え〜っと、第一音楽準備室はっと、ここだな。
第一音楽準備室の扉を開けようとノブを握ったとき、淺川さんは今何と言ったか思い出した。
悠:「淺川さん。この学校ってコントラバス5台もあるの!?」
5台という数に時間差があったが驚いてしまった。
美雷:「あるわよ。昔は大人数だったみたいだから他の楽器の個数も他校と比べても多いはずよ。」
半信半疑で第一音楽準備室の扉を空ける。
奥にコントラバスが1台、2台、3台・・・。
確かに5台置いてある。
悠:「嘘だろ。部員何人居たんだよ。昔は交響楽部だったのか?」
自分以外は誰も居ない部屋で誰に向けて言っているのか自分でもわからない。
独り言にしては声がでかいなと思った。
折角だし弾き比べでもするかな。
一番手前に置いてあるコントラバスから順番に弾いてみよう。
・・・・・・・・。
10分後
悠:「淺川さん!」
美雷:「えっ、何?どうしたの?」
悠:「どうしたもこうしたもない。いくらコントラバスが5台あったとしても、弦が1本もなけりゃ弾き比べも何もできないだろ。」
美雷:「1本もないの?嘘でしょう。」
妖胡:「いくら何でもそれはないよ。バイオリンと間違えてない?」
健:「飛鳥、目が悪いなら、眼鏡を貸してあげようか。」
3人揃ってそこまで否定するか。
コントラバス経験者がコントラバスを見間違えるって、そっちの方が有り得ないだろ。
ちなみに三河は一人で黙々とフルートの練習をしている。
大声で話をしているから聞こえているとは思うが、会話に入ってくる気配はない。
悠:「そんなに信用できないなら自分の目で確かめてくれよ。」
3人を第一音楽準備室に入室してもらって全てのコントラバスとケースの中を見せた。
健:「見事に1本もないな。」
美雷:「これはもはや、コントラバスではないわ。」
妖胡:「コントラバスじゃないなら何なの?」
健:「『ただの置物』だな。」
美雷:「え〜。『ただの』じゃ可哀想だから『イレギュラーな』の方が良くないかな。」
健:「じゃあ、『イレギュラーな置物』か。」
妖胡:「『置物』もあまりぱっとしないから良くないよ。置物を逆さにして『物置』にしよう。」
健:「それだと何の物置かわからないな。『世界の秘密が明かされた』を真ん中に加えようぜ。」
美雷:「それでもインパクトが無いわね。『家政婦はみた!』を頭に付けましょう。」
妖胡:「いや、時代に便乗して、そこは『巫女さんはみた!』の方が良いんじゃないかな。」
美雷:「お〜。良いねぇ〜。」
凪:「『in音楽室』も付けて。」
健:「『巫女さんはみた!イレギュラーな世界の秘密が明かされた物置in音楽室』。」
妖胡:「何か変だね。」
凪:「『イレギュラー』と『世界の秘密』の順番を逆にすれば違和感がない。」
美雷:「『巫女さんはみた!世界の秘密が明かされたイレギュラーな物置in音楽室』。こっちの方が確かに聞きやすいわね。」
妖胡:「それにしても、世界の秘密って何の事?」
健:「そりゃ、秘密だからわからないさ。」
美雷:「でも、明かされたんでしょう?」
健:「それでも秘密なんだよ。なんせ物置に鍵が掛かってるからな。」
妖胡:「じゃあ、扉が開かないのに何で中身は知ってるの?」
凪:「勘。」
美雷:「なるほど、奥が深いわ〜。」
妖胡:「ところで私たちは何をしていたんだった?」
健:「さぁ〜、何だっけ?」
俺はいったい何をしているのだろうか。
中2の昼休みトークを聞きに来たのでは無かったと思うが。
知らぬ間に三河も話に参加しているし、コントラバスの事は忘れられているし、俺の存在も忘れられているし。
美雷:「飛鳥君、間抜け面してどうしたの?」
悠:「いや、大した事じゃない。この部活に関わらなければ良かったなと思っただけだ。」
健:「物置は置いといて、この状態ではコントラバスは無理だな。管楽器をやってみるか?」
悠:「すまないが管楽器は無理なんだ。」
美雷:「何?管楽器を否定するつもり?」
悠:「別に管楽器を否定している訳じゃない。俺の身体的に無理だって事だ。」
美雷:「ひょっとして持病か何か?」
悠:「まぁそんなとこだな。」
妖胡:「なら打楽器は大丈夫なの?」
悠:「打楽器なら全然問題はない。」
妖胡:「じゃあ、打楽器をしてみる?」
悠:「やりたいけど、今日はもう時間が無いから帰らせてもらうよ。早く夕飯を作らないと妹がうるさいからな。」
美雷:「妹が居るんだ。」
妖胡:「会ってみたいな〜。」
悠:「会いたいなら、機会があれば連れてくるよ。」
妖胡:「本当に?楽しみだな〜。」
健:「飛鳥もまた来いよ。いつでも待ってるからさ。」
悠:「あぁ。じゃあ、先に失礼する。」
2話を読んで頂きありがとうございます。
自分で言うのも何ですが、私は『中2病患者』です(笑)。
個人的にはこういう馬鹿話は好きなんですかユーザーの皆さんはどうでしょうか?
それよりも、吹奏楽をメインとした物語を書くのは無謀じゃないかなと最近になって気づきました。
でも諦めずに最終話まで書きます。
それが何年先になろうとも、ただの自己満足しかなくても。
これからもこの作品、このシリーズを宜しくお願いします。
最後にキャラ紹介をして終わります。
[浅川 美雷]
身長:158cm
趣味:テレビ、人をいじる事
楽器:トロンボーン
その他
白銀高校吹奏楽部部長
ツリ目が特徴で若干S
[熊野 健]
身長:167cm
趣味:祭り行事
楽器:バリトンサックス
その他
白銀高校吹奏楽部副部長
お節介焼きのお人好し
眼鏡属性
[三河 凪]
身長:152cm
趣味:読書、パソコン
楽器:フルート、ピッコロ
その他
無口で情報収集を得意とする
中学時代にソロコンクールで全国に出場している実力者
眼鏡属性