多々、可笑しい
田間部六郎は今、大の字である。
クリスマスツリーの飾りつけをひとしきり終えた所であり
少し窮屈になり始めたからである。
「三十四年ー」
そうつぶやいて六郎はツリーの飾りの一部に目をやった。
金色に光る "それ" は生気、魂こそ感じられないが役割としては
十分な程である。
「三十四年燃え続けた」
「これから美佐になにをしてやれるだろうか」
美佐は明日美術館に行くつもりだ。
まだあの作者を気に入っているのか。
趣味の瞬間に縛られるのはよい。しかし、六郎はあの画家があまり好きではない。
「美佐」
「うん?」
「例の美術館の感想、聞かせてくれよな?」
「うん」
駄目だ。やはり美佐にあの美術館へは行って欲しくない。
六郎はその気持ちを抱えながらツリーの飾りつけを再開するのであった。
~続く~