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この世界は〝腐って〟いる。
自分の名は、グリズリィド・ベアグマー(15歳)——ベアグマー辺境伯家の次男坊。
筋骨隆々な身長180cmの体躯。
短く刈り上げられた、焦茶色の髪。
厳つい強面。
辺境の地を治める我がベアグマー辺境伯家は、領内にキケンな魔物が棲息する魔の森を擁していた。
その為、12歳の頃から領軍に混じって、魔物の討伐を行っていた自分の容姿は、The歴戦の戦士と言ったものでー…ぶっちゃけ、同年代の令嬢たちにウケが宜しくない。
反対に、子息たちには大変ウケが良く。近くを通れば、非常に熱っぽい視線を向けられる事もあった。
自分はその視線の意味を、憧れや敬意のようなモノと思っていた。
「グリズリィドよ、余のモノとなれ」
「グリズリィド、君となら僕は、何処へだって行ける気がするんだ」
「責任、とってくださいね。グリズリィド先輩」
「私のすべて、貴方に捧げます。グリズリィド」
この時まではー…て、いやいや、なんなんこの状況っ⁉︎